卵子凍結

卵巣を刺激して育てた卵子を採卵し、凍結して保管します。今すぐ妊娠を考えているわけではないけれど、将来のために備えておきたい方に向けた方法です。保険は使えないので、費用は全額ご自身の負担になります。最初のご相談で方法と費用、リスクをお話ししますので、受けるかどうかはそのあとで決めてください。
卵子凍結は、将来の妊娠を保証するものではありません。当院は東京都卵子凍結助成対象医療機関です。
不妊治療全体の
どこにあたりますか?
卵子凍結は、不妊治療を始める前でも、治療をしながらでも考えられます。下の並びは不妊治療の進み方の目安で、この順番どおりに進むとは限りません。
-
STEP 01
検査
妊娠しにくい原因がどこにありそうかを調べます。
-
STEP 02
タイミング法
超音波検査などで排卵がいつごろになりそうかを見て、性交のタイミングをご案内します。
-
STEP 03
人工授精
調整した精子を子宮内に注入します。
-
STEP 04
体外受精・顕微授精
体の外で受精させ、胚を子宮に戻します。
卵子凍結は、この流れに入る前に受けられます。今は妊娠を考えていない段階でも、ご相談ください。
卵子凍結とは
どのような方法ですか?
卵巣を刺激して卵子を育て、採卵して凍結し、将来使うときまで保管しておきます。
卵子は年齢とともに数や質が変わっていきます。いま採った卵子を凍結しておけば、その時点の状態のまま保管できます。将来、妊娠を望む時期がきたときに、その卵子を使うという道を選べます。
保険は使えないため、全額自己負担の自費診療です。凍結したあとも、保管の更新や、実際に使うときの手続きが続きます。いまの卵子を、将来のために預けておくイメージです。
どのような方が
対象になりますか?
今は妊娠を考えていない方でも、将来に備えておきたい方は受けていただけます。
- 今すぐ妊娠を望んではいないけれど、将来の選択肢を残しておきたい方
- 治療や体調の事情で、いまは妊娠を望むことが難しい方
- パートナーがいてもいなくても、ご自身の卵子を将来のために保管しておきたい方
受けていただけるかどうかは、診察と検査の結果を見て決めます。当てはまるかどうか迷うときも、まずはご相談ください。
東京都の卵子凍結
助成について
当院は東京都卵子凍結助成対象医療機関です。要件に当てはまる方は、凍結した年度に応じて20万円〜30万円を上限とする助成を受けられます(受けられる合計額は凍結する年度によって変わります。詳しくは下の「助成額」をご覧ください)。
不妊治療や妊孕性温存療法を目的としない、社会的な卵子凍結が対象です。助成の金額や対象の年齢、要件は年度ごとに変わります。申請の前に、下のリンク先で東京都の最新のご案内を必ずご確認ください。
対象者
- 東京都内在住の方
- 18歳〜39歳までの女性(採卵実施日の年齢)
対象要件
次のすべてに当てはまる方が対象です。
- 東京都が実施する「助成対象者向け説明会」に参加し、協力承諾決定を受けていること
- 説明会の参加日から1年以内に医療行為を開始すること
- この助成金は、お一人につき1回のみ受けられること(令和5年10月の制度開始以降)
- 不妊症の診断を受けていないこと
- 「東京都若年がん患者等生殖機能温存治療費助成事業」の対象者でないこと
- 凍結後も都が実施する調査に、対象である限り継続して回答すること(後年調査は令和10年度まで実施予定)
助成額
| 時期 | 助成額 |
|---|---|
| 卵子凍結を実施した年度 | 上限20万円 |
| 次年度以降、保管に係る調査に回答した年度 | 1年ごと一律2万円(令和10年度まで実施予定) |
次年度以降の更新助成(1年ごと2万円)は令和10(2028)年度まで実施予定のため、受けられる合計額は凍結する年度によって変わります。東京都の案内では、令和5年度に凍結した方は最大30万円、令和6年度は最大28万円、令和7年度は最大26万円、令和8年度は最大24万円が上限の目安です。「最大30万円」は、制度が始まった令和5年度に凍結した方の上限です。それ以降に凍結する方は、これより少なくなります。
最新の要件と金額は、東京都福祉局のご案内で必ずお確かめください。
