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ミレーナ(避妊リング)の費用や効果・副作用・保険適用について女性産婦人科医が徹底解説

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クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

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近年、避妊方法として注目を集めている「ミレーナ」。子宮内に装着するT字の避妊具で、高い避妊効果と月経に関する症状の改善効果が期待できることから、多くの女性から選ばれています。

しかし、ミレーナを検討する際に気になるのが費用面ではないでしょうか?「どれくらい費用がかかるのか」「保険は適用されるのか」など、疑問は尽きないと思います。

この記事では、ミレーナにかかる費用を徹底的に解説するとともに、費用の違いや保険適用を受けるための条件などを詳しく説明していきます。ぜひ最後まで読んでみてください。

目次
  1. 1 ミレーナ(避妊リング)とは?
    1. 1.1 避妊リング:子宮内に装着する避妊具
    2. 1.2 ミレーナ:避妊リングの一種で黄体ホルモンを用いたもの
  2. 2 ミレーナの装着によって期待できる効果
    1. 2.1 避妊効果
    2. 2.2 月経困難症や過多月経の改善
  3. 3 ミレーナの費用
  4. 4 ミレーナが保険適用になるケース
    1. 4.1 月経困難症や過多月経の場合は保険適用になる場合がある
    2. 4.2 避妊目的では保険適用にならない
  5. 5 ミレーナのメリット
    1. 5.1 ①:高い避妊効果が期待できる
    2. 5.2 ②:避妊の手間がかからず失敗しにくい
    3. 5.3 ③:長期間の避妊効果が期待できる
  6. 6 ミレーナのデメリット
    1. 6.1 ①:定期的な交換が必要
    2. 6.2 ②:ミレーナが適さない方もいる
  7. 7 ミレーナの主な副作用
    1. 7.1 ①:月経周期や月経期間の変化
    2. 7.2 ②:おりものの増加
    3. 7.3 ③:不正出血
    4. 7.4 ④:腹痛
  8. 8 その他の避妊方法との比較
  9. 9 ミレーナのエビデンスについて
  10. 10 ミレーナに関するよくある質問
    1. 10.1 ピルとミレーナはどう違う?
    2. 10.2 ミレーナを装着したら痩せる/太る?
    3. 10.3 ミレーナはデリケートゾーンの臭い対策になる?
    4. 10.4 ミレーナは取れないの?
    5. 10.5 ミレーナは性交渉はできるの?
    6. 10.6 ミレーナは妊娠を考えたらどうするの?
  11. 11 まとめ:ミレーナのご相談はレディースクリニックなみなみまで

ミレーナ(避妊リング)とは?

避妊リング:子宮内に装着する避妊具


避妊リングは、子宮内に装着することで避妊効果を発揮するT字型のデバイスです。避妊リングには、銅を使用したものやホルモンを放出するものなど、さまざまな種類があります。これらは子宮内避妊具(IUD: Intrauterine Device)または子宮内システム(IUS: Intrauterine System)と呼ばれることもあります。避妊リングは、ピルなどとは違って、比較的長期的な避妊方法として世界中で広く使用されており、その効果と安全性は多くの研究で実証されています。

ミレーナ:避妊リングの一種で黄体ホルモンを用いたもの

ミレーナは、レボノルゲストレルという合成黄体ホルモンを徐放する子宮内システムです。T字型のプラスチック製デバイスで、縦の部分にホルモンを含んだリザーバーが付いています。このリザーバーから少量のホルモンが持続的に放出され、局所的に作用します。ミレーナは、避妊効果だけでなく、子宮内膜症や子宮筋腫に伴う症状の軽減、更年期症状の改善など、幅広い治療効果が期待できるため、婦人科領域で重要な治療選択肢となっています。

ミレーナの装着によって期待できる効果

避妊効果

ミレーナの避妊効果は非常に高く、パールインデックス(避妊法の信頼性を示す指標)は0.2以下とされています。これは、1年間に100人の女性が使用した場合、妊娠する可能性がある人数が0.2人未満であることを意味します。この効果は、経口避妊薬(ピル)や男性用コンドームよりも高いとされています。また、ミレーナは装着後すぐに効果を発揮し、除去後は速やかに妊孕性が回復するため、妊娠を希望する際にも適しています。

