不妊治療の医療費控除
年収と、1年間に支払った医療費を入れると、確定申告で戻る所得税と、翌年度に減る住民税の目安が出ます。 ご夫婦の年収を両方入れると、どちらが申告すると多く戻るかも比べられます。
戻る額を計算する
領収書の金額を入れてください。入れた金額はこの画面の中だけで使い、どこにも送信されません。
年収と医療費を入れると、ここに戻る額の目安が出ます。
確定申告の期間:2027年2月16日〜3月15日
計算の例
年収600万円・不妊治療33万円
2026年分で、年収600万円の方が1年間に不妊治療で33万円を支払った場合、戻る・減る額の目安は合計46,483円です。
| 1年間の医療費 | 330,000円 |
|---|---|
| 差し引く額 | 100,000円 |
| 医療費控除の額 | 230,000円 |
| 所得税の還付(復興特別所得税を含む) | 23,483円 |
| 翌年度の住民税の減額 | 23,000円 |
| 合計 | 46,483円 |
所得税の税率が10%の方は、医療費控除の額のおよそ1割が所得税で、もう1割が住民税で戻ります。税率が20%の方なら、所得税で戻るのはおよそ2割です。戻る額は「医療費控除の額」に税率を掛けた額なので、支払った医療費がそのまま戻るわけではありません。
対象になる費用・ならない費用
体外受精・顕微授精・人工授精を含む不妊治療の費用は、医療費控除の対象です。国税庁は、医師による診療等の対価として支払う不妊症の治療費と人工授精の費用を、対象としています。
| 費用 | 扱い |
|---|---|
| 不妊症の治療費・人工授精の費用 | 対象(医師による診療等の対価として支払うもの) |
| 体外受精・顕微授精(採卵・胚培養・胚凍結・胚移植を含む) | 対象(不妊症の治療費にあたります。保険診療・自費診療とも) |
| 治療のために処方された薬 | 対象(治療に必要な医薬品の購入の対価) |
| 通院の電車・バスの運賃 | 対象 |
| タクシー代 | 電車やバスが使えないときだけ対象 |
| 自家用車のガソリン代・駐車場代 | 対象外 |
| 病気の予防や健康増進のための医薬品・サプリメント | 対象外 |
| 健康診断の費用 | 原則として対象外 |
国税庁の質疑応答事例には、一般的な回答であり、具体的な事例では異なる課税関係が生じることがあると添えられています。病気の治療を目的としない卵子凍結など、個々の費用が当てはまるかで迷うときは、国税庁の案内か所轄の税務署でお尋ねください。
助成金や高額療養費を
受け取ったとき
助成金・高額療養費・保険金で補てんされた額は、支払った医療費から差し引いて計算します。
- 東京都の不妊治療費助成(2026年4月1日以降に始めた保険の体外受精・顕微授精は、1回の治療につき15万円まで)と、区の上乗せの助成
- 健康保険から支給される高額療養費と、健康保険組合の付加給付
- 生命保険・医療保険から受け取る給付金
差し引くのは、その給付の対象になった医療費までです。たとえば助成金が不妊治療の費用より多くても、引ききれない分を歯科などほかの医療費からは引きません。確定申告のときにまだ受け取っていない助成金は、受け取る見込みの額を差し引きます。
東京都の助成は、審査のあとに振り込まれます。確定申告の時期に決まっていないときも、見込みの額を差し引いて申告します。あとで額が違っていたら、申告をやり直します。
夫婦のどちらが申告するか
医療費控除は、医療費を支払った人が申告します。生計を一にする配偶者のために支払った医療費も、支払った人がまとめて申告できます。
所得税は所得が高いほど税率が上がるので、多くの場合、年収の高い方が申告すると戻る額が多くなります。住民税の減額は、どちらが申告しても10%です。
ただし、所得が200万円未満の方は、差し引く額が10万円より少なく(所得の5%に)なります。医療費が10万円に届かない年は、所得の低い方が申告すると控除を受けられることがあります。上の計算でおふたりの年収を入れると、どちらが申告すると多く戻るかを比べられます。
共働きでそれぞれが支払っている場合は、支払った人ごとに申告します。誰が支払ったかの扱いは、所轄の税務署でお尋ねください。
