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低用量ピルの種類|製剤ごとの成分・飲み方の違いを比較

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低用量ピルの種類と特徴を産婦人科専門医が徹底解説!自分に最適なピルを探しましょうのイメージ画像
クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
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「低用量ピル」とひとことで言っても、国内で保険が使える製剤は一つではありません。含まれる黄体ホルモンの種類が違い、卵胞ホルモンの量が違い、そして何より「飲み方」が違います。毎日飲み続ける製剤もあれば、7日間まったく飲まない日をつくる製剤もあります。

このページは、製剤ごとの中身を並べて見ていただくためのページです。「そもそもどんなお薬か」「どんな効果があるのか」といった全体の話は別の記事にありますので、ここでは製剤の違いだけに絞ります。

記載は、各製剤の添付文書(効能または効果/用法及び用量/組成・性状/副作用)にもとづいています。どの製剤を使うか、そもそも使うかどうかは診察のうえで医師が判断するものですので、ここで「あなたに合うのはこれです」という結論は出しません。

目次
  1. 1 「低用量ピルとは」「効果」の総論は、別の記事にまとめています
  2. 2 低用量ピルの分類|3つの軸で整理する
    1. 2.1 軸①:黄体ホルモンの種類(世代)
    2. 2.2 軸②:配合パターン(一相性・二相性・三相性)
    3. 2.3 軸③:卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール)の量
  3. 3 保険で処方できる低用量ピルの一覧|成分・ホルモン量・飲み方・効能効果
    1. 3.1 読み方①:効能・効果の範囲が、製剤によってそろっていません
    2. 3.2 読み方②:先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック)
  4. 4 いちばん間違えやすいのは「飲み方」です
    1. 4.1 ヤーズ・ドロエチは「毎日飲む」——休薬期間はありません
    2. 4.2 フリウェル・ルナベル・ジェミーナは「本当に飲まない日」があります
    3. 4.3 ヤーズフレックス・ドロエチフレックスは、出血の状況で休薬のタイミングが変わります
  5. 5 「ドロエチ」と「ドロエチフレックス」は別のお薬です
  6. 6 製剤によって副作用の出方はどう違うか
    1. 6.1 同じ添付文書の中で比べられる例:LDとULDの出血
    2. 6.2 添付文書に記載された主な副作用(5%以上のもの)
    3. 6.3 ドロスピレノンを含む製剤に固有の注意
  7. 7 「新しい世代ほど副作用が少ない」とは限りません
    1. 7.1 PMS・ニキビは、国内の効能・効果には含まれていません
  8. 8 製剤を選ぶときに、診察で話していただきたいこと
  9. 9 まとめ
  10. 10 低用量ピルの種類に関するよくある質問
    1. 10.1 保険で処方できる低用量ピルには、どんな種類がありますか?
    2. 10.2 ヤーズやドロエチは「4日間休薬する」と聞きましたが、飲まない日があるのですか?
    3. 10.3 ピルは種類によって副作用が異なりますか?
    4. 10.4 「超低用量ピル」のほうが体にやさしいのですか?
    5. 10.5 PMSやニキビのためにピルを飲みたいのですが、どの種類がよいですか?
  11. 11 関連する診療メニュー

「低用量ピルとは」「効果」の総論は、別の記事にまとめています

低用量ピル(LEP)は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを組み合わせた錠剤で、国内では月経困難症などの治療に保険適応が通っているものを指します。避妊を目的とする経口避妊薬(OC)とは目的も保険の扱いも異なり、LEPの添付文書にはいずれも「本剤を避妊目的で使用しないこと」と記載されています。この違い、期待できること、副作用と血栓症、費用の考え方、始め方は 低用量ピルとは|効果・副作用・費用と始め方を解説 に、副作用そのものは 低用量ピルの副作用 にまとめています。はじめて調べる方は、先にそちらをお読みいただくほうが早く整理できます。

