レディースクリニック なみなみ

里帰り出産の健診費用|目黒区の助成制度と申請の流れ

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おなかに手を添える妊婦(里帰り出産の妊婦健診と費用助成のイメージ)
クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
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里帰り出産のために、目黒区の受診票(クーポン券)が使えない病院で妊婦健診を受けた——その費用は、あとから目黒区に請求すると一定額が戻ってきます。妊婦健診だけでなく、妊婦超音波検査・子宮頸がん検査・新生児聴覚検査、そして2026年(令和8年)4月1日以降に出産された方は産婦健康診査・1か月児健康診査も対象です。

ただしこの制度は、「未使用の受診票」と「領収書の原本」がそろっていないと申請できません。里帰り先で何気なく処分してしまい、あとから戻せなくなるケースが実際にあります。この記事では、目黒区にお住まいで里帰り出産を予定されている方に向けて、何が対象になり、いくら戻り、どう申請するのかを順に整理します。当院は分娩を行わず、セミオープンシステムで里帰り出産をご希望の方の妊婦健診に対応しているため、こうしたご質問を日常的にいただきます。

この記事でわかること

  • 里帰り先で「受診票が使えない」とはどういう状態か
  • 助成の対象になる健診・検査と、それぞれの上限額
  • 2026年(令和8年)の変更点|産婦健診・1か月児健診が新たに対象に
  • 対象にならないケース(ここを誤解すると戻ってきません)
  • 申請の流れと必要書類(窓口・郵送)
  • 里帰りから戻ったあとの1か月児健診をどこで受けるか

里帰り出産で「受診票が使えない」とはどういうことか

妊娠がわかって母子健康手帳を受け取ると、あわせて妊産婦健康診査受診票(いわゆるクーポン券)が交付されます。これを健診のたびに医療機関へ出すことで、自己負担が大きく抑えられる仕組みです。

この受診票は、東京都内の契約医療機関等で使えるものです。そのため、里帰り先が東京都外にある場合、受診票をそのまま窓口に出しても使えず、健診費用をいったん全額自費でお支払いいただくことになります。「里帰りしたら急に健診が高くなった」と感じられるのは、この仕組みによるものです。

目黒区では、こうして自費で支払った分について、受診日に住民票が目黒区にあることを条件に、一定額を助成しています。助成は口座振込で行われます。つまり「使えなかった」のではなく、「いったん立て替えて、あとで返してもらう」と考えていただくのが正確です。

助成の対象になる健診・検査と上限額

対象となるのは、妊産婦健康診査・妊婦超音波検査・妊婦子宮頸がん検査・新生児聴覚検査・1か月児健康診査です。それぞれ回数と上限額が決まっており、かかった費用の全額ではなく、上限額までが戻る点にご注意ください。

項目回数受診日が2026年3月31日まで
(令和8年3月31日まで)
受診日が2026年4月1日以降
(令和8年4月1日以降)
妊婦健康診査 1回目
※診断のため医療機関で受診した場合のみ対象
1回11,280円11,670円
妊婦健康診査 2回目〜14回目13回5,280円5,460円
妊婦超音波検査4回5,300円5,300円
子宮頸がん検診1回3,400円3,400円
新生児聴覚検査1回3,000円3,000円
産婦健康診査2回5,000円
1か月児健康診査1回6,000円
目黒区「里帰り等妊産婦健康診査、新生児聴覚検査及び1か月児健康診査費用助成」(2026年8月25日更新)より作成。金額は1回あたりの上限額です。

助成の前提として、原則として目黒区の受診票の項目を満たしていること、そして医療機関または助産所が実施していることが必要です。なお助産所での受診は、妊産婦健康診査が対象になります。

【2026年の変更点】産婦健診・1か月児健診が新たに対象になりました

この制度でいま最も注意が必要なのが、産婦健康診査と1か月児健康診査の扱いです。この2つは2026年(令和8年)4月1日以降に出産された方が対象として新たに加わりました。さらに、受診票が使えるようになる時期が途中で切り替わるため、出産・受診の時期によって手続きの方法が変わります

産婦健診・1か月児健診の受診日都内の医療機関等で受けた場合都外(里帰り先など)で受けた場合
2026年9月30日まで
(令和8年9月30日まで)
受診票はまだ使えません。都内・都外を問わず、いったん自費でお支払いのうえ費用助成の対象になります
2026年10月1日以降
(令和8年10月1日以降)
受診票が使えるようになります引き続き、自費でお支払いのうえ費用助成の対象になります
目黒区の案内をもとに作成。産婦健診・1か月児健診はいずれも2026年4月1日以降に出産された方が対象です。

