不妊治療

このページには、不妊症の原因と検査、一般不妊治療の進み方、人工授精、不育症の検査をまとめています。当院ではまず、スクリーニング検査でいまの状態を確かめます。その結果と年齢を見ながら、次の治療をご相談します。
不妊症とは
どのような状態ですか?
妊娠を希望する男女が、ある一定期間、避妊をせず継続的に性交をしていても妊娠しない状態を、不妊症といいます(日本産科婦人科学会の定義)。国の調査では、不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は、4.4組に1組にのぼります(2021年)
この一定期間は1年といわれていますが、年齢によって変わってきます。年齢が上がると、妊娠しない期間(不妊期間)が短くても、そのあと自然に妊娠する可能性は下がっていきます。できるだけ早めにご相談ください。
男性も、年齢が上がるにつれて、妊娠に関わる力(妊孕性)が下がるとされています。年齢のほかにも、こんなときは早めに受診してください。
- 月経不順や無月経がある、または生理痛がとても強い
- 男性で、小さいころに鼠径ヘルニアの手術を受けたことがある
- 男性で、睾丸炎やおたふく風邪にかかったことがある
- 射精できない
- ふだんの食生活や運動不足、喫煙が気になる
不妊症の原因には
どのようなものがありますか?
妊娠するには、いくつもの条件がそろわないといけません。ひとつでも欠けると妊娠には至りません。原因が女性側にあることも、男性側にあることも、両方のこともあります。検査をしても分からないこともあります。
| 分類 | 主な原因 |
|---|---|
| 女性側の原因 | 排卵因子、卵管因子、子宮因子、腹膜因子 |
| 男性側の原因 | 造精機能障害、精路通過障害、性機能障害、射精障害 |
| 原因不明 | 検査では異常が見つからない |
原因ごとのくわしい説明は、不妊症の原因のページにまとめています。
どのような検査をしますか?
女性側・男性側のそれぞれに検査があります。月経周期と検査の時期の関係は、不妊検査のページにまとめています。
女性側の検査
| 検査 | 調べること・わかること |
|---|---|
| 基礎体温 | 正常な基礎体温は、卵胞が育っていく「低温期」と、排卵後の「高温期」に分かれます。体温の差を見ていくと、排卵があったかどうかの見当がつきます(基礎体温のコラム) |
| 超音波検査 | 子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢胞などがないかがわかります。卵胞の大きさを測って、排卵の時期を調べることもできます |
| フーナー検査(性交後検査) | 排卵の前に性交をしていただき、子宮頸管粘液の中に運動している精子がどれくらいいるかを調べます |
| ホルモン検査 | 卵巣の働きや、排卵に関わる働きがわかります。低温期の採血:LH、FSH、プロラクチン、E2/高温期の採血:E2、P4 |
| AMH検査(抗ミューラー管ホルモン) | 卵巣年齢検査とも呼ばれ、卵巣の中に残っている卵子のおおよその数が分かります(AMH検査のコラム) |
| 甲状腺ホルモン検査 | 甲状腺の働きがわかります。甲状腺ホルモンは、卵胞が育つのにも必要です(TSH、FT3、FT4) |
| 感染症検査 | 淋病・クラミジア、B型肝炎・C型肝炎、梅毒・HIV |
| 抗体価検査 | 風疹・麻疹 |
| 子宮卵管造影検査 | 造影剤を子宮の中に注入して、子宮の形と卵管の通り具合を調べます(卵管造影・通水検査のページ) |
| 子宮内視鏡検査 | 小さなカメラを子宮の中に入れて、筋腫やポリープがないかを見ます |
男性側の検査
| 検査 | 調べること・わかること |
|---|---|
| 精液検査 | 精液量、精子濃度、総精子数、運動精子濃度、運動率を調べます(精液検査のコラム) |
| 精巣超音波検査 | 精巣に超音波を当てて、内部の状態や、精巣周囲の血管に異常がないかを調べます |
| 各種ホルモン検査 | LH、FSH、プロラクチン、テストステロン |
| 感染症検査 | 淋病・クラミジア、B型肝炎・C型肝炎、梅毒・HIV |
一般不妊治療は
どのように進みますか?
スクリーニング検査をして、問題がなければタイミング法から始め、少しずつ次の治療へ進みます(ステップアップ)。検査で問題が見つかったときや、年齢によっては、その原因を治療するか、人工授精や体外受精に進むことをおすすめします。
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STEP 01
検査
妊娠しにくい原因がどこにありそうかを調べます。
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STEP 02
タイミング法
超音波検査などで排卵がいつごろになりそうかを見て、性交のタイミングをご案内します。
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STEP 03
人工授精
調整した精子を子宮内に注入します。
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STEP 04
体外受精・顕微授精
体の外で受精させ、胚を子宮に戻します。
どの段階から始めるか、いつ次に進むかは、検査の結果と経過を見ながらご相談します。
不育症では
どのような検査をしますか?
当院で行っているのは、内分泌検査・染色体検査・凝固系検査・自己免疫検査です。
| 検査 | 調べること |
|---|---|
| 内分泌検査 | 甲状腺機能亢進症・低下症や糖尿病などでは、流産のリスクが高くなることがわかっています。甲状腺機能(FT3、FT4、TSH)と血糖値を調べます |
| 染色体検査 | 流産の約80%に、胎児の染色体異常が見つかっています。ご夫婦の血液を調べて、染色体に異常がないかを見ます |
| 凝固系検査 | 赤ちゃんに栄養を送る胎盤の血管は細く、血の流れも遅いので、血栓ができやすくなります。血液の固まりやすさを調べます(第Ⅻ因子活性、プロテインS、プロテインC) |
| 自己免疫検査 | 自分を攻撃してしまう抗体反応がないかを調べます(抗リン脂質抗体、抗カルジオリピン抗体、抗核抗体、抗DNA抗体) |
検査の進め方は不育症のページにまとめています。
不妊オープンセミナー
検査や治療のことを知ってから決めていただけるよう、ご夫婦向けのセミナーを定期的に開いています。
日程や内容は不妊オープンセミナーのページに載せています。
監修・更新
監修:城南レディースクリニック品川 院長 岩﨑 信爾(日本生殖医学会認定 生殖医療専門医/日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医)
最終更新:2026年9月19日