レディースクリニック なみなみ

妊娠初期症状は性行為後いつから?セルフチェックや検査のタイミングを解説

更新日:

公開日:

当院のコラムは全て医師が監修しております。

クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓
総監修者について詳しく見る 

妊娠初期症状は性行為後いつから現れるのか疑問に思いますよね。

「妊娠したのかな…」「妊娠したかどうか判断できる症状は?」など不安や疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では性行為後いつから妊娠初期症状がみられるのかなどを解説します。
妊娠初期症状以外に妊娠の兆候(妊娠超初期の症状)や注意点についてもまとめました。

妊娠初期症状がどのタイミングから現れるのか疑問に思っている方は、参考にしてください。

妊娠したかもなと妊娠検査薬を手にしている時、さまざまな思いがあると思います。
そんな時にインターネットで色々調べれる時代にはなりましたが、ホッとするためだけでもいいので産婦人科医に頼ってほしいなと考えています。我慢せずに、相談してください。

妊娠初期症状は性行為後いつからみられる?

妊娠初期(超初期の)症状は性交渉後以後から2〜3週間からおこるとされています。
性行為後に受精するまでには72時間以内、その後受精卵が着床するまでの期間は、通常6~10日程度とされています。 着床後にいわゆる妊娠初期症状が徐々に起きるので、性交渉後2〜3週間で普段との違いに気づくことが多いです。

卵子の受精能:排卵してから24時間以内
精子の受精能:射精後72時間以内
受精卵が着床するまで:6から10日

卵子と精子の授精のがあるうちに受精して、その後卵管を通って着床する時間があるので、上記の時間がかかります。

妊娠初期症状はどんなものがある?

妊娠超初期の症状はいわゆる生理前の症状と似ていたり、その他感冒などの症状とも区別がつかないこともあります。
ここにあげたものはよく妊婦さんが妊娠反応陽性かどうかを検査する妊娠3週間前後の症状の代表例です。
超初期には全く気づかない方も多いです。

多種多様な症状があります。

①:おりものの量・色・状態がいつもと違う
②:腹痛や張りなど腹部の違和感がある
③:少量の出血がある
④:眠気が強い・常に眠い
⑤:倦怠感や頭痛がある
⑥:便秘や下痢が増える
⑦:頻尿になる
⑧:食欲が異常にある/なくなる
⑨:口内炎や肌荒れが増える
⑩:においを過敏に感じるようになる
⑪:胃もたれや吐き気が増える
⑫:胸が張る/ちくちくと痛みを感じる
⑬:むくみが出る
⑭:情緒が不安定になる
⑮:イライラしたり気分が落ち込んだりする
⑯:熱っぽい
⑰:ふらつきやめまいを感じる
⑱:むくみやすくなる
⑲:体温が高くなる
⑳:唾液・鼻水が増える
㉑:腰痛がある
㉒:生理が始まらない

この中から複数該当して、避妊をしていなかった方は妊娠かもな?と思って、検査を早めにしてもらってもいいと思います。

代表的な妊娠の兆候は?

妊娠初期症状というと、厳密には、妊娠13週6日までの期間に起きる症状のことを指し、少し期間の幅が大きく、上に列挙した通り症状の種類もとても多いです。ここでは「妊娠かしら?」と思って妊娠が確定するまでのいわゆる妊娠超初期に感じやすい症状に関して簡潔に説明します。

①:熱っぽさや倦怠感を感じる

妊娠超初期に一番おこりやすい症状です。
風邪を引いたのかとまちがえたという人もよくいます。微熱や熱った感覚が出たり、なんとなくだるかったり、めまいが出たり、エストロゲンの量が増えることと関連しているのでニキビが増えたりした方もいます。普段の生理周期でこのような症状があまりない方は変化に気づきやすいのですが、そうでない方はあまり気づかなかったりもします。

②:おりものの変化

おりものはホルモンバランスによって、量・色調・においが変化します。
妊娠初期にはhCG、エストロゲン、プロゲステロンが増加します。主にエストロゲンの作用でおりものの量が増えます。
また、乳白色〜黄色っぽく変化したり、酸っぱい匂いに変化します。

おりものの変化には要注意!

