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Outcomes当院の治療実績

はじめに:この数値の見方
- ここに載せているのは当院で行った治療をまとめた数字です。他院の成績や全国の統計とは、そのまま比べられません。
- 治療の成績は年齢・卵巣機能・不妊原因・これまでの治療歴などで大きく変わります。 ここにある数字は、おひとりの見込みを表したものではありません。
- 症例数の少ない年齢層では、数例の違いで割合が大きく動きます。 そのため、対象が 10 周期に満たない年齢層は、割合を出さずに件数だけを載せました。
- ご自身の場合にどのくらい見込めるかは、診察のときに医師がお話しします。
指標の定義
指標(妊娠率・生産率など)の定義
- 妊娠反応陽性率
- 胚移植のあと、血液検査(血中 hCG 濃度)で妊娠と判定できた周期の割合。 分母は胚移植を行った周期数です。
- 臨床的妊娠率(胎嚢確認率)
- 妊娠 5 週以降に超音波検査で子宮内に胎嚢を確認できた周期の割合。 分母は胚移植を行った周期数です。 妊娠反応だけが陽性で胎嚢が確認できなかった場合(生化学的妊娠)は含みません。
- 生産率
- 胚移植のあと、出産(生産)に至った周期の割合。 分母は胚移植を行った周期数です。
- 流産率
- 胚移植のあと、流産に至った周期の割合。分母は胚移植を行った周期数です。 生化学的妊娠(化学的流産)は含みません。
- (参考)着床の仕組み
- 着床すると受精卵の栄養外胚葉(のちに絨毛となる細胞)が子宮内膜に浸潤し、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)を分泌します。HCGが陽性になったことは、移植した胚が着床に至ったことの証明になります。
妊娠率は「移植あたり」「採卵あたり」「患者あたり」など、分母の取り方で数字が大きく変わります。 年齢を「採卵時」で数えるか「移植時」で数えるかでも変わります。 当院の数値は移植周期あたり・採卵時の年齢で集計しているので、 他施設の公表値とそのまま比べることはできません。
治療実績
対象期間:2023年1月〜2025年12月(暦月)
対象治療:凍結融解胚移植(当院で行った全周期。いずれも単一胚移植)
年齢の基準:採卵時の年齢
集計単位:移植周期(患者単位ではありません)
同じ治療でも、年齢によって結果は大きく変わります。下の表から、年齢ごとの生産率だけを図にしました。
右にいくほど生産率が高くなります図:凍結融解胚移植の生産率。年齢は採卵時の年齢、分母は移植周期数で、括弧内に周期数を書いています。数値はいずれも下の表と同じものです。 同じ年齢層でも年によって差があります。1つの層あたりの周期数は数十件なので、年による違いには偶然の幅が含まれます。 45歳以上は症例数が少ないため割合を出していません。2025年は生産率を集計中です。
2023年(対象 275 周期)
| 採卵時年齢 | 移植周期数 (分母) | 妊娠反応陽性率 | 臨床的妊娠率 | 生産率 | 流産率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜29歳 | 11 | 72.7% | 63.6% | 63.6% | 0.0% |
| 30〜34歳 | 81 | 72.8% | 58.0% | 48.1% | 12.3% |
| 35〜39歳 | 108 | 52.8% | 38.9% | 32.4% | 7.4% |
| 40〜44歳 | 73 | 39.7% | 28.8% | 17.8% | 11.0% |
| 45歳〜 | 2 | 症例数が少ないため割合は掲載していません | |||
| 全年齢 | 275 | 55.6% | 42.5% | 34.2% | 9.5% |
2024年(対象 278 周期)
2024年・2025年は当院初公開の数値です。院内の診療録・胚培養記録から、これまでと同じやり方で出しました。このやり方で2023年を計算すると、すでに公開している数値と完全に一致することも確かめています。
| 採卵時年齢 | 移植周期数 (分母) | 妊娠反応陽性率 | 臨床的妊娠率 | 生産率 | 流産率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜29歳 | 36 | 58.3% | 47.2% | 44.4% | 2.8% |
| 30〜34歳 | 57 | 73.7% | 64.9% | 59.6% | 7.0% |
