ブライダルチェックと
不妊検査は、何が違いますか?
目的が違います。いまのからだの状態を一度確かめておくのがブライダルチェック、妊娠しにくい原因を探すのが不妊検査です。
ブライダルチェックは、妊娠を考え始めたときに、からだの状態をまとめて確かめておく検査です。不妊検査は、妊娠を望んでいるのに妊娠しないときに、その原因を調べます。当院での扱いは下のとおりです。
| 項目 | ブライダルチェック | 不妊検査 |
|---|---|---|
| 目的 | いまのからだの状態を一度確かめる | 妊娠を妨げているものがないかを調べる |
| 主に受ける方 | 結婚を控えている方、将来に備えて確かめておきたい方。今すぐ妊娠を考えていない方も受けられます | 妊娠を望んでいて、ご自身やパートナーの状態を確かめたい方 |
| 保険 | 自費診療 | 保険が使える検査と、自費になる検査があります |
| 通院 | 多くの項目は1回の来院で検査でき、結果は後日お知らせします(組み合わせによって変わります) | 月経周期のなかで受ける時期が決まっている検査があり、何回かに分けて通うことがあります |
検査項目の組み合わせは、当院では何通りか用意しています。項目と費用はブライダルチェックのページに載せています。
ブライダルチェックでは、
何を確かめますか?
子宮や卵巣の様子、ホルモン、感染症、風しんへの免疫などを、まとめて確かめます。
妊娠の前に知っておきたい項目を、超音波検査・血液検査・感染症の検査などを組み合わせて、一度に確かめます。
風しんの抗体を調べるのは、妊娠中の感染を防ぐためです。厚生労働省によると、免疫が足りない女性が妊娠20週頃までに風しんにかかると、赤ちゃんに先天性心疾患や難聴、白内障などが起こる先天性風しん症候群の原因になります。妊娠中は、風しんを防ぐ生ワクチンを打てません。そのため、妊娠を考える段階で抗体を確かめておくことを、厚生労働省も勧めています。
こども家庭庁は、こうした取り組みを「プレコンセプションケア」と呼んでいます。性別を問わず、性や健康の正しい知識を持って、妊娠・出産を含めた将来の設計や健康を考えながら健康管理をすることです。妊娠を望む人だけのものではありません。
不妊検査では、
何を調べますか?
女性側は排卵・卵管・子宮などを、男性側は精液を調べます。
日本産科婦人科学会と日本生殖医学会の解説では、女性側は内診・経腟超音波検査、子宮卵管造影検査、ホルモン検査などから始め、必要な方には子宮鏡検査やMRI検査などを足します。ホルモンの値は月経周期によって変わるので、月経中と排卵後に分けて検査します。
卵巣に残っている卵子のおおよその数を知るために、抗ミュラー管ホルモン(AMH)を測ることもあります。AMHは卵子の数を反映するといわれていますが、卵子の質は分かりません。くわしくはAMH検査でわかること・わからないことで取り上げています。
男性側の基本の検査は精液検査で、精子の数や運動率などを調べます。当院でできる検査の一覧は不妊検査のページにまとめています。
ブライダルチェックで、
妊娠しにくいかどうかは分かりますか?
分かりません。ブライダルチェックは、妊娠しにくさの原因を一通り調べるための検査とは違います。
日本産科婦人科学会は、妊娠を望む健康な男女が避妊をせずに性交していても1年間妊娠しない場合を「不妊症」としています。原因は女性側にあることも、男性側にあることも、その両方のこともあり、調べても分からないこともあります。それぞれを確かめるための検査が組まれています。
ブライダルチェックには、不妊検査と重なる項目もあります。ただ、妊娠しにくさを調べるのに要る項目がすべて入っているわけではありません。異常が見つからなくても、将来の妊娠が約束されるわけではありません。
ブライダルチェックの結果を見て、追加の検査や治療を考えたいときは、そのまま当院でご相談いただけます。結果によっては、ほかの医療機関をご紹介することもあります。
どちらを
受ければよいですか?
