レディースクリニック なみなみ

不正出血はストレスのせい?症状・原因のチェックリスト・対処法を解説

更新日:

公開日:

クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
総監修者について詳しく見る 

…続きを見る

  • 強いストレスがかかると女性ホルモンのバランスが崩れ、排卵がうまくいかなくなることで生理以外の出血(不正出血)が起こることがあります​。過度のストレスは脳から卵巣への指令系統に影響し、エストロゲンやプロゲステロンの分泌が乱れて一時的な不正出血を引き起こし得ます​。
  • ただし、不正出血の原因はストレス以外にも子宮や卵巣の病気、妊娠に関連するトラブルなど多岐にわたります。自己判断で「ストレスのせい」と決めつけるのは禁物で、実際には悪性腫瘍(子宮頸がん・体がん)や妊娠異常(流産・子宮外妊娠)などが隠れている場合もあります​。不正出血があればまず婦人科で原因を調べることが大切です。
  • ストレスが原因の機能性出血は、主に少量の出血が数日続いて自然に止まるケースが多いです​。一方、出血量が多い場合や1週間以上だらだら続く場合には放置せず早めに医療機関を受診しましょう​。特に顔色が悪くなるほどの大量出血や激しい腹痛を伴う場合、妊娠中または妊娠の可能性がある場合は緊急受診が必要です​。

不正出血かな?と思ったら、まず落ち着いてセルフチェックを行い、症状に応じた適切な対処をしましょう。ストレスによる不正出血のメカニズムや、ストレス以外の主な原因、受診の目安を知っておくことで、不安を軽減し適切な対応につながります。婦人科専門医による解説をもとに、信頼できる情報を以下にまとめました。

ストレスが原因で不正出血は起こる?そのメカニズム

「ストレスで生理以外の出血が起きるなんて本当?」と疑問に思う方も多いでしょう。結論から言うと、ストレスは不正出血の原因になり得ます​。精神的なストレスや過労・睡眠不足など体のストレスが積み重なると、脳と卵巣のホルモン分泌システムに影響が及び、月経周期が乱れることがあります​。

強いストレスを受けると私たちの体は「コルチゾール」というストレスホルモンを分泌します。このコルチゾールが急激あるいは慢性的に高い状態になると、脳の視床下部(ホルモン分泌の司令塔)の働きが抑制されてしまいます。その結果、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が不足し、女性ホルモンのバランスが崩れてしまいます​。女性ホルモンの分泌は脳(視床下部・下垂体)と卵巣が連携することで調整されていますが、この繊細なシステムがストレスによって乱されてしまうのです​。

ホルモンバランスが乱れると、排卵が正常に起こらない無排卵周期になったり月経不順になったりします​。排卵が起こらない場合、通常排卵後に分泌されるプロゲステロンが不足するため、子宮内膜の維持が不安定になります。その結果、本来は生理として剥がれ落ちるタイミングではない時期に子宮内膜の一部が剥がれて出血することがあり、これがストレスによる不正出血です​。また無排卵周期ではエストロゲンの影響で子宮内膜だけが過剰に増殖し、やはり不規則に一部が剥がれて出血することもあります​。

以上のような理由で、過度のストレスや環境の変化、急激な体重変動などによって女性ホルモンが変動し、月経不順や不正出血を起こすことがあると報告されています​。これは医学的には「機能性出血」と分類され、病気による出血ではないものの放置すれば貧血になる可能性もあるため注意が必要です​。

ストレスが原因の不正出血の特徴としては、下着に少し付く程度の少量の出血が数日間続いて自然に止まるケースや、生理周期そのものが不規則になるケースが多く見られます​。ナプキンではなくパンティライナーで足りるくらいの少量の出血で、色は鮮血というより茶色っぽいおりもの程度であることもあります。一方で、ストレスによるホルモン乱れが続くと生理が飛んでしまったり(月経停止)、逆にダラダラと長引くこともあります​。いずれにせよ、「ストレスかも」と思っても必ず他の原因がないか専門医に確認することが大切です​。ストレスによる機能性出血と診断されれば、基本的には生活改善やストレスの軽減によって自然に改善するケースがほとんどです​。

不正出血が起きたらまず行うべきこと(対処法)

突然、生理予定ではない時期に出血があると不安になりますが、焦らずに以下の対処を行いましょう。

出血の量・様子を確認

生理に匹敵する量の出血か、少量のスポット出血程度かを確認します。出血量が多く貧血症状(ふらつき・めまいなど)や激しい腹痛がある場合は、迷わず救急受診してください。少量でも鮮血がポタポタ出るような出血が続く場合も注意が必要です。色が茶色やピンクで少量なら一時的なもの(機能性出血)の可能性がありますが、油断せず経過を見ます。