低用量ピルの分類|3つの軸で整理する

製剤の違いは、「黄体ホルモンの種類(世代)」「配合パターン」「卵胞ホルモンの量」の3つの軸で整理できます。

軸①:黄体ホルモンの種類(世代)

卵胞ホルモンはどれもエチニルエストラジオールですが、黄体ホルモンは製剤ごとに違います。この種類を開発された順に「世代」と呼び分ける慣習があります(「第◯世代」は添付文書の用語ではなく臨床上の呼び方です)。

世代黄体ホルモン国内の主な製剤
第1世代ノルエチステロン(NET)ルナベル配合錠LD/ULD、フリウェル配合錠LD/ULD(治療=LEP)
第2世代レボノルゲストレル(LNG)ジェミーナ配合錠(治療=LEP)/トリキュラー錠(避妊=OC)
第3世代デソゲストレル(DSG)マーベロン21/28(避妊=OC)
第4世代ドロスピレノン(DRSP)ヤーズ配合錠、ドロエチ配合錠、ヤーズフレックス配合錠、ドロエチフレックス配合錠(治療=LEP)

軸②:配合パターン(一相性・二相性・三相性)

1シートの中でホルモンの配合量が途中で変わるかどうかによる分け方です。

  • 一相性:有効成分を含む錠剤の配合量が一定。国内で月経困難症に対して保険適応が通っている製剤は、いずれもこの形です
  • 二相性:例=シンフェーズT28錠(ノルエチステロン0.5mgの錠剤12錠+1.0mgの錠剤9錠。効能・効果は避妊
  • 三相性:例=トリキュラー錠(レボノルゲストレルが0.050mg・0.075mg・0.125mgと3段階。効能・効果は避妊

つまり「一相性か三相性か」で迷う場面は、治療目的でお薬を選ぶときにはほとんど生じません。相の話は主に自費の経口避妊薬(OC)側の分類だとお考えください。

軸③:卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール)の量

1錠あたりのエチニルエストラジオールが0.035mgのもの0.02mgのものがあります。後者は一般に「超低用量」と呼ばれますが、これも添付文書の用語ではなく呼び方です。

そして、量が少ないほうが単純に良い、という話ではありません。フリウェル・ルナベルの添付文書には、ULDについて「臨床試験において(LD)と比較して不正性器出血の発現率が高いことを踏まえ、症状や治療目標に応じて治療薬を選択すること」と記載されています。ホルモン量が少ないことと引き換えに、予定外の出血が起きやすい面があるということです。

保険で処方できる低用量ピルの一覧|成分・ホルモン量・飲み方・効能効果

国内で月経困難症などに保険適応が通っている製剤を4つの軸で並べます。先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック)は、添付文書の記載が同じもの同士を1行にまとめています。

製剤(先発/後発)黄体ホルモンエチニルエストラジオール飲み方(1周期)効能・効果
ルナベル配合錠LD(先発)
フリウェル配合錠LD(後発)
ノルエチステロン 1mg
(第1世代)
0.035mg21日間服用+7日間休薬
1シート21錠(プラセボ錠なし)
月経困難症/調節卵巣刺激の開始時期の調整
ルナベル配合錠ULD(先発)
フリウェル配合錠ULD(後発)
ノルエチステロン 1mg
(第1世代)
0.02mg21日間服用+7日間休薬
1シート21錠(プラセボ錠なし)
月経困難症/調節卵巣刺激の開始時期の調整
ジェミーナ配合錠(先発)レボノルゲストレル 0.09mg
(第2世代)
0.02mg①21日間服用+7日間休薬
②77日間連続服用+7日間休薬
のいずれかを選択(プラセボ錠なし)
月経困難症/調節卵巣刺激の開始時期の調整
ヤーズ配合錠(先発)
ドロエチ配合錠(後発)
ドロスピレノン 3mg
(第4世代)
0.02mg28日間毎日服用(休薬期間なし)
1シート28錠=有効成分を含む錠剤24錠+プラセボ錠4錠
月経困難症
ヤーズフレックス配合錠(先発)
ドロエチフレックス配合錠(後発)
ドロスピレノン 3mg
(第4世代)
0.02mg24日目までは連続服用。条件を満たしたときに4日間休薬(下記参照)
28錠すべてが有効成分を含む錠剤
子宮内膜症に伴う疼痛の改善/月経困難症/調節卵巣刺激の開始時期の調整

