レディースクリニック なみなみ

ホルモン補充療法(HRT)| 体験談から最新研究まで【更年期】

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クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
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更年期の症状にお悩みでも、「ホルモン補充療法(HRT)には抵抗がある…」と感じる方も多いのではないでしょうか。

HRTは更年期障害のつらい症状を和らげ、生活の質を高める有効な治療法です。最新研究で認知症予防や骨密度への効果、乳がんリスクについて新たな知見も得られてきています。また、レディースクリニックなみなみで実際にHRTを受けられた患者さんの生の声もご紹介します。これらの情報を踏まえ、HRTへの理解を深めてみましょう。

💡この記事でわかること

HRTの基本と仕組み: ホルモン補充療法とは何か、更年期障害にどう効くのかを解説します。
HRTに関する最新研究トピック: 認知症予防への効果、骨密度改善、乳がんリスクなど気になるテーマの最新知見を説明します。
患者さんの体験談: 当院でHRTを受けた方の声を通じて、治療の具体的な効果や感想をご紹介します。

ホルモン補充療法(HRT)とは何か?

ホルモン補充療法(HRT)とは、更年期障害による不調を改善するために不足した女性ホルモン(エストロゲン)を補充する治療法です​。ほてり、のぼせ、発汗といった典型的な更年期の症状に対して大変高い効果を示します​。必要に応じて黄体ホルモン(プロゲステロン)も併用し、子宮内膜の増殖を抑えることで安全性を高めます。(※子宮のある方ではエストロゲンと黄体ホルモンを併用します。)
HRTは更年期症状を緩和するだけでなく、閉経後に顕在化しやすい様々な健康リスクを予防する効果が期待されています​。具体的には、骨密度の低下を防いで骨粗しょう症を予防し、血管の弾力性を保って動脈硬化を起きにくくするといった働きがあります​。こうした全身への良い影響も得られるため、適切に用いることで更年期以降の健康維持にも役立つ治療法です。

ホルモン補充療法(HRT)の適応について

症状(全身症状か、局所の症状か)や、合併症の有無(乳がんや血栓症、片頭痛など)、子宮の状態(子宮摘出があるかないか)に応じて、ホルモン補充療法(HRT)が行えるのか、行える場合にその投与方法、使える薬の種類が異なってきます。

ホルモン補充療法選択のフローチャート

ホルモン補充療法(HRT)と骨密度・骨粗しょう症

閉経後に急激に進行する骨密度の低下(骨粗しょう症)は、多くの女性にとって大きな不安材料です。骨量が減少すると骨折のリスクが高まり、寝たきりなど生活の質の低下にもつながりかねません。HRTはこの問題に対して非常に効果的な予防策となりえます。

エストロゲンには骨を丈夫に保つ働きがあるため、閉経でエストロゲンが欠乏した状態を補うHRTを行うと骨密度の低下を食い止め、むしろ増加させることができます​。実際にHRTを受けた女性は受けていない女性と比べて骨折率が有意に低下することが数多くの研究で示されています。

日本女性医学学会のガイドラインでも、閉経後早期に開始したHRTは将来的な骨折リスク低減に寄与しうるとされています。また、HRTを一定期間行ったあと中止した場合でも、治療期間中に得られた骨量増加効果が多少持続するとの報告もあります(ただし中止後は再び骨密度低下が進むため定期的な骨密度測定とフォローが推奨されます)。

骨密度低下を指摘された方や骨折予防を考えている方は、HRTも有力な選択肢となるでしょう。

ホルモン補充療法(HRT)と乳がん

HRTを検討する上で多くの方が気にされるのが乳がんのリスクです。2000年代初頭の大規模臨床試験(WHI研究など)の報道により、「HRTをすると乳がんになりやすい」というイメージが広まりました。しかし、その後の詳細な解析や最近の研究によって、HRTによる乳がんリスクの実際の上昇幅はごく小さいことが分かっています​。