生理との区別・妊娠の可能性を確認

。また、妊娠の可能性が少しでもある場合は市販の妊娠検査薬で確認しましょう。妊娠初期の出血(着床出血や切迫流産など)のこともあり得るため、陽性反応が出たら早めに医師の診察を受けます。陰性でも月経が遅れている場合は継続的に観察が必要です。

婦人科を受診する

不正出血があったらできるだけ早めに婦人科を受診しましょう。少量の出血が1日で止まった場合などは緊急性は高くありませんが、念のため近いうちに診察を受けて原因を調べることをお勧めします​。特に閉経後の出血痛み・かゆみを伴う出血は重大な病気のサインの可能性があるため、見逃さず受診してください​。受診時には生理周期の記録や基礎体温表があると診断の参考になります。医師は問診・内診・超音波検査などで出血の部位と原因を特定し、必要に応じて子宮頸がん検査や体がん検査、おりもの検査等を行います​。原因に応じて適切な治療が行われますので、自己判断せずプロに任せましょう。

ストレスの軽減・生活改善

検査の結果、特に器質的異常がなく「おそらくストレスやホルモンバランスの乱れでしょう」と言われた場合は、できる限りストレス源を減らす工夫を始めましょう​。明確な原因がわかる場合はそれを解消するのが一番ですが、難しい場合も多いものです。自分なりのリラックス法(趣味や軽い運動、入浴、アロマ、十分な睡眠など)で自律神経のバランスを整えることが大切です​。規則正しい生活はホルモンバランスの安定にもつながります​。出血が治まっても無理を重ねないようにしましょう。

以上が基本的な対処フローです。特に「ストレスかも?」と心当たりがあっても、最初から自己判断で済まさず婦人科を受診することが肝心です​。繰り返しになりますが、不正出血の陰には思わぬ病気が潜んでいる場合もあります。専門医の診断によって原因を究明し、適切に対処することが安心につながります​。

不正出血セルフチェックリスト:症状から考えられる原因

自分の不正出血がどんな原因によるものか、症状の特徴からある程度推測することも可能です。以下のセルフチェックリストに沿って、当てはまる項目があるか確認してみましょう(複数該当する場合もあります)。

  • 出血の量が多く鮮血である・貧血症状や激しい腹痛を伴う
    →子宮外妊娠や流産など妊娠に関連する異常、あるいは子宮筋腫や子宮がんなど器質的疾患の可能性があります​。早急に産婦人科を受診してください。
  • 茶色いおりものや少量の出血がダラダラと1週間以上続く
    ホルモンバランスの乱れによる機能性不正出血が考えられます。強いストレスや生活リズムの乱れが背景にありませんか?​ 放置すると貧血になる恐れもあるため、続く場合は受診して相談しましょう。
  • 生理と生理の間(排卵前後)に少量の出血があった
    排卵に伴う中間期出血の可能性があります。排卵前後はエストロゲンが一時的に減少する影響で少量の出血が起こる人もいます​。1~2日で止まり、他に症状がなければ心配いりません。基礎体温を測っている人は出血の時期が排卵期と一致するか確認してみましょう。
  • 性交の後に出血した
    子宮頸部のびらん子宮頸管ポリープ、あるいは子宮頸がんなど子宮入り口部分のトラブルが考えられます​。いわゆる接触出血と呼ばれるもので、軽微なびらんでも擦れると出血することがあります。繰り返す場合は婦人科で診察を受けてください。
  • 閉経後なのに出血があった
    →閉経後の不正出血は子宮体がんなど悪性腫瘍のサインである可能性が高いため要注意です​。少量でも一度でも見られたら必ず婦人科を受診して精密検査を受けましょう。ホルモン補充療法中の場合も念のため医師に相談してください。
  • ピルを飲み始めた/緊急避妊薬を使用した後に出血があった
    薬の副作用による一時的な不正出血と考えられます。低用量ピルを開始した最初の1~3ヶ月は体がホルモンに慣れるまで出血しやすく、全体の約3割の人に不正出血が起こると言われています​。緊急避妊薬(アフターピル)でも高用量のホルモン刺激により一時的不正出血が生じることがあります。いずれも出血は徐々に治まることが多いですが、出血量が多い場合や長引く場合は医師に相談しましょう​。

以上のチェックリストはあくまで可能性の目安です。実際の診断は医師が総合的に判断しますので、自己チェックの結果を参考に「このタイプだから大丈夫」と自己完結しないようにしましょう。特に複数の原因が重なっているケースや、思い込みで見落としてしまう病気もあり得ます。不正出血は女性の体からのSOSサインとも言われますので、見逃さず受け止めることが大切です。

ストレス以外の不正出血の原因は?

