子宮鏡検査では、
何が分かりますか
子宮鏡検査では、カメラで子宮の内側を直接見て、子宮内膜ポリープや子宮筋腫、子宮の中の癒着がないかを確かめます。はじめの超音波検査などで疑いがあるときに、追加で行う検査です。細いカメラであれば、外来の診察台で麻酔をせずに行えることもあります。
子宮鏡検査とは、
どのような検査ですか?
小型のカメラを子宮の中に入れて、内側を直接見る検査です。
日本生殖医学会の説明では、子宮鏡検査は「カメラを使用して、子宮の内側を直接観察する検査」です。同学会は不妊症の検査を、はじめに外来で簡単にできる一般的な検査と、病気が疑われるときなどに必要な方へ追加する検査に分けています。子宮鏡検査は、追加するほうに入ります。
当院の不妊検査の一覧には「子宮内視鏡検査」という名前で載せています。小型のカメラを子宮の中に入れて、筋腫やポリープがないかを調べる検査です。
なぜ不妊の検査で、
子宮の内側を見るのですか?
胚(受精卵)が着床するのは子宮の内側なので、そこを見ておきます。
日本産科婦人科学会によると、子宮の中が変形していたり、子宮内膜の状態が悪かったりすると、胚が着床しにくくなります。子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、子宮腺筋症、生まれつきの形の違いなどが原因です。過去の手術や炎症で子宮の中に癒着があるときも、胚は着床できず、妊娠に至りません。
日本生殖医学会のページにも、同じ趣旨の説明があります。子宮の内側に突き出る粘膜下筋腫のように内腔の形を変えてしまう筋腫や、一部の子宮内膜ポリープは、受精卵の着床を妨げることがあり、不妊症の原因になるとされています。
体外受精で胚を子宮に戻すときも、着床する場所は子宮の内膜です。治療の流れは体外受精のページにまとめています。
子宮鏡検査で、
何が分かりますか?
子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、子宮の中の癒着があるかどうかを確かめます。
子宮の内側をおおう内膜にできるポリープです。なかには、受精卵が内膜に着床するのを妨げるものもあります。
子宮にできる良性の腫瘍です。なかでも粘膜下筋腫は、子宮の内側に突き出て内腔の形を変えてしまいます。小さくても症状が強く、不妊になりやすいとされています。
子宮の内腔(内側の空間)に癒着が起きた状態です。日本生殖医学会は、月経の量が減る子宮腔内癒着症(アッシャーマン症候群)も、着床障害による不妊症の原因に挙げています。
子宮鏡検査では、ほかの検査で疑われたものを、カメラで直接見て確かめます。見つかったものをどうするかは、検査の結果を見て決めます。
超音波検査や卵管造影検査とは、
何が違いますか?
見る方法と、分かることの範囲が違います。子宮鏡は、子宮の内側を直接見る検査です。
| 検査 | どう調べるか | 主に何を確かめるか |
|---|---|---|
| 経腟超音波検査 | 診察台で、超音波の器具を腟から入れて画面で見ます | 子宮筋腫、卵巣のう腫、子宮内膜症、子宮内膜ポリープなど |
| 子宮卵管造影検査 | X線で透視しながら、子宮の中に造影剤を入れます | 子宮の形の異常、子宮の中の癒着、卵管の詰まりなど |
| MRI検査 | 磁気と電波で体の断面を写します | 子宮や卵巣の形。子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症などが疑われる場合 |
| 子宮鏡検査 | カメラで子宮の内側を直接見ます | 子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、子宮の中の癒着 |
経腟超音波検査は、はじめに外来で行う一般的な検査です。卵管の通り具合を調べる検査の流れや痛みは卵管造影検査・卵管通水検査のページに、当院で行う検査の一覧は不妊検査のページに載せています。
どのような場合に
受けますか?