この治療でできること
できないこと
卵子凍結でできるのは、いまの卵子を採って凍結し、保管しておくところまでです。
できること
- その時点の卵子を採って、凍結して保管しておけます。
- 今すぐ妊娠を望んでいない段階でも、将来の選択肢として受けていただけます。
- パートナーがいてもいなくても、ご自身の卵子を将来のために残しておけます。
できないこと・限界
- 凍結した卵子を将来使っても、必ず妊娠できるとは限りません。
- 採れる卵子の数や状態は年齢によって違うので、ご自身の場合は検査の結果を見てお話しします。
- 保管には期限があり、凍結保存した日から50歳の誕生日までお預かりします。1年ごとに更新の手続きがあり、保管料は月額5,500円(提携の保管機関へ直接お支払いいただきます)です。手続きのしかたは診察のときにご説明します。
- 将来その卵子を使うときには、あらためて費用がかかります。当院からその効果をお約束することはできません。効果には個人差があります。
- 凍結保存のあとにお名前や住所、電話番号が変わったときは、必ずご連絡ください。ご連絡先がわからないと、保管の更新など大切なお知らせが届きません。
迷われている場合
- 受けるかどうか決めていなくても、ご相談だけでお越しいただけます。
- これから不妊治療を考えている方は、不妊検査のページもあわせてご覧ください。
どのように
進みますか?
ご相談と検査から、将来お使いになるときまで、次のように進みます。
卵子凍結の方法とリスクをお話しし、必要な検査をします。受けるかどうかは、そのあとで決めていただけます。
検査の内容:AMH・E2・P4・FSHなどのホルモン検査と、HIV・B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス・梅毒などの感染症検査をします。
お薬を使って卵子を育てます。通院の頻度やお薬の内容は、卵胞の育ち方を見ながら、そのつど決めます。
当院では自己注射もできるので、通院の回数を減らせる方もいます。やり方は診察でご相談ください。
卵巣から卵子を採ります。かかる時間や麻酔を使うかどうかは、診察で決めます。
採取できた卵子を凍結します。凍結できる個数は採卵の結果によって変わります。
凍結した卵子を保管します。保管料は月額5,500円(提携の保管機関へ直接お支払いいただきます)で、1年ごとに更新の手続きをしていただきます。お預かりできるのは、凍結保存した日から50歳の誕生日までです。
将来、妊娠を望む時期がきたら、凍結しておいた卵子を融解して使うことを考えます。そのときは、あらためて費用がかかります。
来院回数は最低でも5回です(初診、検査結果確認、卵巣刺激中、採卵当日、採卵翌日以降の経過確認。刺激方法によって増えることがあります)。

培養室。採卵した卵子や受精卵を扱う部屋です
自費診療としての
ご案内
卵子凍結に保険は使えません。費用は全額ご自身の負担になります。
| 治療・検査の内容 | 相談・検査、卵巣刺激、採卵、凍結、保管、(将来)融解・使用。 |
|---|---|
| 費用(総額の目安) | 採卵〜凍結(一式):卵巣刺激をして卵子を10個凍結したときはおおよそ55万円程度、低刺激法で3個凍結したときはおおよそ35万円程度です(税抜。初診〜凍結保存の初期費用を含みます)。 保管料:保管を続ける限り、保管料(5,500円/月)がかかります。 将来お使いになるとき:あらためて費用がかかります。詳しくは診察のときにご説明します。 |
| 主なリスク・副作用 | 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、採卵時の出血・感染、周囲臓器の損傷、麻酔に関するリスク、融解後に使用できない場合がある(詳細はリスク・副作用をご覧ください) |
| 保険が適用されないこと | 保険適用の対象外です。表示している金額はすべて全額自己負担(自費)です。 |
効果には個人差があります。保管期限は凍結保存した日から50歳の誕生日までです。1年ごとに更新の手続きがあり、保管料は月額5,500円(提携の保管機関へ直接お支払いいただきます)です。
費用はいくらですか?
