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Column

二人目不妊は、
いつ相談すれば​よいですか

避妊せずに​1年間妊娠しない​ときを​「不妊症」と​する​考え方は、​一人目の​お子さんが​いても​同じです。​1年を​待たずに​ご相談いただいた​ほうが​よいことがあるのも、​一人目の​ときと​変わりません。​出産​(妊娠12週以降の​死産を​含みます)の​あとに​胚移植を​する​ときは、​保険の​胚移植の​回数を​あらためて​数えます。​通院日は​直前に​決まる​ことがあるので、​お子さんの​預け先や​通える​時間帯を​早めに​考えておいてください。

二人目の​ときも、
「1年」が​受診の​目安ですか?

目安は​同じです。​不妊症の​考え方は、​一人目の​お子さんが​いるか​どうかで​変わりません。

日本産科婦人科学会は、​妊娠を​望む健康な​男女が、​避妊を​しないで​性交していたにも​かかわらず、​1年間妊娠しない​場合を​「不妊症」と​しています。​ただ、​排卵が​ない方や、​子宮内膜症が​ある​方、​過去に​骨盤腹膜炎に​かかった​ことがある方は、​1年を​待たずに​検査や​治療を​始めた​ほうが​よいと​いわれています。

同学会の​説明では、​年齢が​上がると​男女ともに​妊娠しづらくなるので、​すぐに​治療を​始めた​ほうが​よいこともあります。​女性は​30歳を​過ぎると​妊娠する​力​(妊孕性)が​低下し始め、​35歳を​過ぎると​その​低下が​加速します。​一人目の​ときより​年齢が​上がっている​ことも、​相談の​時期を​考える​ときに​関わってきます。

厚生労働省の​ハンドブックにも、​子どもを​一人​産んでいても、​二人目の​子どもの​出産に​向けて​不妊治療を​行う​場合が​あると​書かれています。​1年を​待たなくて​よい​ときに​ついては、不妊治療は、​いつから​始めれば​よいですかで​取り上げています。

一人目の​ときの​経過は、
伝えた​ほうが​よいですか?

一人目の​妊娠・出産の​経過や、​それまでの​治療歴を​お聞か​せください。​この​先の​進め方を​考える​ときに​必要に​なります。

厚生労働省の​疑義解釈では、​保険で​生殖補助医療の​治療計画を​作る​ときに、​確かめる​ことが​決まっています。​お二人の​これまでの​治療歴​(出産・流産・死産の​経過を​含みます)、​保険か​保険外か、​これまでに​かかった​医療機関などです。​別の​医療機関で​治療を​受けていた​ときは、​その​医療機関に​問い合わせて、​治療歴の​詳しい​内容と​回数を​確かめます。

一人目の​ときの​治療を​別の​医療機関で​受けていた方は、​紹介状​(診療情報提供書)や​検査の​結果が​あれば​お持ちください。​すでに​受けた​検査を、​もう​一度​受けずに​済むことがあります。

一人目を​帝王切開で​出産した方は、​そのことも​お知らせください。​帝王切開の​傷あとで​子宮の​筋肉が​く​ぼみ、​そこに​液が​たまる​ことがあります​(帝王切開子宮瘢痕症)。​多くは​ありませんが、​この​液が​精子の​進入や​受精卵の​着床を​さまたげ、​二人目の​妊娠しにくさに​つながることがあります。​月経が​長引く、​月経痛が​強いと​いった​症状を​ともなうことも​あり、​傷あとの​様子は​超音波検査で​確かめられます。

一人目を​治療なしで​授かった​方も、​妊娠・出産の​経過と、​その後の​月経の​様子を​お聞か​せください。

パートナーの​検査も、
あらためて​必要ですか?

男性も​年齢の​影響を​受けます。​以前の​結果を​お持ちいただき、​必要な​検査を​ご相談します。

日本産科婦人科学会の​説明では、​不妊症の​原因は​男性側と​女性側で​ほぼ半々と​いわれています。​男性も、​年齢が​上がると​妊娠しにくくなります。​女性より​ゆっくりですが、​35歳を​過ぎると​精子の​質が​少しずつ​落ちていくと​いわれています。

男性側の​基本の​検査は、​精子の​数や​運動率などを​調べる​精液検査です。​一人目の​ときに​受けた​検査の​結果が​あれば​お持ちください。​時間が​たっている​項目や、​追加した​ほうが​よい​項目が​あれば、​診察の​ときに​ご相談します。

保険の​回数は、
出産の​あと​数え直しますか?

数え直します。​出産の​あとに、​次の​お子さんを​望んで​胚移植を​する​ときは、​回数を​最初から​数えます。

厚生労働省の​疑義解釈では、​「次の​児の​妊娠」には、​直前の​妊娠で​出産に​至った​後の​妊娠の​ほか、​妊娠12週以降に​死産に​至った​後の​妊娠も​含まれます。​保険診療で​回数の​上限を​超えた​あとに、​保険外の​治療で​妊娠・​出産した​場合も、​治療を​再開する​ときは​改めて​保険診療で​行うことができます。​どの​場合も、​母子健康手帳など​(死産の​場合は​診断書や​医師の​証明書)で、​出産に​至った​ことを​確かめます。

数え直した​あとの​回数の​上限は、​あらためて​治療を​始める​日の​年齢で​決まるので、​一人目の​ときと​同じ​回数に​なるとは​限りません。

年齢ごとの​回数など、​保険の​決まりの​全体は不妊治療の​保険は​どこまで​使えますかに​まとめています。

治療を​再開する​ときは、​母子健康手帳などを​お手元に​ご用意ください。

一人目の​ときの​凍結胚が​あります。
どう​進めますか?