この時期の変化は匂いが変でもホルモンバランスによる変化で問題がないので通常心配はないのですが、細菌性膣炎の可能性もあるため注意は必要です。心配であれば産婦人科で検査を行いましょう。
妊娠中は赤ちゃんのために免疫力が低下するためガンジダ膣炎になりやすいです。
これらの変化は検査しないとわからないので我慢せず産婦人科に相談してください。

③:つわり

最も知られていて、ほとんどの方が経験するのがつわりです。超初期に起こることはあまりありませんが、早い人では妊娠の兆候としても起こることもあります。
妊娠することで妊娠を維持させるためにhCGというホルモンが分泌されます。このホルモンは嘔吐中枢を刺激する作用もあるためにいわゆるつわりの症状の代表である、吐き気が生じます。つわりの症状は人によって、時期によって種類も程度もかなり様々です。初めての妊娠の時には不安になることもありますが、つわりの症状を理解しておくと安心して対応できますよ。

妊娠を確認する方法は?

①:妊娠検査薬を使用する

まずは市販の妊娠検査薬で検査する方が多いと思います。
市販の妊娠検査薬も正しい時期に使用すれは99%以上の精度で検査ができます。具体的には生理予定日から1週間経過してから検査をすると良いです。
あまりに早すぎても検査が陰性になることが多いです。
市販の検査薬ではhCGという妊娠後に上昇するホルモンの分泌量を基準にみているので、実際に正しく妊娠しているかは産婦人科での精密検査、超音波検査を行なって判断します。

ミズホメディーの妊娠検査薬についてはこちら
ロート製薬の妊娠検査薬についてはこちら

妊娠反応陽性でもきちんと妊娠しているかはわからない?

たまに妊娠反応陽性で、体調も悪くないので安心してしばらく病院に来ない方がいますが、正常妊娠ではなく、異所性妊娠と言って卵管やなど子宮外の場所で妊娠していたり、胎児が元気ではなかったりすることもあります。
妊娠反応陽性を確認したら、まずは産婦人科で検査を行いましょう。

②:基礎体温で比較する

妊娠する生理の時期のような高温期が持続します。
妊娠後にはプロゲステロンをいうホルモンの分泌が増えるため、このホルモンの働きで体温が上昇したままになります。妊娠すると、通常なら12~14日で終わる高温期が、16日以上続き、その後の生理もこなくなります普段から基礎体温をつけている方はこれで気づくことができます。

③:婦人科を受診する

産婦人科で検査をしてもらいましょう。
産婦人科で正しく妊娠を確認するには超音波検査で、実際に子宮に胎嚢という赤ちゃんの袋ができているか、そして心拍が確認できるかを検査します。
最終月経から5週後半~6週前半よりも早く病院を受診しても、胎嚢と赤ちゃんの心拍を確認できないため、後日また受診することになります。一方で遅すぎると、子宮外妊娠などの異常妊娠に気付くのが遅くなってしまう場合もあるので心配であれば早めに一度受診し、その後の受診の計画を主治医と立てるのが万全です。

フライング検査って何?

フライング検査とは、早期妊娠検査薬を使用して、通常の妊娠検査薬を使用する適切な時期よりも早く検査を行うことを指します。一般的な妊娠検査薬は、生理開始予定日の1週間後から使用するのが適切とされていますが、フライング検査は生理開始予定日やその数日前から検査を行います。

フライング検査の特徴

フライング検査では、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンの濃度が25mIU/mLで反応する早期妊娠検査薬を使用します。これは、通常の妊娠検査薬の基準値50mIU/mLよりも低い値で反応するため、早期に妊娠を検知できます。

フライング検査の特徴

早期に妊娠を知ることができます。妊娠の兆候が感じられて不安な方の場合、一日でも早く妊娠を確認したいという希望に応えます。

フライング検査の特徴

フライング妊娠検査には、精度の低下による不正確な結果、化学流産の早期認識、そして結果の不確定性なので逆にストレスになってしまうといった潜在的な問題があります。hCGの量が不十分な場合に正確な判定が得られないことがあるため、陽性結果でも再検査が必要となり、また通常では気づかない化学流産を知ってしまう可能性があります。さらに、早期検査による不確定な状態の継続が、妊娠を望む女性に余計な精神的負担をかける可能性があります。