確定申告の準備
医療費控除は年末調整では受けられません。会社員の方も、確定申告をします。
1月1日から12月31日までに支払った分が対象です。当院・ほかの医療機関・薬局の領収書と、通院の交通費の記録をそろえます。
領収書から「医療費控除の明細書」を作ります。健康保険から届く医療費通知を添付すると、明細書に書く手間が減ります。
明細書を添えた確定申告書を、所轄の税務署に出します(e-Tax も使えます)。
確定申告期限等から5年を経過する日までは、税務署から領収書の提示や提出を求められることがあります。
ふるさと納税のワンストップ特例を使っている方は、確定申告をすると特例が使えなくなります。寄附金控除も確定申告書に書いてください。
計算のしかたと前提
医療費控除の額 = 1年間に支払った医療費 − 補てんされる額 − 10万円(所得が200万円未満の方は所得の5%)。上限は200万円です。
戻る所得税は、医療費控除を引く前と引いたあとで所得税を2回計算した差です。速算表の段をまたぐときも、そのまま計算しています。復興特別所得税(所得税の2.1%)も含めています。翌年度の住民税は、医療費控除の額の10%が減ります。
| 項目 | 2025年(令和7年)分 | 2026年(令和8年)分 |
|---|---|---|
| 給与所得控除の最低額 | 65万円(年収190万円まで) | 74万円(年収220万円まで) |
| 基礎控除(所得税) | 所得に応じて95万円〜58万円 | 所得489万円まで104万円、655万円まで67万円、それを超えると62万円 |
2025年分は令和7年度の税制改正、2026年分は令和8年度の税制改正による額です。基礎控除は、所得が2,350万円を超えると段階的に少なくなります。
- 給与のほかに所得がない方として計算しています
- 社会保険料は、空欄なら年収のおよそ14.5%(厚生年金に上限があるため、年収780万円を超える部分は5.5%)で見積もります
- 住民税は所得割10%、基礎控除43万円として計算しています
- 住宅ローン控除などの税額控除は入れていません。税額控除で所得税が0円に近い方は、戻る所得税が少なくなります
当院は税理士業務を行っていません。この計算は医療費控除のしくみを知っていただくための目安です。個別の税額は、所轄の税務署か税理士にご相談ください。
よくある質問
不妊治療の医療費控除で、いくら戻りますか?
戻るのは、医療費控除の額に所得税の税率を掛けた額と、翌年度の住民税の10%分です。2026年分で年収600万円の方が不妊治療で33万円を支払った場合、目安は合計46,483円です。このページの計算で、ご自身の年収と金額を入れて確かめられます。
体外受精の費用も、医療費控除の対象になりますか?
対象になります。国税庁は不妊症の治療費と人工授精の費用を医療費控除の対象としており、体外受精・顕微授精も不妊症の治療費にあたります。保険診療・自費診療のどちらでも対象です。個々の費用で迷うときは、所轄の税務署にお尋ねください。
東京都の助成金を受け取ったら、どう計算しますか?
受け取った助成金は、不妊治療の費用から差し引いて計算します。確定申告のときにまだ受け取っていなければ、受け取る見込みの額を差し引きます。区の上乗せの助成も同じです。
夫婦のどちらが申告すればよいですか?
医療費を支払った人が申告します。生計を一にする配偶者の分もまとめられるので、多くの場合、所得税の税率が高い方(年収の高い方)が申告すると戻る額が多くなります。所得が200万円未満の方は差し引く額が少なくなるので、計算で比べてください。
会社員でも、確定申告が要りますか?
要ります。医療費控除は年末調整では受けられないので、確定申告で受けます。
申告し忘れた年の分は、あとから申告できますか?
還付を受けるための申告は、その年の翌年1月1日から5年間できます。2025年分なら、このページの計算で年分を切り替えて目安を出せます。
通院の交通費も入りますか?
通院のための電車・バスの運賃は入ります。タクシー代は電車やバスが使えないときだけで、自家用車のガソリン代・駐車場代は入りません。