つまり2026年4月1日以降に出産され、9月30日までに産婦健診・1か月児健診を受けた方は、里帰りしていなくても(都内で受けていても)費用助成の対象になります。この期間に該当する方には、お子さんを対象に区から順次ご案内が送られています。領収書を紛失されないよう、特にご注意ください。

また、この時期に該当する産婦健診・1か月児健診については、受診票がなくても申請できます(2026年4月1日以降に出産し、2026年9月30日までに受診した場合)。「受診票が手元にないから無理だ」と諦めてしまわないでください。

対象にならないケース|ここを誤解すると戻ってきません

「自費で払ったものはすべて戻る」と受け取られがちですが、そうではありません。次の場合は助成の対象外です。

  • 国外の医療機関で受診した費用
  • 都内の契約医療機関等であるにもかかわらず、受診票を使わなかった場合の費用
  • 受診日に住民票が目黒区になかった場合(受診日時点の住民票が基準です)
  • 出産日等から1年を過ぎてしまった請求

特に2つ目は見落とされやすいところです。使える場所で使わなかった場合は、あとから請求しても戻りません。当院を含む都内の契約医療機関等では受診票をお使いいただけますので、里帰り前・里帰り後の健診では必ず受診票をご持参ください。当院で行っている妊婦健診の内容やスケジュールは妊婦健診のページをご覧ください。

申請の流れと必要書類

申請先は目黒区 地域保健課(目黒区総合庁舎本館3階)です。窓口と郵送のどちらでも手続きできます。窓口では二次元コードからの電子手続きに対応しているため、窓口申請の場合は申請書兼請求書の持参は不要です。

必要なもの窓口で申請する場合郵送で申請する場合
申請書兼請求書不要(二次元コードから電子申請)必要(区ホームページからダウンロード)
領収書原本を提出写し(原本を送ると返却に時間がかかります)
母子健康手帳持参該当ページの写し(表紙・出生届出済証明書ほか、申請する健診に応じたページ)
未使用の受診票必要必要
本人確認書類運転免許証・マイナンバーカード等写し
口座番号がわかるもの必ず申請者名義のもの写し(必ず申請者名義のもの)
郵送申請で必要な母子健康手帳の写しは、妊婦健診なら「妊娠中の経過」、産婦健診なら「産後の母体の経過」、新生児聴覚検査なら「検査の記録」、1か月児健診なら「1か月児健康診査」のページです。

領収書には「受診日」「該当の健診にかかる領収金額」「該当の健診であることが判る内容」の記載が必要です。ただし、母子健康手帳に検査項目などが記載されていて日付などで関連が明確であれば、領収書に検査名の記載がなくても差し支えありません。

請求の期限は、出産日等から1年以内です。産後は想像以上に時間が経つのが早く、気づいたときには期限が近い、ということが起こりがちです。里帰りから戻られたタイミングで、一度書類を集めておかれることをおすすめします。

里帰りから戻ったあとの1か月児健診をどこで受けるか

里帰り出産のあと、多くの方が迷われるのが1か月児健診をどこで受けるかです。里帰り先で出産した産院で受けるか、目黒区に戻ってから受けるか。前述のとおり2026年10月1日以降は、都内の医療機関等で1か月児健康診査の受診票が使えるようになります。戻られてから受ける選択肢が、これまでより取りやすくなります。

1か月児健診は赤ちゃんの健診のため、小児科でお受けいただきます(当院では行っておりません)。里帰り先の産院で1か月児健診まで済ませてから戻られる方もいらっしゃいますし、目黒区へ戻られてから小児科で受けられる方もいらっしゃいます。ご家庭の状況に合わせてお選びください。なおお母さまの産婦健康診査は当院で承っていますので、産後の体調のご相談とあわせてご利用ください。

1か月児健診と、そのあとに続く予防接種・乳幼児健診は、同じ小児科をかかりつけにしておくと以降の流れがスムーズです。当院がグループとして連携するキッズクリニックまるまる(自由が丘駅から徒歩1分・目黒区自由が丘)は、2026年10月下旬の開院を予定している小児科です。新生児期から18歳(高校生年代)までを対象に、一般診療・予防接種・乳幼児健診のほか、アレルギー・発達・頭のかたちのご相談にも対応します。乳幼児健診は1か月児健診から受け付ける予定です。

産後のお母さまの産婦健診は当院で、赤ちゃんの1か月児健診とその後のかかりつけはまるまるで——というように、母子それぞれの通い先を近い場所で組み立てられるのがグループ連携の利点です。まるまるの受診票の取り扱い・持ち物・当日の流れはまるまるの1か月児健診のご案内をご覧ください(開院日・予約方法もあわせてご確認いただけます)。