保険は使えないので全額自己負担です。採卵の個数や刺激の方法によって金額が変わります。
- 自費(全額自己負担)
- 10個採卵の場合:おおよそ55万円程度/3個採卵(低刺激法)の場合:おおよそ35万円程度(いずれも税抜)
初診から凍結保存までの目安です。保存の初期費用と、検査やお薬、麻酔などの費用を含みます。
- 自費(1年ごとに更新)
- 保管料 月額5,500円(提携の保管機関へ直接お支払いいただきます)
保管料は月額5,500円(提携の保管機関へ直接お支払いいただきます)です。1年ごとに更新の手続きがあり、凍結保存した日から50歳の誕生日までお預かりします。
- 初診料
- 3,000円
- 再診料
- 1,500円
- 0個
- 30,000円
- 1〜3個(3個まで)
- 130,000円
- 4個以上
- 1個あたり2,000円追加
- 局所麻酔
- 10,000円
- 静脈麻酔
- 30,000円
採卵の個数と麻酔の方法によって変わります。
- 1個
- 40,000円
- 2個以上
- 1個あたり2,000円追加
- 1個
- 40,000円
- 2個以上
- 1個あたり5,000円追加
- 初期費用
- 41,800円
- 出庫費用
- 55,000〜77,000円
- 初年度保管関連費用
- 107,800円
初期費用は1ケーン(最大15個)あたりの金額です。出庫費用は北海道・沖縄・離島を除きます。
来院(初診時)から卵子凍結までの目安
| 採卵(10個) | 144,000円 |
|---|---|
| 静脈麻酔 | 30,000円 |
| 裸化(10個) | 58,000円 |
| 凍結(10個) | 85,000円 |
| 卵子凍結あんしんバンク | 38,000円 |
| 初・再診料、薬剤、ホルモン検査、超音波検査 | 約200,000円 |
| 合計の目安 | おおよそ55万円(税抜) |
| 採卵(3個) | 130,000円 |
|---|---|
| 局所麻酔 | 10,000円 |
| 裸化(3個) | 44,000円 |
| 凍結(3個) | 50,000円 |
| 卵子凍結あんしんバンク | 38,000円 |
| 初・再診料、薬剤、ホルモン検査、超音波検査 | 約40,000円 |
| 合計の目安 | おおよそ35万円(税抜) |
金額はいずれも税抜です。凍結した卵子を実際に使うときには、別に費用がかかります。
ほかの検査や治療の費用は費用のページにあります。
通院の回数と
期間はどのくらいですか?
ご相談と検査から採卵・凍結まで、何度か通院していただきます。
大まかには、次の4つの段階に分かれます。実際の通院日や回数は、卵巣の状態によって変わります。
方法と費用、リスクをお話しし、必要な検査をします。
お薬を使って卵子を育てます。この間の通院の回数は、卵胞の育ち方によって変わります。
卵子を採取し、凍結して保管します。
保管を続け、将来妊娠を望む時期がきたら使うことを考えます。
図:ご相談から将来お使いになるまでの区切り。日数や回数には個人差があります。
| 相談・検査に要する通院回数 | 2回(初診、検査結果の確認) |
|---|---|
| 卵巣刺激〜採卵の通院回数 | 刺激の方法によって変わります(採卵当日と翌日以降の経過確認を含めて、全体で最低5回は来ていただきます) |
| 採卵1回にかかる時間 | 卵巣の状態によって違うので、診察のときにお話しします。 |
| 診療時間 | 月・水・金 9:00-13:00/15:00-19:00 火 9:00-13:00/15:00-18:00 木・土 9:00-13:00 |
リスク・副作用
卵巣刺激・採卵・凍結のそれぞれの段階でリスクがあります。
- 卵巣過剰刺激症候群(OHSS):卵巣を刺激するお薬で、卵巣が腫れたり、お腹に水がたまったりすることがあります。
- 採卵時の出血:採卵のときに出血することがあります。
- 感染:採卵後に骨盤内の感染を起こすことがあります。
- 周囲臓器の損傷:採卵のとき、まれに卵巣の周りの臓器を傷つけてしまうことがあります。
- 麻酔に関するリスク:採卵のときに麻酔を使うと、麻酔によるリスクがあります。
- 融解後に使用できない場合がある:凍結した卵子を将来融解したとき、すべてが使える状態とは限りません。
- 採卵できても凍結できない場合がある:卵子の育ち具合によっては、採った卵子のすべてを凍結保存できないことがあります。
- 血栓症:卵巣刺激によって血栓症が起こる危険があります。
仕事と両立できますか?
