レディースクリニック なみなみ

更年期の性交痛のお悩み、痛みの原因や症状、対策方法を丁寧に解説

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当院のコラムは全て医師が監修しております。

クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

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院長 叶谷愛弓
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多くの女性が悩んでいますが、なかなか話題にしにくいのが性交痛の悩みです。

「40代を超えてから性交痛がひどくなった。」
「誰にも相談できない。」当院に来られる方は、このように悩んでおられる方が多くいらっしゃいます。

本記事では、特に、更年期の性交痛の症状・原因・対策について解説します。

更年期の性交痛にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

性交痛とは?

性交渉に伴って起きる痛みのことで、挿入前、挿入後の痛みのことを言います。
性交渉の最初の方だけの断続的な痛みや、持続的な痛みの場合もあります。
痛みの部位は、外陰部から膣にかけた入り口付近の部位、より子宮口に近い部位、下腹部の深い部位の場合もあります。
また、若い時から性交痛を強く感じる方もいれば、当初は痛みがなかったのに、年齢とともに徐々に痛みが増してくる方もいます。
ここでは更年期に伴って痛みが出てきた方に対して、原因や対策を説明します。

ここでは各項目についてエビデンス(治療効果の証拠)も提示しながら説明していきます。文献部分はとばして読んでしまっても構いません。

近年、GSM(閉経関連尿路性器症候群)という概念が提唱されました。
名前の通り、閉経に伴って生じる各種の症状のことをいいます。この症状の中に性行痛も入っています。閉経期に向かうにつれエストロゲンの分泌が減少することで、膣粘膜が萎縮したり、膣分泌機能が低下するために膣が機械的な刺激に対して弱くなってしまいます。GSMという概念を理解して、諦めずにしっかり対応することで症状の改善が見込めます。

更年期性交痛の症状

更年期におこる性交痛は痛みの部位で大きく2つに分けられます。
入口付近(大陰唇、小陰唇、陰核)、膣入口の手前側の痛みと、膣奥のお腹の奥の方の痛みの2つです。

①:外陰部、膣入口の痛み
②:膣奥の痛み

それぞれの痛みの特徴を見ていきましょう。

外陰部・膣入口の痛み

更年期の性交痛の多くはこの部分の痛みです。
外陰部、膣入り口(膣前庭部)はエストロゲンの影響を強く受けています。そのため、更年期になるとエストロゲンの量が減少するため、粘膜の萎縮が起こったり、膣の伸縮が悪くなったり、膣の潤滑液の分泌が悪くなったりします。
これらによって、挿入時にスムーズにはいらない、行為中もなかなかスムーズにならないなどの症状がでます。
デリケートゾーンの洗浄を過度にし過ぎることで膣粘膜の環境が悪くなることで、萎縮が早くなる方もいます。

一般的に更年期症候群とは、45歳から55歳までに起こるエストロゲンなどホルモンのバランス変化によっておこる症状のことをいいます。膣の環境次第では更年期には該当しないのにもかかわらず早めに症状が出る方もいます。
当院はエビデンスに基づいて、積極的にこの分野の治療を行っているのでご相談くださいね。

膣奥の痛み

膣奥の痛みは行為中に、お腹に響くような痛みとして感じられることが多いです。
膣奥の粘膜萎縮、膣奥にある子宮などの萎縮でこの部分の痛みが起こることがあります。
エストロゲンの低下に伴って、膣入り口の粘膜がまず最初に萎縮し、その後萎縮が進行するにつれて膣奥の部分の粘膜萎縮も起こります。
また、子宮内膜症、子宮と骨盤に炎症が起こっている(クラミジア感染症など)場合などにもお腹に響くような痛みを感じることがあります。

更年期性交痛の原因

性交痛の原因は以下のようなものが挙げられます。

①:GSM(閉経後尿路性器症候群:閉経後エストロゲン低下に伴う腟周りのかゆみや違和感、繰り返す膀胱炎などの尿道の症状
②:子宮内膜症や子宮筋腫
③:お産(多産)に伴う膣の萎縮
④:精神的な影響

GSM(閉経後尿路性器症候群:閉経後エストロゲン低下に伴う腟周りのかゆみや違和感、繰り返す膀胱炎などの尿道の症状)

GSMは厳密には閉経後の症候のことをいいますが、エストロゲンが低下することによって生じる症候のことですので更年期周辺の膣萎縮に伴う性交痛の原因にもなります。
性交痛だけではなく、性交渉時以外にも普段から外陰部にかゆみや違和感を感じやすくなったなという場合はGSMの可能性が非常に高いです。
子宮入り口付近に痛みが強い場合はこの、GSMによる粘膜萎縮の可能性が高いです。

