トップコラム / 排卵日の目安のつけ方

Column

排卵日がいつか、自分で目安を
つけるにはどうすればよいですか

月経が規則的なら、排卵は月経開始日から約2週間後といわれています。妊娠しやすいのは、排卵日の2日前から当日までとされています。目安のつけ方には、周期から数える方法と、尿でLHを調べる排卵日予測検査薬があります。どちらも予測の手がかりにすぎません。検査薬の説明書では、適切な時期に性交しても6周期以上妊娠しないときは医師に相談するよう案内しています。30代後半以上の方には、早めの受診をすすめています。

検査薬は、製品ごとの説明書に従ってお使いください。

排卵日は、
月経周期のいつごろですか?

月経が規則的な場合、月経の開始日から約2週間後といわれています。

日本産科婦人科学会の説明では、卵巣で卵子を包む袋(卵胞)が十分に育ち、中の卵子が成熟すると排卵が起こります。月経が規則的な女性では、月経の開始日から約2週間後に排卵するといわれています。妊娠しなければ、子宮内膜がはがれ落ちて次の月経になります。

排卵のきっかけは、LH(黄体形成ホルモン)です。厚生労働省が定めた排卵日予測検査薬のガイドラインは、月経周期のなかごろにLHの分泌が短いあいだに急に増え(LHサージ)、そこから約40時間以内に排卵が起こると説明しています。同じ資料には、排卵から約2週間後に月経が始まるとも書かれています。

月経が不順なときは、この数え方が使えません。日本産科婦人科学会によると、月経が不順な女性では、月経のような出血があっても排卵していないことがあります。周期が大きくばらつくときは、数えて目安をつけるより先に、排卵があるかどうかを確かめることをおすすめします。

妊娠しやすいのは、
排卵日の前後のいつですか?

排卵日の2日前から排卵日当日までに性交があると、妊娠しやすいとされています。

日本生殖医学会のQ&Aには「排卵日の2日前から排卵日当日までに性交渉があると妊娠しやすい」と書かれています。日本産科婦人科学会の説明では、最も妊娠しやすいといわれている時期は、排卵の直前(排卵の1〜2日前から排卵当日)です。

学会によって「2日前から」「1〜2日前から」と書き方は少し違います。どちらも1日ではなく、排卵日に向かう数日間を指しています。これは妊娠しやすい時期の目安で、この時期なら妊娠するという意味ではありません。検査薬の説明書でも、適切な時期に性交しても妊娠しないときは受診するよう案内しています。

周期から数える方法は、
どこまで目安になりますか?

周期が安定している場合の大まかな目安です。その月の排卵日までは分かりません。

周期から数えるときは、次の月経の予定日から約2週間さかのぼった時期を、排卵の目安にします。たとえば周期が28日でそろっているなら、月経の開始日から数えて14日目前後になります。

この数え方は、次の月経がいつ来るかの予想にもとづいています。排卵日予測検査薬のガイドラインでも、月経の予定がずれない「典型的な例」を示したうえで、異常がなくてもずれることがあると注意しています。前の周期と同じ日に排卵するとは限りません。

周期が不規則なときは、検査を始める日を決めるのに「最近の2〜3周期の中で一番短かった周期」を目安にするよう、同じガイドラインが示しています。

基礎体温も手がかりになります。日本産科婦人科学会によると、基礎体温をつけると、排卵しているかどうかのおおよその見当がつきます。ガイドラインにも、基礎体温と検査薬をあわせると、排卵日の予測の補助としてより役立つと書かれています。

排卵日予測検査薬は、
どのように使うものですか?

尿の中のLHを調べてLHサージをとらえ、排卵日の予測を補助する一般用検査薬です。

厚生労働省のガイドラインは、この検査薬を「排卵日予測の補助として使用されるもの」と定め、説明書に載せる内容も示しています。細かな手順や判定の表示は製品ごとに違いますので、お手元の説明書に従ってください。

01 始める日を決める

ご自分の周期から数えて、次の月経の開始予定日の17日前から検査を始めます。

02 毎日ほぼ同じ時間帯に調べる

1日1回、毎日ほぼ同じ時間帯に検査します。判定に迷うときなどは、朝と夕方の1日2回にすると、LHサージをとらえやすくなります。

03 尿のとり方に気をつける

検査の前4時間ほどは、できるだけ排尿を控えます。直前に水分をとりすぎないようにします。

04 初めて陽性になった日を目安にする

初めて陽性になったときが、LHサージをとらえたしるしです。説明書の例では、初めて陽性になった日かその翌日が、最も妊娠しやすい時期です。

検査の初日から陽性になったときは、すでに排卵している可能性があります。この検査薬は避妊には使えないことも、使用上の注意に書くよう定められています。

検査薬で、
排卵日ははっきり分かりますか?