通院の時間帯・仕事を抜けられるか
月・水・金は19:00まで、火は18:00まで診療しています。品川駅高輪口から徒歩5分です。
卵巣を刺激している間は、卵胞の育ち具合を見るための通院が増えます。何回来ていただくか、どれくらい時間がかかるかは、卵巣の状態によって変わります。お仕事の予定を早めに教えていただくと、通院日を合わせやすくなります。
採卵の日にお仕事をどうするかも、診察でご相談ください。
待合にはWiFiと電源があり、お待ちの間に仕事を進めていただけます。
このページに出てくる用語
ほかに分からない言葉があれば、診察のときにお尋ねください。
- 卵巣刺激
- お薬を使って卵子を育てることです。使うお薬は診察でお話しします。
- 採卵
- 卵巣から卵子を採ることです。
- 裸化
- 卵子のまわりの細胞を取り除く処理です。
- 凍結
- 採った卵子を、将来使うときまで凍らせて保管しておくことです。
- 融解
- 凍結していた卵子を、使うときに解凍することです。
- 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
- 卵巣を刺激するお薬によって、卵巣が腫れたり、お腹に水がたまったりする状態です。
- 自費診療
- 公的医療保険が使えず、全額ご自身の負担になる診療のことです。卵子凍結もこれにあたります。
- 保管料
- 凍結した卵子の保管を続けるためにかかる費用です。毎月かかり、1年ごとに更新の手続きがあります。
よくある質問
卵子凍結をすれば将来の妊娠は保証されますか?
いいえ、保証はできません。将来の選択肢を一つ残しておく方法、とお考えください。
何歳までに受ける必要がありますか?
東京都の助成が、採卵をする日に39歳までの方を対象にしているので、当院でも39歳までとしています。採れる卵子の数や状態は年齢によって違うので、ご自身の場合は診察と検査の結果を見てお話しします。まずはご相談ください。
保管期間はどれくらいですか?
凍結保存した日から50歳の誕生日まで保管できます。1年ごとに更新の手続きがあり、保管料は月額5,500円(提携の保管機関へ直接お支払いいただきます)です。
パートナーがいなくても受けられますか?
お話をうかがってから、受けていただけるかどうかを決めます。まずはお問い合わせください。
費用はいつ確定しますか?
ご自身の場合の金額は、診察や検査の内容によって変わります。目安は費用のページにも載せています。
相談だけでも受け付けてもらえますか?
はい。受けるかどうかを決めていない段階でのご相談も受けています。
凍結した卵子は将来どのように使用しますか?
凍結した卵子を融解して、体外受精の流れの中で使います。使うときには、あらためて費用がかかります。
通院回数はどれくらいですか?
最低でも5回はお越しいただきます(初診、検査結果の確認、卵巣刺激中、採卵当日、採卵翌日以降の経過確認)。卵巣刺激の経過や刺激の方法によって、回数は変わります。
採卵当日は入院が必要ですか?
麻酔を使うかどうかとあわせて、診察でご相談ください。
一度に凍結できる卵子の数は決まっていますか?
決まっていません。凍結できる個数は採卵の結果によって変わり、年齢によっても違います。
引っ越しした場合はどうなりますか?
当院で凍結した卵子は、提携している専門の会社(卵子凍結あんしんバンク)に預けて保管しています。引っ越しをされるときは、ご自身で同社に直接ご連絡ください。お近くで卵子の輸送を受け入れている医療機関を確かめてから、出庫の手続きをしていただきます。
このほかの質問はよくある質問のページにまとめています。
監修・更新
監修:城南レディースクリニック品川 院長 岩﨑 信爾(日本生殖医学会認定 生殖医療専門医/日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医)
最終更新:2026年9月16日