ほかの検査で子宮の中の異常が疑われたときなどに、追加して行います。
内診や経腟超音波検査で、子宮筋腫・子宮内膜症・子宮内膜ポリープが疑われることがあります。そのときに追加することがある検査として、日本産科婦人科学会はMRI検査・子宮鏡検査・腹腔鏡検査を挙げています。日本生殖医学会も、はじめは外来で簡単にできる検査から行い、子宮鏡検査は必要な方に追加するものとしています。
子宮鏡検査が必要かどうかは、これまでの検査の結果や月経の様子、治療の経過を見て決めます。他院で受けた検査の結果があれば、受診のときにお持ちください。
どの検査をどの順番で受けるかは、診察で決めます。当院で子宮鏡検査を受けるときの時期と当日の流れも、診察でご案内します。
子宮内膜ポリープがあると言われたら、
どうなりますか?
超音波検査で疑われたときに、子宮鏡検査などで確かめることがあります。
はじめに行う経腟超音波検査で、子宮内膜ポリープなどがないかを見ます(日本生殖医学会)。疑いがあるときは、MRI検査や子宮鏡検査などを追加することがあります(日本産科婦人科学会)。
日本生殖医学会によると、子宮内膜ポリープの一部は、受精卵の着床を妨げることがあり、不妊症の原因になります。ただ、ポリープが見つかっても、すべてを取るわけではありません。ほかの検査の結果とあわせて、どうするかを決めます。
同学会の説明では、外来での子宮鏡検査で、子宮内膜ポリープや癒着を取り除けることもあります。ただ、取ったからといって妊娠しやすくなるとは限りません。
当院での進め方は、診察でお尋ねください。
体への負担は
どのくらいですか?
細いカメラであれば、外来の診察台で、麻酔をせずに行えることもあります。
日本生殖医学会は、細いカメラを使うときは、外来の診察台(内診台)で麻酔をせずに行うこともできると紹介しています。カメラを使う検査には腹腔鏡検査もあります。こちらはおなかの中から子宮や卵巣、卵管を見る検査で、全身麻酔をかけて手術室で行います。
痛みや違和感の感じ方は、人によって違います。心配なことは、検査の前にお聞かせください。
当院での費用は、診察のときにお話しします。ほかの検査の料金は費用についてに載せています。
よくある質問
不妊の検査では、全員が子宮鏡検査を受けるのですか?
全員が受けるわけではありません。まずは超音波検査など、外来で簡単にできる検査から行います。
痛みはありますか?
細いカメラなら麻酔をせずに行えることもあります。痛みの感じ方には個人差がありますので、気になることは前もってお聞かせください。
超音波検査で異常はないと言われました。子宮鏡も必要ですか?
子宮鏡は、疑いがある場合などに追加する検査です。必要かどうかは、これまでの結果や経過を見て決めます。
卵管造影検査と子宮鏡検査は、何が違いますか?
卵管造影はX線と造影剤で、子宮の形や卵管の詰まりを調べます。子宮鏡はカメラで子宮の内側を直接見ます。
ポリープを取れば、妊娠しやすくなりますか?
着床を妨げるポリープもありますが、取れば妊娠しやすくなるとまでは言えません。
他院で受けた検査の結果は使えますか?
結果をお持ちいただければ、診察の参考にします。もう一度受けていただきたい検査があるときは、その理由もお話しします。
監修・更新
監修:城南レディースクリニック品川 院長 岩﨑 信爾(日本生殖医学会認定 生殖医療専門医/日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医)
最終更新:2026年9月19日
この記事は一般的な医学情報をまとめたものです。個別の診断・治療方針は診察のうえでご説明します。
出典
一般社団法人 日本生殖医学会「生殖医療Q&A:Q7.不妊症の検査はどこで、どんなことをするのですか?」
一般社団法人 日本生殖医学会「生殖医療Q&A:Q4.不妊症の原因にはどういうものがありますか?」
公益社団法人 日本産科婦人科学会「不妊症」
公益社団法人 日本産科婦人科学会「子宮筋腫」