※「調節卵巣刺激の開始時期の調整」は正式には「生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整」。各製剤の添付文書の「効能または効果」「用法及び用量」「組成・性状」「包装」にもとづいて作成。フリウェル配合錠は複数の製造販売元から出ており、製品によって記載が異なることがあります。お手元のお薬は診察でご確認ください。

読み方①:効能・効果の範囲が、製剤によってそろっていません

ここは見落とされやすいところです。ヤーズ・ドロエチの「効能または効果」は「月経困難症」の1つだけですが、ヤーズフレックス・ドロエチフレックスには「子宮内膜症に伴う疼痛の改善」が含まれます。ルナベル・フリウェル・ジェミーナには「調節卵巣刺激の開始時期の調整」(体外受精などの前に周期を調整する目的)が含まれます。

同じ「低用量ピル」でも承認されている使い道の範囲が違い、いま治療したい対象によって選べる製剤が変わるということです。

読み方②:先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック)

フリウェル配合錠はルナベル配合錠の、ドロエチ配合錠はヤーズ配合錠の、ドロエチフレックス配合錠はヤーズフレックス配合錠の後発医薬品(ジェネリック)です。後発医薬品は、先発医薬品より薬剤費の負担が抑えられる位置づけのお薬で、ご負担は保険の種類や薬局によっても変わります。当院の料金の考え方は 料金について をご覧ください。

レディースクリニックなみなみ 叶谷愛弓院長(目黒・産婦人科/医学博士)

「いま飲んでいる薬の名前がわからない」という方は、お薬手帳かシートの写真だけお持ちください。名前がわかれば、この表のどこに当たるかはその場で整理できます。合っていないと感じているなら、やめる前にご相談ください。

いちばん間違えやすいのは「飲み方」です

「毎日飲む」のか「本当に飲まない日があるのか」はまったく別の体験で、取り違えると飲み方そのものを間違えます。

製剤飲まない日1シートの中身
ルナベル/フリウェル(LD・ULD)あります(7日間)21錠すべてが有効成分を含む錠剤
ジェミーナあります(7日間)すべてが有効成分を含む錠剤(プラセボ錠なし)
ヤーズ/ドロエチありません(毎日飲みます)28錠のうち4錠は有効成分を含まないプラセボ錠
ヤーズフレックス/ドロエチフレックス条件を満たしたときに4日間28錠すべてが有効成分を含む錠剤

ヤーズ・ドロエチは「毎日飲む」——休薬期間はありません

添付文書の用法及び用量には「1日1錠を毎日一定の時刻に定められた順に従って(淡赤色錠から開始する)28日間連続経口投与する」と記載されています。28日間、毎日飲みます。飲まない日はありません。

ただし28錠すべてに有効成分が入っているわけではなく、組成の記載では有効成分を含む淡赤色の錠剤が24錠、含まない白色のプラセボ錠が4錠です。飲む錠剤が切り替わるだけで、飲む行為は途切れないという設計です。

フリウェル・ルナベル・ジェミーナは「本当に飲まない日」があります

フリウェル配合錠・ルナベル配合錠の用法及び用量は「1日1錠を毎日一定の時刻に21日間経口投与し、その後7日間休薬する」7日間はまったく飲みません。1シートは21錠で、プラセボ錠は入っていません。

ジェミーナ配合錠は「21日間連続経口投与し、その後7日間休薬する」「77日間連続経口投与し、その後7日間休薬する」いずれかを選択すると記載されています(後者は1周期が84日間)。どちらにするかは症状やご希望を踏まえて医師が判断します。