| 35〜39歳 | 112 | 62.5% | 46.4% | 35.7% | 11.6% |
| 40〜44歳 | 73 | 27.4% | 16.4% | 4.1% | 12.3% |
| 45歳〜 | 0 | 該当する症例はありません | |||
| 全年齢 | 278 | 55.0% | 42.4% | 33.5% | 9.7% |
2025年(対象 248 周期・分娩結果は集計中)
2024年・2025年は当院初公開の数値です。こちらも院内の診療録・胚培養記録から出しています。同じやり方で2023年を計算すると、すでに公開している数値と完全に一致しました。
2025年に移植した周期は出産予定が2026年中まで続くので、生産率・流産率はまだ確定していません。 分娩の結果が出そろい次第(2026年秋以降を予定)お出しします。
| 採卵時年齢 | 移植周期数 (分母) | 妊娠反応陽性率 | 臨床的妊娠率 | 生産率 |
|---|---|---|---|---|
| 〜29歳 | 12 | 83.3% | 75.0% | 集計中 |
| 30〜34歳 | 70 | 80.0% | 67.1% | 集計中 |
| 35〜39歳 | 106 | 59.4% | 42.5% | 集計中 |
| 40〜44歳 | 60 | 33.3% | 21.7% | 集計中 |
| 45歳〜 | 0 | 該当する症例はありません | ||
| 全年齢 | 248 | 60.1% | 46.0% | 集計中 |
実施件数
| 年 | 採卵周期数 | 胚移植周期数 |
|---|---|---|
| 2023年 | 233 | 275 |
| 2024年 | 227 | 278 |
| 2025年 | 202 | 248 |
集計の方法
どのように集計したか
- 集計対象:対象期間に当院で行った凍結融解胚移植の全周期(連続症例)です。 良好な症例を選んで取り出したものではありません。
- 算出方法:各割合 =(該当した周期数)÷(対象期間内に行った胚移植の周期数)× 100。 分母も分子も周期の数で、患者さんの人数ではありません。 同じ方が期間中に何度か移植された場合は、その回数分が分母に入ります。
- 年齢の基準:採卵時の年齢です(移植時の年齢ではありません)。
- PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)実施症例の扱い:PGT-Aを行った周期は集計の対象に含めていません(当院の実績数値はいずれもPGT-A症例を含みません)。
- その他の除外:転帰が決まっていない周期は、その年の生産率・流産率の計算から除いています (2025年は分娩結果が出そろっていないため、生産率・流産率を公表していません)。 妊娠反応陽性率・臨床的妊娠率については、対象期間内の全周期を分母としています。
- 集計主体:当院です(院内の診療録と胚培養記録をもとに集計しました)。 第三者機関の監査は受けていません。
- 集計日:2026年7月25日時点。
- 集計のもとになった資料は当院で保管しています。お問い合わせいただければご説明します。
数値の限界について
この数値の限界について
- 当院では 35〜39 歳の症例数が最も多く、29 歳以下と 45 歳以上はごくわずかです。 症例数が少ない年齢層ほど、年ごとのばらつきは大きくなります。
- 症例数の多い年齢層でも、数字は年によって動きます。 40〜44 歳の生産率は 2023 年が 17.8%(13/73)、2024 年が 4.1%(3/73)でした。 単年の数値だけで判断せず、複数年をあわせてご覧ください。
- 胚の見た目のグレードが良くても、染色体が正常とは限りません。 年齢が上がるほど、良好な胚であっても染色体異常の割合は高くなります。
- 参考として、43歳以上のグレードAA胚(見た目の評価が最も良い胚)でも、染色体数が正常である確率は15〜20%前後とされています。
- すべての症例で PGT-A による染色体検査を行えるわけではないので、 一定の割合で不成功や流産が起こります。
- ここにある数値は過去の実績です。これから先も同じとは限りません。
この数値で
避けていただきたい見方
数字は見方によって受け取り方が変わります。次のような読み方をすると、判断を誤ることがあります。
分母の取り方(移植あたり/採卵あたり/患者あたり)と年齢の数え方(採卵時/移植時)が、施設によって違います。数値の大小は、そのまま治療の質の差を意味しません。当院の数値は移植周期あたり・採卵時の年齢で集計しています。