月経困難症や過多月経の改善

ミレーナから放出されるレボノルゲストレルは、子宮内膜の増殖を抑制し、子宮内膜を菲薄化させます。これにより、月経量が減少し、月経痛も軽減されます。多くの使用者で、装着後1年以内に月経量が80%以上減少したという報告があります。また、子宮内膜症や子宮腺筋症に伴う疼痛の軽減効果も認められており、これらの疾患の保存的治療としても使用されています。


ミレーナの費用

ミレーナの費用は、クリニックによって異なりますが、一般的な費用は以下の通りです。

項目費用詳細
ミレーナ本体約3万円~5万円製造元の価格設定や医療機関の仕入れ価格により変動
装着費用約1万円~3万円医師の技術料や施設使用料を含む
診察料約3,000円~5,000円初診料や再診料、検査費用は別途必要な場合あり
事前検査費用約5,000円~15,000円超音波検査、細菌検査など

装着後の定期検診や、5年後の交換時の費用も考慮に入れる必要があります。医療機関によっては、これらの費用をパッケージ化して提供しているところもあります。

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ミレーナの挿入は痛いの?

出産の経験の有無で異なります。
出産経験がない方は子宮の入り口がまだ狭いことが多く、その場合は少し痛みを伴うことがあります。
個人差がありますが、できる限り痛みがないように局所麻酔をかけて行うこともあります。

ミレーナが保険適用になるケース

月経困難症や過多月経の場合は保険適用になる場合がある

ミレーナは、月経困難症過多月経の治療目的で使用する場合、保険適用となる可能性があります。ただし、保険適用となるためには、以下の条件を満たす必要があります:

  1. 月経困難症や過多月経の診断がされていること
  2. 他の治療法(薬物療法など)で十分な効果が得られなかったこと
  3. 患者が挙児希望のない20歳以上の女性であること

保険適用となった場合、患者の自己負担額は大幅に減少します(3割負担の場合、約1万円程度)。ただし、医療機関によって判断が異なる場合があるため、事前に確認が必要です。

避妊目的では保険適用にならない

避妊目的でミレーナを使用する場合は、保険適用外となります。これは、避妊が疾病の治療ではなく、個人の選択による医療行為と見なされるためです。ただし、避妊目的であっても、月経困難症や過多月経の症状がある場合は、症状の改善を主目的として保険適用となる可能性があります。医師と相談の上、適切な申請を行うことが重要です。

ミレーナのメリット

①:高い避妊効果が期待できる

ミレーナの避妊効果は99.8%以上と非常に高く、他の避妊方法と比較しても優れています。この高い効果は、ホルモンの局所作用と物理的な避妊効果の組み合わせによるものです。具体的には、以下の機序により避妊効果を発揮します:

  1. 子宮頸管粘液の粘稠化:精子の通過を阻害
  2. 子宮内膜の菲薄化:受精卵の着床を妨げる
  3. 卵管運動の抑制:精子や卵子の移動を妨げる
  4. 一部の女性では排卵抑制効果も

これらの複合的な作用により、ほぼ確実な避妊効果が得られます。

②:避妊の手間がかからず失敗しにくい

ミレーナは、一度装着すれば5年間有効であり、日々の管理が不要です。これは、以下のような利点をもたらします:

  1. 服用忘れのリスクがない
  2. パートナーの協力が不要
  3. 性行為の前後に特別な準備が不要
  4. 長期旅行や入院時も安心

また、ユーザーエラーによる失敗リスクが極めて低いため、実使用での避妊効果も理論上の効果に近くなります。

③:長期間の避妊効果が期待できる

ミレーナは5年間の使用が承認されていますが、実際にはそれ以上の期間効果が持続するという研究結果もあります。長期使用のメリットには以下のようなものがあります:

  1. 避妊法の見直しが少なくて済む
  2. 長期的なコスト効率が良い
  3. ホルモンの総投与量が経口避妊薬より少ない
  4. 環境への影響が少ない(廃棄物が少ない)