ヤーズフレックス・ドロエチフレックスは、出血の状況で休薬のタイミングが変わります

この2つは飲み方の考え方そのものが違います。添付文書には「24日目までは出血の有無にかかわらず連続投与する。25日目以降に3日間連続で出血(点状出血を含む)が認められた場合、又は、連続投与が120日に達した場合は、4日間休薬する」、あわせて「休薬期間は4日間を超えないこと」と記載されています。

つまりカレンダーではなく、出血の様子を見ながら休薬の日が決まる飲み方です(月経困難症に対しては「24日間連続経口投与し、4日間休薬する」という飲み方も選べると記載されています)。飲み方はご自身で判断せず、医師の指示のとおりにしてください。飲み忘れたときの対応は ピルの飲み忘れ にまとめています。

「ドロエチ」と「ドロエチフレックス」は別のお薬です

名前が似ているため取り違えられがちですが、この2つは別の製剤です。もとになった先発医薬品からして違い、ドロエチ配合錠はヤーズ配合錠の、ドロエチフレックス配合錠はヤーズフレックス配合錠の後発医薬品にあたります。

  • 効能・効果:ドロエチ配合錠は「月経困難症」。ドロエチフレックス配合錠には「子宮内膜症に伴う疼痛の改善」も含まれます
  • シートの中身と飲み方:ドロエチ配合錠は28錠のうち4錠がプラセボ錠で28日間毎日服用。ドロエチフレックス配合錠は28錠すべてが有効成分を含む錠剤で、条件を満たしたときに4日間休薬します

これまでと同じ感覚で飲み進めると、飲み方がずれてしまいます。詳しくは ドロエチフレックスとは|ヤーズフレックスとの違い をご覧ください。

製剤によって副作用の出方はどう違うか

ここでは「製剤ごとに何が違うのか」だけを扱います。全般の副作用(飲みはじめの症状、血栓症、飲めない方の条件など)は 低用量ピルの副作用 をご覧ください。

同じ添付文書の中で比べられる例:LDとULDの出血

フリウェル・ルナベルはLDとULDが同じ添付文書に並んで記載されているため、この2つは同じ条件で比べられます。

 LD(0.035mg)ULD(0.02mg)
不正性器出血(破綻出血、点状出血)60.0%81.1%
希発月経14.1%35.8%

ここでいう不正性器出血には、ごく少量の点状の出血も含まれます。添付文書はこの差を踏まえて「症状や治療目標に応じて治療薬を選択すること」としています。ホルモン量を下げれば良いという単純な話ではないことが、数字で示されている例です。

添付文書に記載された主な副作用(5%以上のもの)

先に、いちばん大事な注意を書きます。下の数字は製剤ごとに別々の臨床試験で集計されたもので、同じ条件で比べたものではありません。数字の大小で製剤の優劣が決まるものではありません。

製剤添付文書に「5%以上」と記載された主な副作用
ルナベル/フリウェル(LD・ULD)頭痛 15.5%/悪心 17.9%/不正性器出血(LD 60.0%・ULD 81.1%)/希発月経(LD 14.1%・ULD 35.8%)
ジェミーナ頭痛 11.2%/悪心 10.4%/不正子宮出血 72.9%/希発月経 44.6%/月経過多 21.6%/下腹部痛 20.3%/無月経 10.4%
ヤーズ/ドロエチ頭痛 41.0%/悪心 29.8%/不正子宮出血 25.4%/凝固検査異常 20.2%
ヤーズフレックス/ドロエチフレックス頭痛 25.5%/悪心 20.8%/性器出血 23.7%
レディースクリニックなみなみ 叶谷愛弓院長(目黒・産婦人科/医学博士)

「出血が続くので合っていないのかも」と、ご自身で服用をやめてしまう方がいらっしゃいます。落ち着いていくものかは経過を伺わないと判断できません。自己判断で中止せず、一度ご相談ください。