エストロゲン単独療法(子宮摘出後の女性が対象)の場合、乳がんリスクの有意な増加は認められていません。一方でエストロゲン+黄体ホルモンの併用療法では長期使用によりわずかにリスクが上昇するとされていますが​、それでも5年間の使用で乳がんになる人は数千人中数人増える程度と推計されています。(例えば50代女性1,000人あたりの乳がん罹患数は、HRT非使用で約20人、5年間HRT使用で約23人といった規模感です。)この程度の差であれば、症状改善によるメリットの方が大きいと考えられるケースも多いでしょう。

さらに最近では、HRTの安全性を高める新しい選択肢も登場しています。天然型プロゲステロン製剤(デュファストン®など)が2021年から日本でも使用可能となり、従来の合成黄体ホルモンより乳腺への影響が少ないことが期待されています​。またエストロゲン製剤についても、経口薬だけでなく貼り薬や塗り薬での局所投与の方法を使うことで肝臓への負担や血栓症リスクを低減でき、副作用を抑えながら治療できるようになっています​。

HRTによる乳がん発症リスクの上昇は「ほぼ確実にある」が「極めてわずか」であることが現在の共通認識です​。乳がん検診を怠らず、適切な種類・用量でホルモンを使用する限り、必要以上に恐れる必要はありません。主治医とリスクとベネフィットをよく相談し、自分に合った安全なHRT治療の計画を立てることが大切です。

ホルモン補充療法(HRT)と認知症予防

女性ホルモン(エストロゲン)は記憶や認知機能にも関与しており、「HRTを行えば認知症を予防できるのではないか」と期待する声もかねてからありました。実際、エストロゲン補充は認知症のリスク低減につながるとの報告もあり​、閉経後の認知機能維持への効果が注目されてきました。しかし最新の研究結果で反対の結果も出てきており、現段階でホルモン補充療法(HRT)と認知症予防の関係の一定の見解は出ておりません。

デンマークで実施された大規模研究(2023年、BMJ掲載)では、エストロゲン+プロゲスチン併用のHRTを受けた女性は、受けていない女性に比べて認知症発症リスクが24%高かったと報告されました​。さらに、HRTの使用期間が長いほどリスク上昇が大きく、1年以下の使用ではリスク21%増でしたが、12年以上では74%増と顕著でした​。この結果だけを見ると「HRTで認知症リスクが上がるの?」と心配になりますが、因果関係については慎重な解釈が必要です。

過去の臨床試験では、閉経から間もない55歳未満の女性が5年間HRTを受けても認知機能の低下は見られなかったとの報告もあり​、認知症を引き起こすのではなく、HRTが必要なほど重い更年期症状を抱える女性は将来的に認知症になりやすい可能性もある」と指摘しており​、今後さらなる検証が求められています。現時点では、認知症予防のためにHRTを行うことは推奨できませんが、適切な時期・期間での使用で認知症リスクが過度に高まる心配もないと考えられています。最新知見を踏まえつつ、引き続き議論が続けられているトピックです。

レディースクリニックなみなみの患者さんのホルモン補充療法(HRT)体験談

最後に、実際にHRTを受けられた当院患者さんの生の声をご紹介します。治療を受ける前の不安や、始めてみてからの変化など、リアルな体験談はこれからHRTを検討する方にとって大いに参考になるでしょう。

50代女性 Aさん
更年期のほてりや不眠に悩まされ、「ホルモン療法は怖い」と最初は抵抗がありました。それでも思い切ってHRTを開始したところ、「嘘のように体調が安定し、毎日を前向きに過ごせるようになりました。もっと早く受ければよかったです初めの不安は杞憂に終わり、現在は定期検診を受けながら治療を継続しています。

40代女性 Bさん
卵巣の手術により早期閉経となり、急激な体調変化に戸惑って外来を受診しました。治療開始後しばらくして落ち着かなかった気分の浮き沈みや鬱々とした状態が改善し、「朝すっきり起きられる日が増え、仕事にも集中できるようになりました。副作用への不安もありましたが、現在まで大きな問題なく過ごせています。