ミレーナは、全身への影響が少ない局所作用型のホルモン避妊法です。そのため、以下のような場合でも使用できる可能性があります:

  1. 経口避妊薬の副作用が強い方
  2. 喫煙者や35歳以上の女性
  3. 片頭痛のある方
  4. 血栓症のリスクが高い方
  5. 肥満のある方

ただし、個々の状況に応じて医師の判断が必要です。

ミレーナのデメリット

①:定期的な交換が必要

ミレーナは5年ごとの交換が必要です。交換時には以下の点に注意が必要です:

  1. 再度の装着費用がかかる
  2. 装着時に痛みや出血を伴う可能性がある
  3. 交換のタイミングを忘れないよう管理が必要
  4. 交換時に一時的に避妊効果が低下する可能性がある

 ②:ミレーナが適さない方もいる

以下のような方はミレーナの使用が適さない、または慎重な判断が必要です:

  1. 骨盤内感染症や性感染症に罹患している方
  2. 子宮の形態異常がある方
  3. 子宮内膜増殖症の方
  4. 乳がんの既往歴がある方
  5. 重度の肝疾患がある方

これらの条件に該当するかどうかは、事前の診察や検査で確認されます。

 ミレーナの主な副作用

①:月経周期や月経期間の変化

一番多い単なる着床出血であれば通常は4、5日で出血はおさまることが多いですし、量もそこまで多くはないです。
長期間だらだら出る出血で、量が通常の経血よりも多いようであれば要注意なので一度診察を受けてください。

②:おりものの増加

おりものの変化には以下のような特徴があります:

  1. 量の増加:特に使用開始後数ヶ月間は顕著
  2. 性状の変化:やや水っぽくなることが多い
  3. 臭いの変化:通常は問題ないが、強い臭いがする場合は感染の可能性あり
  4. 色の変化:茶色っぽくなることがある(特に不正出血時)

これらの変化は、子宮頸管粘液の性状変化によるものです。感染の兆候がない限り、通常は問題ありません。

③:不正出血

不正出血に関しては以下の点に注意が必要です:

  1. 頻度:使用開始後3~6ヶ月間は約20%の使用者で発生
  2. 持続期間:通常は数日から2週間程度
  3. 量:多くの場合は少量
  4. 改善:時間とともに頻度、量ともに減少する傾向

持続的な大量出血や、6ヶ月以上改善が見られない場合は医師に相談が必要です。

④:腹痛

腹痛に関しては以下のような特徴があります:

  1. 発生時期:装着直後や使用開始初期に多い
  2. 性質:軽度から中等度の鈍痛が多い
  3. 持続時間:通常は数日から数週間で改善
  4. 注意すべき症状:激しい痛みや38度以上の発熱を伴う場合は要注意

多くの場合、腹痛は自然に改善しますが、重度の痛みや他の症状を伴う場合は、子宮穿孔や感染症の可能性があるため、早急に医療機関を受診する必要があります。

 その他の避妊方法との比較

ミレーナを含む様々な避妊方法を比較し、それぞれの特徴を理解することが重要です。

経口避妊薬(ピル)

  • 効果:99.7%(完璧な使用時)
  • 特徴:毎日の服用が必要、月経コントロールが可能

コンドーム

  • 効果:98%(完璧な使用時)
  • 特徴:ホルモンフリー、性感染症予防効果あり

銅付加IUD

  • 効果:99.4%
  • 特徴:ホルモンフリー、10年間有効

ミレーナはピルの内服が困難な方にもとっておきの避妊方法になります。
避妊に関しては、コンドームのパール指数よりも圧倒的に高いので、月経困難や過多月経があって、ピルとの相性が悪い方(例えば副作用が気になったかた)には大変良い治療方法です。

 ミレーナのエビデンスについて

ミレーナ(レボノルゲストレル放出子宮内システム)の避妊効果に関する科学的エビデンスを示す論文はいくつか存在します。以下に、信頼性の高い論文を紹介します。

  1. Heinemann K, Reed S, Moehner S, Minh TD. Comparative contraceptive effectiveness of levonorgestrel-releasing and copper intrauterine devices: the European Active Surveillance Study for Intrauterine Devices. Contraception. 2015;91(4):280-283.