凍結した​胚を​融解して​子宮に​戻す​「凍結融​解胚移植」と​いう​方法が​あります。​進め方は、​胚の​状態や​ご希望を​うかがって​診察で​決めます。

日本産科婦人科学会は、​胚を​いったん凍結保​存し、​卵巣や​子宮を​休ませた​後に、​解凍して​子宮へ​移植する​方​法を​「凍結融​解胚移植」と​説明しています。​凍結した胚は、​融解した​あとに​状態が​変わって、​移植に​使えない​ことがあります。​治療の​流れと​費用の​目安は体外受精の​ページに​載せています。

当院で​凍結胚を​お預かりしている​ときは、​凍結日または​前回の​更新月から​1年ごとに、​保存の​延長か​廃棄の​手続きが​必要です。​手続きの​1か​月前に、​当院から​お電話で​お知らせします。​手続きの​方法は問診・​書類の​ページに​まとめています。

ほかの​医療機関で​凍結した胚・精子の​移送も、​ご相談を​受けています。​担当医に​お話しいただくか、​お電話で​お問い​合わせください。

育児を​しながら、
どう​通えば​よいですか?

通院の​日が​直前に​決まる​ことがあります。​預け先や​通える​時間帯を​早めに​考えておいていただけると​助かります。

厚生労働省の​ハンドブックに​よると、​一般​不妊治療は​排卵の​周期に​合わせて​通院するので、​前もって​治療の​予定を​決めに​くいことがあります。​体外受精や​顕微授精では​通院が​多くなり、​採卵などは​半日から​1日かかる​ことがあります。

当院は​平日の​午後から​夕方と、​土曜の​午前にも​診療しているので、​その​時間帯に​通う方​法も​あります。​ただ、​治療の​内容に​よっては​土曜に​できない​検査や​処置が​ありますし、​採卵のように​日程を​選べない​ものも​あります。​ご家庭の​都合は​診察の​ときに​お聞か​せください。​できる​範囲で​日程を​合わせますが、​周期の​都合で​動かせない​こともあります。

お子さんと​ご一緒に​お越しいただけます。​当院は​不妊治療の​外来なので、​待合には、​ほかの​お子さんを​見るのが​つらい方や、​流産の​診断で​心を​痛めている​方も​多く​いらっしゃいます。​お子さんを​お連れに​なる​ときは、騒いだり​走り​回ったりしないよう、​お願いします。

診療時間の​表と​行き方、​待合の​様子は院内・アクセスに​載せています。

よく​ある​質問

一人目は​治療なしで​授かりました。​二人目も​様子を​みて​よいですか?

避妊を​しないで​1年たっても​妊娠しない​ときが、​受診を​考える​目安です。​排卵が​ないなど、​1年を​待たずに​相談した​ほうが​よいこともあります。

一人目は​別の​クリニックで​授かりました。​相談できますか?

はい、​ご相談ください。​これまでの​経過や​検査の​結果、​紹介状が​あれば​お持ちください。

一人目の​ときに​使った​保険の​回数は、​数えられたままですか?

出産の​あとに​次の​お子さんを​望んで​行う​胚移植は、​回数を​あらためて​数えます。​妊娠12週以降の​死産の​あとも​同じです。

授乳中でも​治療を​始められますか?

治療の​内容やからだの​状態で​変わりますので、​診察で​ご相談ください。

子どもを​連れて​行っても​よいですか?

当院は​不妊治療の​外来です。​待合には、​他の​お子様を​見るのが​つらい方や、​流産の​診断で​心を​痛めている​方も​いらっしゃいます。​お子様を​お連れに​なる​ときは、​騒いだり​走り​回ったりしないよう​ご配慮を​お願いします。

凍結胚の​保存の​手続きは、​いつ必要ですか?

凍結日または​前回の​更新月から​1年ごとです。​手続きの​1か​月前に、​当院から​お電話で​お知らせします。

監修・更新

監修:​城南レディースクリニック品川 院長 岩﨑 信爾​(日本生殖医学会認定 生殖医療専門医/日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医)
最終​更新:​2026年10月8日
この​記事は​一般的な​医学情報を​まとめた​ものです。​個別の​診断・治療方​針は​診察の​うえで​ご説明します。​

出典

公益社団法人 日本産科婦人科学会​「不妊症」
厚生労働省保険局医療課​「不妊治療に​係る​診療報酬上の​取扱いに​ついて」​(事務連絡・令和4年3月16日、​PDF)
厚生労働省​「不妊治療と​仕事の​両立サポートハンドブック」​(PDF)
黒田恵司・竹田省・田中温 編『データから​考える​ 不妊症・​不育症治療 改訂第2版』​メジカルビュー社​(2022)
『産科と​婦人科』93巻8号 特集​「ガイドラインから​学ぶ!​生殖医療アップデート」​診断と​治療社​(2026)​

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