子宮内膜症や子宮筋腫

子宮内膜症によって子宮の可動性が悪くなることなどで痛みが生じます。子宮後方から直腸前面のダグラス窩という部分に内膜症ができると痛みが生じやすくなります。性交渉時の体位によって痛みの感じ方が違って、奥の方が痛く感じる場合は子宮内膜症の可能性もあります。
子宮筋腫はエストロゲンの低下に伴って縮小することがほとんどですが、閉経が遅い方はそもそもエストロゲンにさらされている期間が長くなるため、子宮筋腫が大きくなりやすい傾向にあります。その場合はある程度の大きさになると痛みとして感じる場合もあります。

お産(多産)に伴う膣の萎縮

お産は女性の体にかなり大きな負担になります。
会陰切開などをすることで、物理的に膣の粘膜にも損傷が起きる場合もありますし、産後の授乳期にはプロラクチンというホルモンが多く分泌されます。この時期にはホルモンの影響で膣粘膜に痛みが生じやすくなるとも言われています。
多産であればあるほど膣にも萎縮が起きやすいとも言われています。

精神的な影響

器質的な原因を述べてきましたが、此らの原因に加えて、精神的な影響も大いにあることがわかっています。
性交痛は1回起こってしまうと、次も痛いのではないかなどと不安になってしまうことで悪いサイクルができてしまいます。
あまり我慢して性交渉を行わず、痛みを感じ始めたら早めに専門医に相談してみると良い対策を教えてもらえるはずです。

更年期性交痛の検査

問診内容が非常に重要です。どのようなタイミングで、どのような痛みが出るのか、いつから痛みが出始めたのか、性交痛以外の症状は伴うのかなどを問診では聞いていきます。
内診、腟鏡での視診で膣の萎縮の程度を観察します。萎縮の程度がわかりにくい場合などは膀胱鏡を用いて粘膜の状態を確認する場合もあります。

更年期性交痛の治療法

なかなか最近まではっきりしなかった更年期の性交痛の治療法ですが、最近ではそもそも性交渉の年齢も高齢化してきていることから治療へのニーズも高まっています。

①:潤滑剤を使用する
②:ホルモン療法(HRT)を行う
③:レーザー治療を行う

専門に治療できるクリニックは少ないですが、専門医に相談してみましょう。
ここでは各治療法について詳しくみていきます。

潤滑剤の使用

潤滑剤には2種類あって、エストロゲンというホルモンが含まれているもの、そうでないものに大きく分けることができます。
エストロゲンは局所投与でも腟粘膜に作用するので、入っていないものよりは入っているものの方がおすすめです。
ただし、潤滑剤は持続的に効果があるものではないので、聖行為の時にうまくパートナーと使うことが大切です。実際はタイミングなどの問題で難しいところに使いづらさがありますね。

ホルモン療法(HRT)を行う

HRTとはHormone Replacement Therapyの略です。更年期にかけて減少するエストロゲンを外的に補充します。
内服薬、貼付薬、ジェルなどがあり、エストロゲンとプロゲステロンが入っているもの、エストロゲンだけのものなどがあります。
更年期症候群の全身症状がある場合にはHRTを行いますが、GSMの症状のみ(局所の症状のみ)の場合は腟剤飲みの投与を局所的に行います。エストロゲンが腟粘膜へ直接作用することで症状の緩和が見込めます。

レーザー治療を行う

インティマレーザーというレーザー治療によって、GSMの多くの症状が改善できることがさまざまな臨床研究でも実証されています。性交痛のみならず、違和感や通常時の灼熱感などにもかなり効果的で、非常に良い治療です。
腟剤よりも効果が早く、腟剤でも効果が出なかったGSMや性交痛の方にも効果が高く、費用はややかかりますが適応をしっかり選ぶことで効果はかなり高いので専門施設でのカウンセリングからの治療がおすすめです。

腟HIFUやモナリザタッチと何が違うの?

簡単にいうと、レーザーの種類が異なり、効果のある部位が異なります。そのため症状によってどのレーザーが一番効果があるかが異なってきます。インティマレーザーはエルビウムYAGレーザーという非侵襲型のレーザーになります。
組織を完全に焼灼することなく(多くのCO2レーザー、モナリザタッチなどは組織を焼き切ってしまいます)、粘膜組織の再活性を促進します。そのためダウンタイムが非常に少ない点がモナリザタッチとは異なります。また、腟HIFUは粘膜組織には直接効果がない(メインは筋層に効果があります)のでGSMや性交痛にはあまり効果がないのが現状です。
インティマレーザーの性交痛、GSMに対する効果に関しては数多くのレベルの高い論文で証明されています。

