不育症

流産や死産をくり返して、ご相談に来られる方がいらっしゃいます。妊娠はするけれど続かない状態を、不育症と呼びます。原因を調べる検査のご相談もできますし、お話をうかがうだけの受診でもかまいません。
気持ちの整理がつかないまま来院される方もいらっしゃいます。話せるところから、少しずつうかがいます。
不妊検査との
違い
不育症の検査は不妊検査と重なるところもありますが、調べる目的と項目が違います。不妊検査で見るのは妊娠のしやすさ、不育症の検査で見るのは妊娠が続きにくい原因です。
不育症とは
どのような状態ですか?
妊娠はするものの、流産や死産をくり返す状態のことです。
流産を何度かくり返した状態を不育症と呼ぶ考え方が一般的です。原因はひとつとは限らず、いくつかが重なっていることもあります。ご自身やパートナーのせいではありません。
妊娠しにくい状態が不妊症、妊娠しても続きにくい状態が不育症です。

診察室の前の廊下のソファ
どのような方が
ご相談の対象になりますか?
流産や死産をくり返された方は、ご相談いただけます。
- 流産をくり返している方
- 死産を経験された方
- 次の妊娠に不安を感じている方
- ほかの病院で検査を受けたけれど、あらためて相談したい方
流産が何回でも、いまどんな状況でも、ご相談いただけます。検査を受けるかどうかは、まだ決めていなくて大丈夫です。
この検査・ご相談で
できること・できないこと
不育症の検査は原因を調べるためのものですが、必ず原因が見つかるとは限りません。
できること
- 子宮の形態・内分泌・凝固・染色体など、いくつかの面から原因を調べられます。
- ほかの病院で検査を受けた方も、あらためてご相談いただけます。
- 検査や治療を受けるか決める前から、ご相談に乗っています。
できないこと・限界
- 検査をしても原因が分からないことは、よくあります。
- 検査や治療の効果を、当院からお約束することはできません。効果には個人差があります。
- 治療の中身は検査の結果によって違うので、診察でお話しします。
迷われている場合
- 検査を受けるかどうか決まっていなくても、どうぞお越しください。
- 妊娠のしやすさそのものを調べたいときは、不妊検査のページをご覧ください。
原因を調べる
検査について
不育症では、子宮の形態・内分泌・凝固・染色体など、いくつかの面から検査をすることがあります。
| 観点 | 何を調べるか |
|---|---|
| 子宮の形態 | 子宮の形に異常がないかを調べます |
| 内分泌 | ホルモンのバランスを調べます |
| 凝固 | 血液の固まりやすさを調べます |
| 染色体 | 染色体を調べます |
| 自己免疫 | 自分を攻撃してしまう抗体反応がないかを調べます |
当院で行っているのは、内分泌検査・染色体検査・凝固系検査・自己免疫検査です。どの検査をどの順番で受けていただくかは、これまでの経過を見て決めます。
| 検査 | 主な項目 |
|---|---|
| 内分泌検査 | 甲状腺機能(FT3、FT4、TSH)、血糖値 |
| 染色体検査 | ご夫婦の血液を調べて、染色体に異常がないかを見ます。流産の約80%に胎児の染色体異常が見つかっています |
| 凝固系検査 | 第Ⅻ因子活性、プロテインS、プロテインC |
| 自己免疫検査 | 抗リン脂質抗体、抗カルジオリピン抗体、抗核抗体、抗DNA抗体 |
原因が分からない場合について
原因が分からない場合について
検査を尽くしても、原因がはっきりしないことがあります。不育症ではよくあることです。
そのときにどう考えるか、次にどう進めるかも、診察でお話しします。
原因が分からなかったからといって、次の妊娠の見通しが決まるわけではありません。いつ相談するか、どう進めるかは、ご自身で決めていただけます。
通院の回数と
期間はどのくらいですか?
受ける検査の組み合わせによって、通院の回数や期間は変わります。
これまでの経過をうかがい、どのような検査があるかをお話しします。
子宮の形態・内分泌・凝固・染色体などのうち、必要な項目を検査します。
検査の結果と、原因が分からなかったときの考え方を、このときにお話しします。
結果をもとに、これからどうしていくかを一緒に考えます。
図:ご相談から今後の相談までの流れ。日数や回数は人によって違うので入れていません。
1回にかかる時間や、結果が出るまでの日数も、受ける検査によって変わります。
| 診療時間 | 月・水・金 9:00-13:00/15:00-19:00 火 9:00-13:00/15:00-18:00 木・土 9:00-13:00 |
|---|
費用はいくらですか?