妊娠初期症状がみられたときの注意点

妊娠12週以降徐々に安定期に入ってきます。この時期までは妊娠自体が妊婦さんの体で安定していないため不安定なことと、胎児の器官形成期でもあり、胎児にとっても気をつけなくてはならないことがあるので産婦人科でしっかりと指導などを受けましょう。

①:飲酒・喫煙・カフェインの摂取を控える

妊娠初期症状が出たと思ったら、喫煙と飲酒は完全に中止してください。
一方でカフェインは適量であれば胎児への影響がないことがわかっています。
アルコールには 催奇形性があるので器官形成期(2〜8週)には厳禁です。タバコに含まれるニコチン・一酸化炭素・シアン化合物・鉛は早産の原因、子宮内発育不全の原因にもなりますので厳禁です。
カフェインはWHOの発表でも1日200mg(コーヒー2杯)以下の摂取であれば胎児への影響はないとされています。

WHOの記事はこちら
農林水産省の記事はこちら
日本産婦人科学会の記事はこちら

②:性行為を控える必要は?

妊娠初期に性交渉を控える必要性は一般的にはありません。夫婦でのスキンシップを取ることも非常に大切です。
しかし、いつも以上には気をつける必要はあります。
あまりに激しい性交渉は早産の原因にもなります。また、細菌性膣炎によって早産・流産日になるリスクが増えてしまうので、清潔に気をつけて行う必要があります。
また、何か症状があって産婦人科に相談する場合、性交渉をしたことは恥ずかしがらずに隠さなくても良いです。大切な情報のため主治医にはしっかり話しましょう。

③:激しい運動を控える必要は?

妊娠初期でも適度な運動は全く問題ありません。
転倒など衝撃が大きくなるようなリスクには気をつけて、適宜運動をすることの方がメリットがあります。
適度な運動が妊娠糖尿病や妊娠高血圧のリスクを下げることも報告されています。
妊娠中の性行為と同じで適度なものであれば問題ないのです。

③:薬を服用している場合は医師に相談する

妊娠超初期、それ以降の妊娠期に内服注意な薬は分けて考える必要があります。
胎児の器官形成には催奇形性に関する観点から内服薬に注意が必要です。それ以降の内服薬は胎児への毒性があるかどうかで判断します。
ここでは妊娠超初期に注意が必要な薬の例をあげます。

特に注意が必要な内服薬

抗てんかん薬
抗血栓薬
免疫抑制薬
抗リウマチ薬

内服薬は細かく、妊娠時期や使用方法でもレギュレーションが異なる場合があります。
また、胎児のことを考えるのはもちろんですが、妊婦さん自身へのメリット・デメリットも考慮して休薬、他の薬への変更などを選択する必要があります。

まとめ:妊娠初期症状は性行為後3週間程度で現れることが多い

妊娠初期症状、妊娠の兆候は性交渉後、だいたい3週間前後で起きることが多いです。
この時期に何らかの体調不良や違和感を感じた場合は我慢せずに産婦人科に相談するか、まずは市販のものでもいいので検査薬を使用してみてください。

レディースクリニックなみなみの妊婦健診のページ 妊婦健診を予約する

妊娠初期症状と性行為後の妊娠に関するよくある質問

妊娠初期症状は性行為後翌日に出る?

翌日には妊娠は成立していないので、妊娠による症状は絶対に出ないです。
不正出血や、性感染症による症状などは出る可能性がありますよ。

妊娠初期と生理前の違いは?

簡単にいうとホルモンのバランス、量が全然異なります。
妊娠初期には生理の時よりもずっと多くのエストロゲンとプロゲステロンが分泌されているため、体の不調などが起こります。
ただ、体の変化を起こしているのは同じホルモンなので、少し症状が似ているのです。

妊娠初期症状がみられるまでピルを服用していたけど大丈夫?

問題はありません。
ピルをしっかり内服していれば妊娠はほぼ(99%)おきませんが、飲み忘れなどの場合は妊娠する可能性があります。
ただその場合も胎児や母体に何か悪影響があるわけではないので心配はいりません。

妊娠検査薬のフライング検査の結果だけで判断しても良いですか?

フライング検査はあくまで一つの参考なので、必ず通常の妊娠検査薬でもチェックしなければなりません。

当院のコラムは全て医師が監修しております。

クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓
総監修者について詳しく見る 
コラム一覧をみる