不正出血の原因はストレスによる機能的なものばかりではありません。他にも多くの原因が考えられます​。ここでは代表的な原因を4つのカテゴリーに分けて解説します​。

器質性出血(病気が原因の不正出血)

器質性出血とは、子宮や卵巣、腟などの明確な病気や異常が原因で起こる不正出血です​。例えば子宮筋腫・子宮内膜ポリープ・子宮腺筋症といった子宮の良性腫瘍、子宮頸がん・子宮体がんといった悪性腫瘍、子宮頸部のびらんや炎症、腟炎、子宮頸管裂傷などが該当します​。こうした病変があると、生理時以外でも出血を起こしたり、生理が長引く原因になります。特に子宮頸がんは性交後の接触出血として現れることが多く、子宮体がんは閉経後の不正出血で発見されるケースが少なくありません。器質性の原因を除外することが不正出血診断の第一歩であり、不正出血があれば必ず婦人科で検査を受けるべき理由でもあります​。

機能性出血(ホルモンバランスの乱れによる不正出血)

機能性出血とは、ホルモンバランスの乱れによって起こる不正出血のことです​。卵巣や脳下垂体から分泌される女性ホルモンの調整機能に問題が生じ、子宮に異常がないのに出血する状態を指します。まさにストレスによる不正出血はこの機能性出血に分類されます​。思春期(初経から数年)や更年期(閉経前後)などホルモン分泌が不安定な時期にも起こりやすく、若い女性では卵巣の未成熟により排卵が不規則なため不正出血が起こることがあります​。逆に40代後半以降では卵巣機能の低下で無排卵周期が増え、不正出血が増える傾向があります​。機能性出血はホルモン補充療法や低用量ピルの内服で周期を整える治療を行うことが多いですが​、まずは本当に器質的疾患がないか精査した上での診断となります。

中間期出血(排卵期に起こる生理的出血)

中間期出血(排卵出血)とは、生理と生理のちょうど中頃(排卵のタイミング)に起こる少量の出血です​。排卵時に一時的にホルモンが変化する影響で起こる生理的現象で、病的な不正出血には含まれません​。排卵期には卵胞から卵子が飛び出る際に卵巣表面がわずかに傷ついて出血したり、エストロゲンが一時的に低下することで子宮内膜が部分的に剥がれて出血したりすることがあります​​。一般的に出血量はごくわずかで1~2日で止まるため心配はいりません。ちょうど排卵痛(排卵の際に感じる軽い下腹部痛)を伴うこともあります。基礎体温表で排卵日付近の出血であれば中間期出血と判断できます。ただし、中間期出血と思って放置していたら別の疾患だったということのないよう、初めて見られた場合は念のため検査で他の原因がないか確認する方が安心です。

その他の原因による不正出血

上記以外にも、不正出血の原因として知っておくべきものがあります。代表的なのは妊娠関連の出血です。妊娠超初期に起こる着床出血(受精卵が子宮内膜に付着する際の出血)は、生理予定日頃に少量の出血があるので生理と紛らわしいことがあります。また、切迫流産(流産しかかっている状態)や異所性妊娠(子宮外妊娠)では不正出血が初発症状となることが多く、下腹部痛を伴えることがしばしばです​。妊娠関連の不正出血は放置すると出血がひどくなり命に関わるケースもあるため、妊娠の可能性がある人の不正出血は特に注意が必要です​。

そのほか、腟の傷や異物(例:激しい性交による腟壁裂傷、出産後の傷の開大、タンポンの入れ忘れなど)、頸管ポリープの破裂子宮内膜症による出血、凝固異常や血液疾患による出血傾向、激しい運動極端なダイエットによる体調不良なども不正出血の一因となり得ます​。まれに尿道や肛門からの出血を生理と勘違いしていたというケースもあります​。このように原因は多岐にわたるため、「不正出血=〇〇に違いない」と早合点せず、専門家による診断が欠かせません。

婦人科を受診する目安・タイミング

不正出血が起きた際、「どのタイミングで病院に行くべきか」は悩ましいポイントです。基本的には不正出血に気づいた時点で婦人科を受診するのが望ましいですが、緊急性の高いケースと経過観察で良いケースがあります。その目安をまとめます。

今すぐ緊急受診すべきケース

  • 出血量が多く貧血症状がある、ふらつきや意識がもうろうとする。
    下着やナプキンが短時間で真っ赤になるような大量出血で、顔色不良やめまいが出ている場合は迷わず救急外来へ向かいましょう​。
  • 激しい腹痛を伴う出血。
    立っていられないほどの強い腹痛や陣痛様の痛みを伴う場合、子宮外妊娠の破裂や流産の可能性があります​。特に妊娠判明前後でこのような症状がある時は緊急事態です。
  • 妊娠中の出血(妊娠の可能性がある場合も含む)。
    少量でも妊娠中の性器出血はすぐに産婦人科へ連絡・受診してください。初期なら流産兆候、後期なら前置胎盤や常位胎盤早期剥離など重大な異常の可能性があります。