この多施設共同研究は、52 mgレボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)の避妊効果と安全性を最大8年間評価しました。研究結果では、8年間にわたり高い避妊効果(パール指数0.28)とユーザー満足度(98.7%)が維持されていることが確認されました。また、治療終了後の12ヶ月間で77.4%の女性が妊娠を報告し、避妊終了後の妊娠率も高いことが示されました

  1. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9666369/

このシステマティックレビューとメタアナリシスでは、ランダム化比較試験(RCT)を対象に、ミレーナと全身投与薬またはプラセボを比較しました。ミレーナは月経困難症の症状を有意に軽減することが確認されました。特に、痛みの強度が大幅に減少し、生活の質が向上することが示されています

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ミレーナに関するよくある質問

ピルとミレーナはどう違う?

ピルとミレーナの主な違いは以下の通りです:

  1. 投与方法:ピルは毎日経口摂取、ミレーナは子宮内に留置
  2. ホルモンの種類:ピルは黄体ホルモンと卵胞ホルモン、ミレーナは黄体ホルモンのみ
  3. ホルモン量:ミレーナの方が全身への影響が少ない
  4. 使用期間:ピルは毎日、ミレーナは5年間継続使用可能
  5. 忘れのリスク:ミレーナの方が低い
  6. 副作用:個人差はあるが、一般的にミレーナの方が全身性の副作用が少ない

ミレーナを装着したら痩せる/太る?

妊娠中はエストロゲンの作用で子宮頸部のびらんが起きやすいです。

ミレーナの使用と体重変化の直接的な関連性は、科学的に証明されていません。しかし、以下の点に注意が必要です:

  1. ホルモンの影響:わずかですが、代謝に影響を与える可能性がある
  2. 個人差:ホルモンへの反応は個人によって異なる
  3. 心理的影響:避妊に対する安心感から食生活が変化する可能性
  4. 他の要因:

ミレーナはデリケートゾーンの臭い対策になる?

ミレーナは直接的にデリケートゾーンの臭い対策にはなりません。しかし、以下の点で間接的に影響する可能性があります:

  1. ホルモンバランスの変化:膣内環境に微妙な変化をもたらし、臭いの原因となる細菌の増殖を抑制する可能性があります。
  2. 月経量の減少:月経に関連する臭いが軽減される可能性があります。
  3. おりものの変化:量や性状の変化により、臭いに影響を与える場合があります。

ミレーナは取れないの?

ミレーナは1年以内に数%程度が自然脱落(自然に膣の方に落ちてきてしまうこと)します。
特に挿入して最初の1ヶ月に自然脱落が多いとされています。ですので挿入後1ヶ月後には正しい位置に入っているか確認のため診察を行うことが多いです。

ミレーナは性交渉はできるの?

ミレーナは子宮の中に入っているため、特に性交渉には影響がありません。もし、性交渉時に下腹部に違和感がある場合はミレーナの位置が腟側に落ちてきている可能性があるので診察を受けてください。

ミレーナは妊娠を考えたらどうするの?

ミレーナを抜去すれば妊娠は可能ですので心配不要です。
抜去は外来で先端についている糸を引っ張るだけですぐに終わります。

まとめ:ミレーナのご相談はレディースクリニックなみなみまで

ミレーナは、高い避妊効果と月経に関する症状の改善効果が期待できる一方で、費用や副作用などの注意点も理解しておく必要があります。

この記事では、ミレーナの費用や効果、副作用、保険適用について詳しく解説しました。ミレーナについて、もっと詳しく知りたい方は、ぜひレディースクリニックなみなみにご相談ください。経験豊富な医師が、あなたの疑問に丁寧に答えます。

レディースクリニックなみなみでは、患者様のプライバシーに配慮した、安心できる環境で診療を行っております。どうぞお気軽にご相談ください。

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