レディースクリニック なみなみ

ブライダルチェックとは|検査内容・費用・受ける時期

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健康チェックのイメージ
クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
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「ブライダルチェック」とは、結婚や妊娠を考え始めた女性が、自分のからだの状態を妊娠・出産の前に確認しておくための健康チェックの総称です。名前に「ブライダル(結婚)」とありますが、必ずしも結婚を控えた方だけのものではなく、将来の妊娠を見すえている方であれば誰でも対象になります。妊娠してから初めて見つかる病気や感染症のなかには、あらかじめ知っておくことで対応しやすくなるものがあります。「気になることは特にないけれど、念のため自分のからだを知っておきたい」——そんな前向きな動機ではじめられるのがブライダルチェックです。この記事では、ブライダルチェックの目的、代表的な検査項目、受ける時期の目安、費用の考え方、パートナーと一緒に受ける意義、受診の流れまでを、産婦人科の視点でわかりやすく整理してご説明します。

この記事でわかること

  • ブライダルチェックの目的と「プレコンセプションケア」という考え方
  • 代表的な検査項目(子宮頸がん検診・超音波・感染症・ホルモンなど)の一般的な内容
  • 受けるのに適した時期の目安と、結果が出るまでのイメージ
  • 費用は自費が中心で施設によって異なること、その理由
  • パートナー(男性)も一緒に受けることの意義
  • 受診当日の流れと、結果を受け取ったあとの考え方

ブライダルチェックとは|目的とプレコンセプションケアの考え方

ブライダルチェックは、妊娠・出産を控えた、あるいは将来的に希望している女性が、現在のからだの状態を確認するための健康チェックです。婦人科系の病気や感染症の有無、ホルモンの状態などを一通り見ておくことで、「いまの自分のからだがどんな状態にあるか」を把握しやすくなります。

近年は「プレコンセプションケア」という言葉が広がってきました。これは「コンセプション(受胎・妊娠)」の「プレ(前)」、つまり妊娠する前から健康管理に取り組むという考え方です。妊娠してから慌てて対応するのではなく、妊娠を考え始めた段階で生活習慣や健康状態を整えておくことで、本人にとっても、これから迎えるかもしれない赤ちゃんにとっても、より望ましい状態でスタートしやすくなります。ブライダルチェックは、このプレコンセプションケアの入り口として位置づけられるものです。

「結婚する予定があるから」「妊活を始めるから」というきっかけはもちろん、「いまは具体的な予定はないけれど、いずれは妊娠を考えたい」という段階で受けておくことにも意味があります。検査で何も問題が見つからなければ安心材料になりますし、もし気になる所見があれば、妊娠を計画する前に相談や対応の選択肢を考えることができます。あくまで「自分のからだを知るための前向きな一歩」として、気負わずに受けていただける検査です。

代表的な検査項目|何を調べるのか

ブライダルチェックで行う検査の内容は、施設やコースによって異なります。ここでは一般的によく含まれる代表的な項目を挙げます。すべてを必ず受ける必要があるわけではなく、ご自身の状況や希望、医師との相談によって組み合わせを選んでいくのが基本です。

  • 子宮頸がん検診:子宮の入り口(頸部)の細胞を採取して、がんやその前段階の変化がないかを調べる検査です。妊娠中に治療が難しくなる場合もあるため、妊娠前に状態を確認しておく意義があります。
  • 経腟(けいちつ)超音波検査:子宮や卵巣の形・大きさを画像で確認します。子宮筋腫や卵巣の腫れ、子宮内膜症を疑う所見などがないかをチェックします。
  • 感染症・性感染症の検査:クラミジアや淋菌などの性感染症は、自覚症状がないまま進行し、妊娠のしやすさに影響することがあります。血液や分泌物で調べます。
  • B型・C型肝炎、梅毒、HIVなどの血液検査:妊娠や出産の前に知っておくことで、対応を検討しやすくなる感染症を確認します。
  • 風疹(ふうしん)抗体検査:妊娠初期に風疹にかかると赤ちゃんに影響が出ることがあるため、抗体の有無を確認します。抗体が十分でない場合は、妊娠前のワクチン接種を検討する目安になります。
  • ホルモン検査:月経周期や排卵に関わるホルモンの状態を血液で調べます。月経不順などがある場合に、背景を把握する手がかりになります。
  • 貧血・甲状腺機能などの一般血液検査:全身の健康状態を確認する目的で含まれることがあります。

このほかにも、施設によっては卵巣の予備能(卵子の数の目安)に関わる検査などをオプションとして用意していることがあります。どの検査が自分に必要かは一人ひとり異なります。気になる症状や家族歴、妊娠の希望時期などを医師に伝えたうえで、検査内容を一緒に決めていくと安心です。

受ける時期の目安|いつ受けるとよいか

ブライダルチェックを受ける時期に厳密な決まりはありませんが、目安となるのは「妊娠を考え始めたとき」です。結婚の予定が決まったタイミングや、妊活を始めようと思ったタイミングで受ける方が多く見られます。何か気になる症状が出てから受けるのではなく、症状がない段階で受けておくことに意味があるのがこの検査の特徴です。

結果によっては、妊娠を計画する前に対応を検討したほうがよい項目もあります。たとえば風疹の抗体が十分でない場合のワクチン接種は、接種後に一定期間あけてから妊娠を考えることが望ましいとされています。こうした「妊娠前にやっておくとよいこと」に取り組む時間を確保するためにも、妊娠を希望する時期より少し前、できれば数か月の余裕をもって受けておくと、その後の計画を立てやすくなります。

なお、検査の種類によっては月経周期のどのタイミングで受けるかが結果に関わるものもあります。ホルモン検査などは時期によって値が変動するため、予約の際に「いつごろ受ければよいか」を確認しておくとスムーズです。月経中は受けにくい検査もありますので、予約時に直近の月経の状況を相談しておくと安心です。