いま妊娠を望んでいて気になることがあれば、不妊検査をおすすめします。将来に備えて確かめておきたい段階なら、ブライダルチェックです。
避妊をせずに1年たっても妊娠しないとき。日本産科婦人科学会は、排卵がない、子宮内膜症がある、骨盤腹膜炎にかかったことがある場合は、1年を待たずに検査や治療を始めたほうがよいとしています。
結婚を控えている、将来の妊娠に備えていまの状態を知っておきたい、今すぐ妊娠は考えていないが一度確かめておきたい、といった場合です。
月経の状況や、妊娠を望んでいる期間をうかがってから、どの検査が合うかを一緒に考えます。
年齢によって受診を考える期間の目安が変わることは、不妊治療は、いつから始めればよいですかで取り上げています。
保険や助成の扱いは、
どう違いますか?
当院のブライダルチェックは自費です。不妊検査には保険が使える検査があり、東京都の助成の対象になることもあります。
ブライダルチェックは自費診療なので、公的医療保険は使えません。不妊検査には、保険が使える検査と自費になる検査があります。一般不妊治療でどこまで保険が使えるかは不妊治療の保険はどこまで使えますかにまとめています。
東京都には、保険医療機関で受けた不妊検査と一般不妊治療について、費用の一部を助成する事業があります。子どもを望むご夫婦に、早い時期に検査を受けてもらうための制度です。都の案内では、将来の妊娠に向けたヘルスチェックなど、検診を目的に受けたブライダルチェックは対象にならないとされています(2026年9月17日に確認)。対象になる条件や申請の期限は、東京都福祉局の案内でご確認ください。
パートナーも
検査を受けたほうがよいですか?
不妊検査は、女性と一緒に男性も受けたほうがよいとされています。
日本生殖医学会は、不妊症の約50%は男性側に原因があるとしています。男性側の検査も、女性側と同時に進めるのがよいとしています。男性側の妊孕性(妊娠に関わる力)を調べる方法は、いまのところ精液検査だけです。
厚生労働省は風しんについても、妊婦の周りにいるパートナーや同居のご家族が感染しないよう、予防を呼びかけています。
当院には男性向けのブライダルチェックもあり、男性おひとりでも受けていただけます。不妊検査は、お二人そろって受けることをおすすめしています。
よくある質問
結婚の予定がなくても、ブライダルチェックを受けられますか?
受けられます。妊娠を考え始めたときで大丈夫です。年齢の制限もありません。
ブライダルチェックで異常がなければ、妊娠しやすいと考えてよいですか?
異常が見つからなくても、将来の妊娠を保証するものではありません。検査の項目に入っていない原因までは分かりません。
ブライダルチェックのあとに、不妊検査を受けることはできますか?
できます。結果を見て、そのまま当院で追加の検査や治療のご相談に進めます。
風しんの抗体は、なぜ妊娠の前に調べるのですか?
免疫が足りないまま妊娠20週頃までに感染すると、先天性風しん症候群の原因になるからです。妊娠中は生ワクチンを打てません。
不妊検査は、何回通えば終わりますか?
月経周期のなかで受ける時期が決まっている検査があるので、何回かに分けて来ていただくことがあります。
男性だけでブライダルチェックを受けられますか?
受けられます。男性ブライダルチェックは、男性おひとりでも受けていただけます。
監修・更新
監修:城南レディースクリニック品川 院長 岩﨑 信爾(日本生殖医学会認定 生殖医療専門医/日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医)
最終更新:2026年9月19日
この記事は一般的な医学情報をまとめたものです。個別の診断・治療方針は診察のうえでご説明します。
出典
公益社団法人 日本産科婦人科学会「不妊症」
一般社団法人 日本生殖医学会「生殖医療Q&A:Q7.不妊症の検査はどこで、どんなことをするのですか?」
厚生労働省「風しん」
こども家庭庁「『プレコンセプションケア』とは? 未来のために今知っておきたいこと」
東京都福祉局「不妊検査等助成事業の概要」
ご相談・ご予約
どちらの検査が合うか決まっていない段階でも、ご相談いただけます。初診の流れは初めての方へに載せています。