当院でできること|里帰り前の妊婦健診と、戻られてからの産婦健診

レディースクリニックなみなみは分娩を行っておらず、セミオープンシステムで都内の基幹病院と連携しています。里帰り出産・無痛分娩をご希望の方の妊婦健診にも対応しており、里帰り先へ移られるまでの健診、そして産後に目黒区へ戻られてからのご相談を担っています。

あわせて当院では、産後のお母さまの産婦健康診査も承っています。2026年10月1日以降は、これに目黒区の受診票をお使いいただけるようになります。なお赤ちゃんの1か月児健康診査は小児科でお受けいただく健診のため、当院では行っておりません。当院では東京都内の自治体の受診票をお使いいただけます。里帰り先の医療機関がどこになるか決まっている場合は、出発前の健診のタイミングで、受診票をどこまで使うか・何を残すかを一緒に整理できます。制度そのものの判断は目黒区が行いますが、「どの検査がどの受診票に対応しているか」は診察の中でご説明できます。気になることがあれば、健診の際に遠慮なくお声がけください。

よくあるご質問

里帰り先が東京都内の場合も助成の対象になりますか?

妊婦健診については、都内の契約医療機関等であれば受診票がそのまま使えるため、費用助成ではなく受診票をお使いいただく形になります。受診票が使える医療機関で使わなかった場合の費用は、あとから請求しても助成の対象になりません。ただし、都内であっても受診票が使えない医療機関等で受診した場合は助成の対象になります。判断に迷われる場合は、受診の前に目黒区地域保健課(03-5722-9503)へご確認ください。

かかった費用は全額返ってきますか?

全額ではなく、健診の種類ごとに定められた上限額までとなります。たとえば2026年4月1日以降に受診した妊婦健康診査であれば、1回目が11,670円、2回目から14回目が5,460円が上限です。里帰り先の料金が上限額を上回る場合、その差額はご自身の負担になります。

受診票を捨ててしまいました。再発行できますか?

受診票は、火災・盗難等の特別な事由以外では再発行されません。そして費用助成の申請には未使用の受診票が必要です。使わなかった受診票も、申請が終わるまでは母子健康手帳と一緒に必ず保管してください。すでに紛失されている場合の取り扱いについては、目黒区地域保健課へご相談ください。

いつまでに申請すればよいですか?

出産日等から1年以内です。産後は手続きが後回しになりやすいため、里帰りから戻られたタイミングで領収書・母子健康手帳・未使用の受診票をひとまとめにしておくことをおすすめします。里帰りが長引いて来所が難しい場合は、郵送での申請も可能です。

産婦健診と1か月児健診も対象になりますか?

2026年(令和8年)4月1日以降に出産された方が対象です。産婦健康診査は2回・1回あたり5,000円、1か月児健康診査は1回・6,000円が上限額です。なお2026年9月30日までに受診された分は、都内・都外を問わず費用助成の対象となり、受診票がなくても申請できます。2026年10月1日以降は、都内の医療機関等で受診票が使えるようになります。

1か月児健診は当院で受けられますか?

1か月児健診は赤ちゃんの健診のため小児科でお受けいただきます(当院では行っておりません。お母さまの産婦健康診査は当院で承っています)。その後に続く予防接種や乳幼児健診まで見据えると、同じ小児科をかかりつけにしておくと流れがスムーズです。当院が連携しているキッズクリニックまるまる(自由が丘・2026年10月下旬開院予定)は、乳幼児健診を1か月児健診から受け付ける予定です。里帰り先の産院で1か月児健診まで済ませてから戻られる方もいらっしゃいますので、ご家庭の状況に合わせてお選びください。

まとめ

里帰り出産で受診票が使えなかった健診費用は、目黒区に請求すれば上限額まで戻ってきます。2026年(令和8年)4月1日以降に出産された方は、産婦健康診査・1か月児健康診査も対象に加わりました。手続き自体は難しくありませんが、未使用の受診票と領収書の原本がそろっていることが絶対条件です。里帰り先へ移られる前に、この2点だけは覚えていってください。

制度の詳細・最新の情報や、個別の判断については目黒区「里帰り等妊産婦健康診査、新生児聴覚検査及び1か月児健康診査費用助成」のページ、または目黒区地域保健課(電話 03-5722-9503)へご確認ください。当院では里帰り前の妊婦健診と、戻られてからの産婦健診を承っています。健診の際に受診票の使い方でご不明な点があれば、いつでもお尋ねください。

クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

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院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
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