ここにあるのは当院で治療を受けた方をまとめた数字で、おひとりずつの見込みを表したものではありません。見込みは年齢・卵巣機能・不妊原因・治療歴によって大きく変わります。
対象が少ない年齢層は、数例の違いで割合が大きく動きます。40〜44歳の生産率も、2023年と2024年ではずいぶん違いました。複数年をあわせてご覧ください。
治療実績は、受診される方の年齢や不妊原因によっても変わります。数字が高いからといって、ご自身に合う治療とは限りません。
数字の見方で分からないことがあれば、診察のときにお尋ねください。
治療に伴う主なリスク・副作用
この数字は裏を返せば、妊娠・出産に至らなかった方も多くいらっしゃるということです。 治療には次のようなリスク・副作用があります。
- 卵巣刺激:卵巣過剰刺激症候群(OHSS)。腹部膨満・腹水・血栓症などが起こることがあり、 入院が必要になる場合もあります。
- 採卵:出血、感染、周辺臓器の損傷、麻酔に伴うリスク。
- 妊娠成立後:当院の実績(2023年・2024年)では、移植周期あたりの流産率は 9.5%・9.7%、生化学的妊娠(化学的流産)は 11.6%・11.5% でした。 胎嚢が確認できた妊娠あたりでみると、流産は 22.2%・22.9% にあたります。 異所性妊娠は 2023年・2024年ともに 0 件、2025年に 1 件でした。
- 多胎妊娠:当院では対象期間の全周期で単一胚移植を行っており、 出産に至った例のうち多胎は 2023年 2 件(2.1%)、2024年 0 件でした。 多胎妊娠になると、母体にも胎児にも危険が大きくなります。
費用・治療期間・回数の目安
- 保険診療の対象:治療開始時点の女性の年齢が43歳未満であること。胚移植の回数上限は40歳未満で最大6回、40歳以上43歳未満で最大3回(子ども1人につき)です。凍結融解胚移植(このページの集計対象)はこの回数に含まれます。
- 自費となる主な項目と費用:凍結融解胚移植(自費)100,000円(保険適用時は36,000円) ※これ以外の自費(採卵・培養・胚凍結など)も含めた費用の全体は費用についてをご覧ください。
- 通常必要とされる治療期間:凍結融解胚移植は、採卵した周期とは別の月経周期に行います。期間はおひとりずつ異なるため、診察でご説明します
- 通常必要とされる治療回数:参考値として、2023年は患者1人あたり平均1.58回、2024年は1.54回の移植を行っています。おひとりずつの見込みを示すものではありません。
- 詳しくは費用についてもご覧ください。
- 1.58回1人あたりの移植回数(2023年)
- 1.54回1人あたりの移植回数(2024年)
図:当院の2023年の胚移植275周期の保険・自費内訳、および1人あたりの移植回数(いずれも参考値)。
このページに出てくる用語
ほかに分からない言葉があれば、診察のときにお尋ねください。
- 周期
- 治療の1回分の単位です。採卵を行った1回分を採卵周期、胚移植を行った1回分を移植周期といいます。同じ方が何度か受けた場合は、その回数分を数えます。
- 凍結融解胚移植
- 採卵して受精させた胚をいったん凍結保存し、別の周期に融かして子宮に戻す方法です。当院が集計しているのは、この方法による移植です。
- 単一胚移植
- 1回の移植で胚を1個だけ子宮に戻す方法です。多胎妊娠の危険を下げるために行います。
- 胎嚢(たいのう)
- 妊娠の初期に子宮の中に見えてくる袋状の構造です。超音波検査で見ます。臨床的妊娠の判定に使います。
- 生化学的妊娠(化学的流産)
- 妊娠反応は陽性になったものの、超音波検査で胎嚢が見えないまま経過した状態をいいます。臨床的妊娠には含めません。
- 異所性妊娠
- 受精卵が子宮の内側以外の場所に着床した状態をいいます。子宮外妊娠とも呼ばれます。
- 連続症例
- 対象期間に行った症例を、選り分けずにすべて集計に入れることをいいます。良好な症例だけを取り出していないことを示します。
- PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)
- 移植する前に胚の染色体の数を調べる検査です。受けられるかどうかと条件は、学会の見解に基づいて定められています。
- OHSS(卵巣過剰刺激症候群)
- 排卵を促す薬に卵巣が反応しすぎて、腹部の張り・腹水などが起こる状態をいいます。程度によっては入院が必要になります。
- 分母
- 割合を計算するときに、もとの数として何を数えたかを指します。同じ「妊娠率」でも、分母が移植周期か採卵周期かで数値が変わります。
よくある質問
なぜ分母を細かく書いているのですか?