参考文献 ▶ Treatment of Genitourinary Syndrome of Menopause with Erbium:YAG Laser: A Prospective Study of Efficacy and Safety of the Treatment for Women after Menopause of Natural Origin and Therapy-Induced Menopause in Breast Cancer Survivors

性交痛は様々な要因が関係しますが、腟粘膜の萎縮、乾燥が大きな誘因の一つではあります。
当院では専門医がいろいろな治療の選択肢から適切な治療を選択します。なかなか人には相談しにくい症状です。専門医に初めから相談する方が安心ですよ。

インティマレーザー治療の料金

照射部位とレーザーの出力は年齢や症状に応じて変更するためどうしても料金に幅がございます。正確な料金を来院前に知りたい場合は公式LINEからお問い合わせをお願いいたします。

レディースクリニックなみなみの料金の特徴!

インティマレーザーは比較的効果が持続しやすい治療ですが、それでも1年半から2年程度経過するとどうしても効果が減弱します。当院では治療を受けやすくして、継続することが何よりも大切と考えているので、メンテナンス治療(4回目以降の治療)に関しては割引価格(15%off)で提供して継続的にかかりやすくしています。

治療内容価格(消費税込)
腹圧性尿失禁(骨盤臓器脱)1回¥121,000
腹圧性尿失禁(骨盤臓器脱)3回セット¥330,000
GSM(閉経後尿路性器症候群) 1回¥55,000 – ¥88,000
GSM(閉経後尿路性器症候群) 3回セット¥150,000 – ¥237,600
腟引き締め 1回¥88,000
外陰部ホワイトニング(小陰唇) 1回¥88,000
外陰部ホワイトニング(小陰唇) 2回¥158,400
外陰部ホワイトニング(大陰唇) 1回¥44,000
外陰部ホワイトニング(大陰唇) 3回¥118,000
肛門(Oライン)1回¥44,000
肛門(Oライン)3回¥118,000
鼠径部(太ももの付け根)1回¥44,000
鼠径部(太ももの付け根)3回¥118,000
座骨部(お尻のあたり)1回¥44,000
座骨部(お尻のあたり)3回¥118,000
乳輪 1回¥44,000
乳輪 3回¥118,000
小陰唇以外の部位への照射+美白剤 1回¥66,000
小陰唇以外の部位への照射+美白剤 3回¥140,800
メンテナンス施術(原則4回目以降)一律15%引き

当院は全国的にもインティマレーザーの治療経験が多いです。
ただし、高価な治療ですので適応をかなり厳密に絞っています。インティマレーザーに関してさらに詳しく知りたい方はこちらから(インティマレーザーの尿もれや黒ずみへの治療効果は?料金や副作用について解説

更年期の性交痛に関するよくある質問

更年期の症状がないのに性交痛があるのですが、どうすれば良いですか?

更年期症候群のその他の症状(代表的なホットフラッシュなど)が軽度でも、性交痛やGSMの症状が強く出てしまう方も中にはいらっしゃいます。更年期の症状の出方は人それぞれなので、性交痛がメインのこともございます。まずは状況を把握するためにご相談ください。

性交痛はどこが痛みますか?

多くの方は腟の手前(外陰部、腟前庭)が痛むことが多いです。
中には奥の方(子宮、下腹部)が痛む方もいます。その場合は更年期の問題というよりも、子宮内膜症やクラミジア感染症が隠れている場合もあります。できるだけ我慢せずに相談してみましょう。

性交痛の治療は保険適応になりますか?

HRTの腟錠(エストリオール錠)は保険適応になります。
それ以外の潤滑剤や、インティマレーザーの治療は自費診療になります。
まずは保険適応でできる治療から始めて、効果を見てレーザー治療などを考える順序が多いですよ。
中には効果の即効性、利便性を優先して保険治療と自費治療を組み合わせて行うこともあります。

更年期の性交痛は治らないこともありますか?

完全に治らない方も中にはいますが、原因をしっかり突き止めて治療をすることでかなりの数の方がそれなりの症状改善を認めています。相談しにくい症状だからこそ初めから専門医に相談しましょう。

まとめ:更年期の性交痛は治療方法が複数ある

更年期の性交痛に関して解説しました。

エストロゲンの低下に伴って性交痛が出現するということがよくわかります。女性ホルモンは偉大です。
プライベートな症状で、なかなか相談できないものではありますが、原因がはっきりわかって、状況もしっか理と把握できれば治療方法は複数あります。

何科に相談すればいいのかも難しい症状ですが、産婦人科、女性泌尿器科の専門医でこの分野の治療もしっかり行なっている医院で相談することがおすすめですよ。

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