60代女性 Cさん
骨密度の低下を指摘され、50代半ばからHRTを継続中です。閉経後にあった関節痛も和らぎ、「骨密度検査で数値が維持できていると言われ、将来の骨折への不安が軽くなりました」と健康維持への効果を実感されています。運動も取り入れながら、骨粗しょう症予防に前向きに取り組めています。

これらの体験談からも分かるように、HRTを受けた多くの患者さんが「症状が改善して毎日が楽になった」「不安だったけどやって良かった」と感じておられます。もちろん個人差はありますが、専門医のもとで適切に行えばHRTは更年期の強い味方となり得るでしょう。

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まとめ:ホルモン補充療法(HRT)を検討される方へ

ホルモン補充療法(HRT)は、更年期症状に悩む女性にとってQOL(生活の質) を大きく向上させる可能性のある治療法です。最新の研究や患者さんの声が示すように、適切に用いれば更年期の不調を和らげるだけでなく、将来的な健康リスクの予防にもつながります。一方でリスクについて正しく理解し、不安な点は専門医に相談しながら進めることが大切です。

「HRTに興味はあるけれど一歩踏み出せない…」という方は、ぜひ一度医師にご相談ください。当院レディースクリニックなみなみでも、更年期障害やHRTに関するご相談を随時承っております。あなたの症状やお悩みに寄り添い、最適な治療プランをご提案いたします。正しい情報をもとに不安を解消し、更年期を前向きに乗り切る選択肢の一つとしてHRTを検討してみてはいかがでしょうか。

スタッフ一同、皆様の健やかな毎日を応援しています。お気軽にお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

ホルモン剤は不自然で体に悪いのでは?

更年期に不足したエストロゲンを補うHRTは、体調を整え健康を守るための治療です。適切に行えば安全であり、多くの研究で更年期症状の改善だけでなく骨密度の維持・向上や動脈硬化予防など健康全般にプラスの効果が確認されています​。決して“不自然で有害”なものではなく、むしろ閉経後の女性に本来必要なホルモンを補充する理にかなったアプローチです。

HRTをすると乳がんになるリスクが高いのでは?

。特にエストロゲン単独療法(子宮摘出後の方が対象)では乳がんリスクの有意な増加は認められていません。一方、エストロゲン+黄体ホルモン併用療法でも、適切な種類のホルモン製剤を必要最小限の期間で使用すればリスクは最小限に抑えられます。近年では天然型の黄体ホルモン製剤(プロゲステロン)が登場し、乳がんリスクをさらに減らせる可能性も期待されています​。過度に心配しすぎず、医師と相談の上で正しく活用することが重要です。

ホルモン補充療法は一度始めたらやめられないのでは?

HRTは症状の変化に応じて減量・中止が可能です。医師の指導のもと定期的に見直しながら進めれば問題ありません。

誰でもインティマレーザーを受けられますか?(受けられない人はいますか?)

基本的に成人女性であれば幅広い年代の方が受けられます。出産経験の有無や年齢にかかわらず、産後のゆるみ改善から更年期の乾燥ケアまで対応できます。ただし妊娠中の方、妊娠の可能性がある方には施術できません。授乳中は問題ありませんが、出産直後で悪露が残っている期間は避けてください。また生理中(経血がある状態)も施術不可です。その他、腟や外陰部に明らかな感染症や炎症がある場合は、その治療を優先しますので症状が落ち着いてからレーザーを検討します。医師の判断で不適応の場合は他の治療法をご提案いたしますので、ご不明な点は遠慮なくお問い合わせください。

保険は使えますか?費用はどのくらいですか?

インティマレーザーは自費診療のため保険は適用されません。ただし当院では初回カウンセリング料込みでわかりやすい料金設定にしております。費用は施術内容や回数によって異なりますので、詳しくは[料金について]ページをご確認いただくか、気軽にLINEからご相談いただいても構いません。

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東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

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