同じ「妊娠率」でも、何を分母にするかで数字は大きく変わります。分母が書いていない数字は、見ても判断のしようがありません。当院の数値は、移植周期あたり・採卵時の年齢で集計しています。
この数値は他院と比べられますか?
分母の取り方や年齢の数え方が施設ごとに違うので、そのままは比べられません。詳しくはこの数値で避けていただきたい見方に書いています。
自分の場合はどのくらいの見込みですか?
ここにある数字からは、おひとりの見込みまでは分かりません。見込みは年齢・卵巣機能・不妊原因・これまでの治療歴で大きく変わりますので、診察のなかでおひとりずつお話ししています。
症例数が少ない年齢層の割合が載っていないのはなぜですか?
対象が10周期に満たないと、数例の違いで割合が大きく動いてしまいます。そういう年齢層は、件数だけを載せています。
2025年の生産率が載っていないのはなぜですか?
分娩の結果がまだ出そろっていないためです。出産に至ったかどうかが決まっていない周期を入れて計算すると、実際より低い数字になってしまいます。2025年分は結果が決まってから(2026年秋を予定)載せます。
良い症例だけを選んで集計していませんか?
対象期間に当院で行った凍結融解胚移植は、選り分けずに全周期(連続症例)を集計しています。集計の詳しいやり方は集計の方法に書いています。
この集計は第三者が確認したものですか?
いいえ。院内の診療録と胚培養記録をもとに当院で集計したもので、第三者機関の監査は受けていません。このことは集計の方法にも書いています。もとの資料は当院で保管していますので、お問い合わせください。
実績が良ければ治療がうまくいくということですか?
そうとは限りません。実績はあくまで過去の集計で、これからの結果をお約束するものではありません。治療実績は、受診される方の年齢や不妊原因によっても変わります。
数値はどのくらいの頻度で更新されますか?
年1回、秋ごろに更新します。次の更新は、2026年秋ごろ(2025年の分娩結果が確定した時点)を予定しています。
治療にはどのようなリスクがありますか?
卵巣刺激に伴う卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、採卵に伴う出血・感染、妊娠成立後の流産・異所性妊娠などがあります。詳しくは治療に伴う主なリスク・副作用にまとめています。
このほかの質問はよくある質問のページにまとめています。
お問い合わせ
このページの内容で分からないことがあれば、こちらまでお問い合わせください(予約専用ではありません)。
城南レディースクリニック品川
〒108-0074 東京都港区高輪4-24-58 サマセット品川東京 1F
電話:03-3440-5562(受付 平日 9:00〜18:00 / 土 9:00〜13:00)
最終更新:2026年9月19日 / 次回更新予定:2026年秋(2025年の分娩結果確定後)
参考:不妊治療と年齢について
参考:不妊治療と年齢について
不妊治療の成績は年齢の影響を強く受けます。公益社団法人日本産科婦人科学会の「2023年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績」も、移植あたりの妊娠率が年齢とともに下がることを示しています。
出典:公益社団法人日本産科婦人科学会 ART データブック(2023年分・2025年8月公開)
https://www.jsog.or.jp/activity/art/2023_JSOG-ART.pdf