費用の考え方|自費が中心で施設によって異なる

ブライダルチェックは、症状がない段階で自分のからだの状態を確認する目的で行われることが多いため、原則として健康保険が適用されない自費(自由診療)の検査となります。そのため費用は施設ごとに設定されており、含まれる検査項目の数や内容によっても変わります。具体的な金額は施設によって大きく異なるため、「いくらかかるか」は受診を検討している施設に直接確認するのが確実です。

多くの施設では、基本的な項目をまとめた「セットコース」と、希望に応じて追加できる「オプション検査」を組み合わせる形をとっています。項目が多いほど費用は上がる傾向があるため、まずはどの検査が自分にとって必要かを医師に相談し、納得したうえで内容を決めるのがよいでしょう。なお、検査の結果として治療が必要な病気が見つかった場合、その治療は保険診療の対象になることもあります。費用の扱いは状況によって変わるため、わからない点は受診前に施設へ問い合わせておくと安心です。

また、お住まいの自治体によっては、結婚を予定している方や妊娠を希望する方を対象に、検査費用の一部を助成する制度が用意されている場合があります。こうした制度の有無や内容は地域によって異なりますので、お住まいの自治体の情報も合わせて確認してみるとよいでしょう。

パートナーも一緒に受ける意義

妊娠は、女性だけのものではありません。ブライダルチェックは女性が受けるイメージが強いかもしれませんが、パートナー(男性)も一緒にチェックを受けることには大きな意義があります。妊娠に関わる要因は男女どちらにもあり得るため、二人で一緒に状態を確認しておくことで、これからのことを協力して考えやすくなります。

男性側のチェックでは、感染症の有無の確認や、希望に応じて精液の状態を調べる検査などが行われることがあります。感染症は、片方だけが治療しても再びうつし合ってしまうことがあるため、二人で同時に確認・対応できることはメリットといえます。また、検査を二人で受けることそのものが、お互いの健康や将来について話し合うきっかけになります。

「妊娠・出産は二人で迎えるもの」という姿勢で一緒に取り組むことは、心理的な安心にもつながります。男性向けの検査をどこで受けられるかは施設によって異なりますので、パートナーと一緒の受診を希望する場合は、予約時にその旨を相談しておくとよいでしょう。

受診の流れ|予約から結果説明まで

ブライダルチェックの一般的な流れは、おおむね次のようになります。施設によって細かな手順は異なりますが、全体像をつかんでおくと安心して受診できます。

  1. 予約・問い合わせ:希望する検査内容や、パートナーと一緒に受けたいかどうかを伝えます。月経周期との関係で受けるタイミングを相談できる場合もあります。
  2. 問診:これまでの月経や病気の経過、家族歴、妊娠の希望時期、気になる症状などを確認します。ここで検査内容を最終的に決めることが多いです。
  3. 検査:内診・超音波検査・血液検査・子宮頸部の細胞採取など、選んだ項目に応じた検査を行います。多くの項目は当日のうちに済みます。
  4. 結果説明:血液検査などは結果が出るまで日数がかかるため、後日あらためて結果を聞く形になることが一般的です。結果をもとに、必要に応じて今後の相談や対応を行います。

検査自体はそれほど時間のかかるものではなく、初診と結果説明の二回の来院でひととおり完結することが多いです。所要時間や来院回数は選ぶ検査項目によって変わりますので、予約時に確認しておくとよいでしょう。検査の結果、特に問題が見つからなければ安心して妊娠の計画を進めることができますし、気になる所見があった場合も、妊娠前の段階だからこそ落ち着いて対応を検討できます。不安なことや疑問は、遠慮なく医師や医療スタッフに相談してください。

よくある質問(FAQ)

ブライダルチェックは結婚予定がないと受けられませんか?

いいえ、結婚の予定がなくても受けていただけます。「ブライダル」という名前がついていますが、将来の妊娠を考えている方や、自分のからだの状態を知っておきたい方であれば対象になります。具体的な予定がまだない段階でも、健康状態を確認しておく意義はあります。

どのくらいの時期に受けるのがよいですか?

妊娠を考え始めたタイミングが一つの目安です。結果によっては妊娠前に対応しておくとよい項目(風疹ワクチンの接種など)もあるため、妊娠を希望する時期より少し前、できれば数か月の余裕をもって受けておくと、その後の計画を立てやすくなります。

費用はどのくらいかかりますか?

ブライダルチェックは原則として自費(自由診療)のため、費用は施設や選ぶ検査項目によって異なります。具体的な金額は一律ではないため、受診を検討している施設に直接ご確認ください。自治体によっては費用の一部を助成する制度がある場合もあります。

どんな検査を受けますか?

子宮頸がん検診、経腟超音波検査、性感染症を含む感染症の検査、風疹抗体検査、ホルモン検査などが代表的な項目です。すべてを必ず受ける必要はなく、ご自身の状況や希望、医師との相談に応じて検査内容を選びます。

パートナーも一緒に受けたほうがよいですか?

妊娠に関わる要因は男女どちらにもあり得るため、可能であれば一緒に受けることをおすすめします。特に感染症は二人で同時に確認・対応できる利点があります。男性向けの検査の可否は施設によって異なるため、予約時にご相談ください。

結果はその日にわかりますか?

超音波検査などは当日に確認できますが、血液検査や細胞の検査は結果が出るまで日数がかかるため、後日あらためて結果を説明する形が一般的です。来院回数や所要時間は選ぶ検査項目によって変わりますので、予約時にご確認ください。

クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
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参考文献

  1. 病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科 第2版(MEDIC MEDIA, 2018)
  2. 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023」
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