予測の手がかりにはなりますが、排卵したかどうかは分かりません。

ガイドラインが示す説明書の文面には、この検査薬はLHサージを検出するもので、排卵を確認するわけではない、と書かれています。使用上の注意にも、性能のうえで排卵日を特定できるものではないと載せるよう定められています。

理由として、次のことが挙げられています。

  • LHサージから、ふつういわれる約40時間を大きく超えて排卵が起こることがある
  • 検査薬がLHサージをとらえる前に、排卵が起こることがある
  • 周期が不規則なときや、LHサージが短い(12時間以内)ときなどに、まれに陽性にならないことがある
  • 妊娠、流産のあと、不妊治療の薬を使っているとき、ホルモンの病気、閉経の時期などでは、排卵と関係なく陽性が続くことがある

陰性が続くときは医師や薬剤師(または登録販売者)に、陽性が続くときは医師に、早めにご相談ください。

医療機関では、
どのように排卵日をみるのですか?

超音波で卵胞の大きさを測り、LHの値もあわせて排卵日を推定します。

日本生殖医学会によると、排卵の予定日より前に、腟から当てる超音波で卵胞の大きさを測ります。一般に卵胞の直径が20mmくらいになると排卵するとされ、この値から排卵日を推定します。さらに尿や血液のLHの値を測ると、排卵のタイミングをより正確につかめます。

日本産科婦人科学会の説明でも、卵胞の大きさや尿中のホルモンを測りながら排卵日を推定するため、数回の通院が必要です。こうして排卵日を推定し、性交の時期をご案内するのがタイミング法です。当院での進め方と通院の回数は、タイミング法のページに書いています。

どのくらい続けたら、
受診を考えればよいですか?

検査薬の説明書では、適切な時期に性交しても6周期以上妊娠しないときは、医師に相談するよう案内しています。

ガイドラインが示す説明書の文面には、妊娠しにくい原因は排卵の問題だけではないので、できればパートナーと一緒に医師に相談するように、とあります。同じ文面では、30歳代後半以上の方、結婚後に妊娠しない期間が長い方、早く妊娠したい方に、早めの受診をすすめています。

不妊治療を受けている方、ふつうに性交を続けて1年以上妊娠しない方、月経周期がきわめて不順だったり経血の量が異常だったりする方は、検査薬を使う前に医師にご相談ください。受診を考える期間の目安は不妊治療は、いつから始めればよいですかで説明しています。

当院では、治療を始めるかどうかを決める前に、検査だけを受けていただくこともできます。女性側・男性側でどのような検査をするかは不妊検査のページに書いています。

よくある質問

排卵日は毎月同じ日になりますか?

毎月同じ日とは限りません。周期に異常がなくても排卵日はずれると、検査薬のガイドラインにも書かれています。

排卵日の当日でないと、妊娠しにくいですか?

排卵日の2日前から排卵日当日までに性交があると、妊娠しやすいとされています。当日だけに限った話ではありません。

検査薬を使っても、陽性になりません。

不規則な周期や短いLHサージなどで、まれに陽性にならないことがあります。陰性が続くときは、早めに医師や薬剤師へご相談ください。

陽性の日が何日も続きます。

排卵と関係なく陽性が続くことがあります。早めに医師の診察を受けてください。

不妊治療中でも検査薬を使ってよいですか?

検査薬のガイドラインは、不妊治療を受けている方に、使う前に医師へ相談するよう求めています。通っている医療機関にお尋ねください。

月経が不規則でも、自分で排卵日を予測できますか?

月経が不順だと、出血があっても排卵していないことがあります。数えて目安をつけにくいため、一度ご相談ください。

監修・更新

監修:城南レディースクリニック品川 院長 岩﨑 信爾(日本生殖医学会認定 生殖医療専門医/日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医)
最終更新:2026年9月19日
この記事は一般的な医学情報をまとめたものです。個別の診断・治療方針は診察のうえでご説明します。

出典

公益社団法人 日本産科婦人科学会「不妊症」
一般社団法人 日本生殖医学会「生殖医療Q&A:Q8.不妊症の治療にはどんな方法があり、どのように行うのですか?」
厚生労働省「黄体形成ホルモンキットに係る一般用検査薬ガイドラインの策定について」(薬生機発0222第1号・平成28年2月22日、PMDA掲載・PDF)

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