ドロスピレノンを含む製剤に固有の注意

ヤーズ・ドロエチ・ヤーズフレックス・ドロエチフレックスの添付文書には、カリウム製剤、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、カリウム保持性利尿薬、非ステロイド性消炎鎮痛剤などとの併用について「高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意すること」という記載があります(ドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド作用によると説明されています)。ノルエチステロン・レボノルゲストレルを含む製剤に同様の記載はありません。

また、この4製剤の添付文書には冒頭に「警告」として血栓症の記載があります。これは他の製剤に血栓症のリスクがないという意味ではありません(ルナベル・フリウェル・ジェミーナにも「重要な基本的注意」として同じ趣旨の記載があります)。下肢の急激な痛み・腫れ、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛などがあらわれた場合は、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診してください。

「新しい世代ほど副作用が少ない」とは限りません

「世代が新しいほど改良されていて副作用が少ない」という説明を目にすることがありますが、添付文書の記載からは、そうは言い切れません。

たとえば第3世代のデソゲストレルを含む経口避妊薬の添付文書には、「本剤は、他の経口避妊剤の投与が適当でないと考えられる場合に投与を考慮すること。レボノルゲストレル等の経口避妊剤と比較して、静脈血栓症の相対危険率を増加させることを示唆する報告がある」と記載されています。あわせて「レボノルゲストレル等の経口避妊剤による静脈血栓症の患者が1年間で1万人当たり1人であるのに対してデソゲストレルを含む経口避妊剤では2人になる」「ちなみに、妊娠による静脈血栓の発症は1年間で1万人当たり6人といわれている」とも記載されています。

つまり世代は「開発された順番」であって、良し悪しの順位ではありません。そしてデソゲストレルを含む製剤は、国内では避妊を目的とする経口避妊薬(自費)として用いられてきました。月経困難症の治療として保険の中で使うのは、上の一覧に挙げた製剤です。「肌のために第3世代を」という選び方は、保険で処方できる選択肢と噛み合いません。

PMS・ニキビは、国内の効能・効果には含まれていません

上の一覧のとおり、いずれの製剤も効能・効果に「月経前症候群(PMS)」や「ニキビ」は含まれていません。抗アンドロゲン作用のある黄体ホルモンについて改善が報告されることはありますが、承認された使い道ではありません。

さらに、「ざ瘡(ニキビ)」はいずれの製剤の添付文書でも副作用として挙げられています。良くなる方も、そうでない方もいらっしゃるということです。肌の状態がお困りの中心にあるのなら、それ自体を診察でお話しください。体重の変化は ピルで太る? にまとめています。

製剤を選ぶときに、診察で話していただきたいこと

ここまでの内容を、診察でお話しいただく順番に並べ替えます。

  1. いま、いちばん困っている症状は何か。生理痛か、経血量か、子宮内膜症に伴う痛みか。効能・効果の範囲が製剤によって違うため、ここが最初の分かれ道です
  2. どんな飲み方なら続けられそうか。毎日飲むほうが忘れにくい方もいれば、休薬のリズムが合う方もいます。連続して飲む期間を長くしたいご希望もお伝えください
  3. いま飲んでいる他のお薬と、これまでの病気・喫煙・ご家族の病歴。ドロスピレノンを含む製剤には併用に注意が必要な薬がありますので、お薬手帳をお持ちください。製剤の選択以前に、飲めない場合・慎重な判断が必要な場合もあります

レディースクリニックなみなみでは、産婦人科専門医が症状とご希望をうかがったうえでお薬を一緒に選んでいます。当院ではドロエチ配合錠・フリウェル配合錠・ドロエチフレックス配合錠をお取り扱いしています。目黒駅から徒歩4分、土日も診療、WEB予約は24時間受付、紹介状は不要です。通院が難しい方には オンライン診療 もご用意しています。月経のお悩み全般は 月経に関するお悩み をご覧ください。