費用は受ける検査によって変わります。
どの検査を組み合わせるかで費用が変わるので、金額は診察のときにお出しします。保険が使える検査と、自費になる検査があります。
ほかの検査や治療の費用は費用のページにあります。
検査・治療に
伴うリスク
検査では、採血と内診のリスクがあります。
- 採血のとき:内出血や痛みが出ることがあります。
- 内診のとき:痛みや出血が出ることがあります。
治療の中身とリスクは検査の結果によって変わるので、診察でくわしくご説明します。
こころの負担について
こころの負担について
つらい気持ちを抱えたまま、ご相談にいらっしゃる方も少なくありません。
流産や死産のあと、次の妊娠を考えること自体がつらいと感じる方もいらっしゃいます。まずはお気持ちをうかがうことから始めています。
検査や治療をどうするかは、ご相談を重ねながら決めていけます。気持ちの整理がつく前に、お話だけしにいらしても大丈夫です。話すのがつらくなったら、その場でおっしゃってください。そこからは、話せるペースに合わせて進めます。
気になることがあれば、いつでもご相談ください。
仕事と両立できますか?
通院の時間帯・仕事を抜けられるか
月・水・金は19:00まで、火は18:00まで診療しています。品川駅高輪口から徒歩5分です。
通う回数やかかる時間は、受ける検査によって変わります。
待合にはWiFiと電源があり、お待ちの間に仕事を進めていただけます。
このページに出てくる言葉
説明に出てくる言葉 7語の意味
このページの説明に出てくる言葉の意味です。分からない言葉は、ここで確かめてください。
- 不育症
- 妊娠はするものの、流産や死産をくり返す状態のことです。
- 流産
- 妊娠が、出産に至る前に終わってしまうことです。
- 死産
- 妊娠後期以降に、赤ちゃんが亡くなった状態で生まれることです。
- 内分泌
- ホルモンの出方にかかわる状態のことです。不育症の検査で調べる項目のひとつです。
- 凝固(検査)
- 血液の固まりやすさを調べる検査です。
- 染色体
- 細胞の中にある遺伝情報の単位です。検査で調べることがあります。
- 不妊症
- 妊娠しにくい状態のことです。妊娠はしても続きにくい不育症とは、別のものです。
よくある質問
この治療についての質問と回答 全10問
何回流産したら相談すべきですか?
回数にかかわらず、ご相談いただけます。不安なことがあれば、お問い合わせください。
検査を受ければ原因が分かりますか?
必ず分かるとは限りません。検査をしても、原因がはっきりしないことがあります。そのときにどう考えるかも、診察でお話しします。
パートナーも検査を受ける必要がありますか?
受ける検査によって違います。たとえば染色体検査は、ご夫婦の血液を調べる検査です。
費用はどれくらいかかりますか?
検査の組み合わせによって変わります。費用のページもあわせてご覧ください。実際の金額は診察のときにお出しします。
相談だけでもよいですか?
はい。検査や治療を受けるか決める前に、相談だけで来ていただけます。
不妊症とは違うのですか?
別のものです。妊娠しにくい状態(不妊症)は不妊症の検査のページ、妊娠はしても続きにくい状態(不育症)はこのページでご説明しています。
検査はどのタイミングで受けられますか?
流産や死産からどのくらい経っているかで、受けられる検査が変わります。いつ受けるかは診察でご相談ください。
検査を受けたら必ず治療が必要になりますか?
いいえ。治療をするかどうかは、検査の結果を見ながら一緒に決めます。何もしないという選択でもかまいません。
パートナーの気持ちのケアもしてもらえますか?
パートナーの方のお気持ちも、ご希望があれば診察でうかがいます。
一人で通院しても大丈夫ですか?
パートナーの方に一緒に来ていただくかどうかは、受ける検査や治療によって変わります。気になるときはお問い合わせください。
このほかの質問はよくある質問のページにまとめています。
監修・更新
監修:城南レディースクリニック品川 院長 岩﨑 信爾(日本生殖医学会認定 生殖医療専門医/日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医)
最終更新:2026年7月27日