まとめ

  • 製剤の違いは「黄体ホルモンの種類」「配合パターン」「卵胞ホルモンの量」の3軸で整理でき、保険適応が通っている製剤はいずれも一相性です
  • いちばん差が出るのは飲み方です。ヤーズ・ドロエチは28日間毎日服用(4錠はプラセボ錠。飲まない日はありません)、ルナベル・フリウェル・ジェミーナは7日間の休薬、ヤーズフレックス・ドロエチフレックスは出血の状況で休薬のタイミングが決まります
  • ホルモン量が少ない=優れている、ではありません(ULDはLDより不正性器出血の発現率が高いと記載)。世代の新しさも良し悪しの順位ではなく、PMS・ニキビは国内の効能・効果に含まれていません
  • 処方は医師の判断によるものです。自己判断で始めたり、やめたり、飲み方を変えたりしないでください

低用量ピルの種類に関するよくある質問

保険で処方できる低用量ピルには、どんな種類がありますか?

ルナベル配合錠LD/ULD、フリウェル配合錠LD/ULD、ジェミーナ配合錠、ヤーズ配合錠、ドロエチ配合錠、ヤーズフレックス配合錠、ドロエチフレックス配合錠があります。新しい製剤が承認されることもありますので、実際にお出しできるものは診察でご確認ください。

ヤーズやドロエチは「4日間休薬する」と聞きましたが、飲まない日があるのですか?

いいえ、飲まない日はありません。添付文書の用法及び用量は「1日1錠を毎日一定の時刻に定められた順に従って28日間連続経口投与する」で、休薬期間はありません。28錠のうち4錠が有効成分を含まないプラセボ錠のため、その4日間を「休薬」と呼ぶことがありますが、錠剤は毎日飲みます。ご自身で4日間中断なさらないでください。7日間まったく飲まない日があるのは、ルナベル・フリウェル・ジェミーナのほうです。

ピルは種類によって副作用が異なりますか?

添付文書に記載された副作用の内容と頻度は製剤ごとに異なります。ただしそれぞれ別の臨床試験で集計された数字ですので、製剤どうしを直接比べられるものではありません。同じ添付文書の中で比べられる例として、フリウェル・ルナベルのULDはLDより不正性器出血の発現率が高いと記載されています。

「超低用量ピル」のほうが体にやさしいのですか?

ホルモン量が少ないことが、そのまま良いことになるわけではありません。フリウェル・ルナベルの添付文書には、ULDはLDと比較して不正性器出血の発現率が高いことを踏まえ、症状や治療目標に応じて治療薬を選択すること、と記載されています。どちらが向いているかは診察でご相談ください。

PMSやニキビのためにピルを飲みたいのですが、どの種類がよいですか?

国内で承認されている低用量ピルの効能・効果に、月経前症候群(PMS)やニキビは含まれていません。抗アンドロゲン作用のある黄体ホルモンについて改善が報告されることはありますが承認された使い道ではなく、「ざ瘡(ニキビ)」は各製剤の添付文書で副作用としても挙げられています。お困りの中心がそこにあるのなら、ピル以外の選択肢も含めて診察でご相談ください。

クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
総監修者について詳しく見る 

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参考文献

  1. 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2023. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会 (2023). https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00802/
  2. Medical eligibility criteria for contraceptive use, 5th edition. World Health Organization (2015). https://www.who.int/publications/i/item/9789241549158
  3. トリキュラー錠21 電子添文. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  4. JAPIC. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00046302
  5. マーベロン 電子添文. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  6. JAPIC. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052379
  7. シンフェーズ 電子添文. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  8. JAPIC. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00054539
  9. ヤーズ 電子添文. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  10. JAPIC. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00058814
  11. ルナベル 電子添文. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  12. JAPIC. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00061805
  13. ヤーズフレックス 電子添文. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  14. JAPIC. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00066591
  15. ジェミーナ配合錠 電子添文. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  16. JAPIC. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067616
  17. フリウェル 電子添文. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  18. JAPIC. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067662
  19. ドロエチ 電子添文. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  20. JAPIC. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00070521
  21. ドロエチフレックス 電子添文. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  22. JAPIC. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00072020
  23. マルシロン配合錠 電子添文. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  24. JAPIC. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00072116
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