妊娠中の出血に関してはこちらの記事「妊娠初期の出血・不正出血は大丈夫?原因と着床出血との違い、流産の可能性を解説」もチェックしてみてください👇️

早めの受診が必要なケース(できるだけ近日中に)

  • 少量でも1週間以上、不正出血が持続している。
    ダラダラと長引く出血は何らかの異常を示すサインです​。緊急ではなくとも放置せず、日中の診療時間内に受診予約を取りましょう。
    一度止まっても繰り返し出血が起こる。「少量だから」と自己判断せず、繰り返す場合はやはり一度検査を受けるべきです​。特に毎周期生理以外の出血があるようなら要注意です。
  • 閉経後に出血があった。
    閉経後は生理がないため、少しでも出血があれば必ず調べる必要があります​。1回だけだからと様子見せず、早めに婦人科検診を受けてください。
  • 下腹部痛、発熱、おりものの異常など他の症状を伴う。
    感染症や炎症を起こしている可能性があります。特に性交痛や悪臭のあるおりものを伴えば子宮頸管炎などの疑いがありますので早めに診察を。

経過観察で良いことが多いケース

  • 排卵期と一致する少量の出血で他に症状がない。
    基礎体温で排卵期と特定できる場合、その前後の少量の出血は生理的範囲の中間期出血の可能性が高いです。ただし初めてのケースでは断定せず、次回も同様のパターンが続くか観察しましょう。心配であれば受診して説明を受けると安心です。
  • ピル服用開始直後の少量の不正出血。
    上記のようにピル開始後数ヶ月は不正出血が起こりやすいですが、ほとんどは体が慣れると治まります​。1〜2周期様子を見てもよいですが、出血量が多い・長引く場合は薬の変更を含め医師に相談してください​。

以上が目安ですが、「少しでも不安があれば受診する」に越したことはありません。特にこれまで不正出血を経験したことがない人にとって、自分で正常か異常か判断するのは難しいものです。遠慮せず専門医に相談し、早めに安心を得るようにしましょう。レディースクリニックなみなみでも、不正出血に関するご相談や検査を随時受け付けています。気になる症状があればお一人で悩まずにご相談ください。

低用量ピルの効果が出るまでの期間に関するよくある質問

ストレスで起こった不正出血は放っておいても大丈夫?

出血が少量で数日以内に止まった場合、慌てる必要はありませんが放置せず一度は婦人科受診することをおすすめします。確かにストレスが原因の機能性出血であれば生活改善で自然に治まることも多いです。しかし、素人判断で「ストレスだから大丈夫」と決めつけるのは危険です​。実際には若い方でも子宮頸がんや子宮内膜症など病気が隠れている場合もあり、別の場所(尿道や肛門)の出血を勘違いしているケースもあります​。一度治まった不正出血でも、次に生理の際に必ず婦人科医にその旨を伝えて検査してもらうと安心です。

20代など若い年代の不正出血は様子見でも良いと聞いたけど本当?

いいえ、若くても油断は禁物です。10代~20代前半はホルモン分泌の調節が未成熟で不正出血が起こりやすい年代ではあります​。そのため「若いからホルモンが乱れてるだけ」と思い込み、多少の不正出血なら様子見してしまう人も多いようです。しかし実際には、20代でも子宮内膜症や子宮頸がんなどが原因で不正出血が起きるケースは少なくありません​。また冒頭で述べたように妊娠関連の異常など年齢に関係なく起こる原因もあります。若いからと過信せず、不正出血があれば年齢に関わらず医師の診察を受けることが大切です​。早期発見できれば簡単な治療で済む病気も、放置して悪化すれば将来の妊娠や健康に影響する恐れもあります。

ストレスで生理不順になることもありますか?

はい、あります。ストレスが月経に及ぼす影響は不正出血だけでなく生理周期の乱れ全般に及びます​。強いストレスによって排卵が一時的に止まってしまうと、生理が遅れたり飛んでしまったり(月経無排卵周期)することがあります​。逆に生理がダラダラ長引く場合も、排卵が起こらずホルモンが切り替わらないことで子宮内膜がきちんと剥がれ落ちず不完全な生理が続いている状態と考えられます​。いずれも根本原因はストレスなどによるホルモンバランス異常です。生活環境が落ち着いたりストレスが軽減すれば、次第に周期は元に戻っていくでしょう。もし生理不順が数ヶ月以上続く場合は、念のため婦人科を受診して他の異常がないか確認してください。

不正出血か生理か自分で見分ける方法はありますか?

基本的には出血のタイミングとパターンで判断します。通常の生理であれば25~38日周期の範囲内で規則的に訪れ、基礎体温をつけていれば高温期・低温期の変化パターンがみられます​。一方、不正出血は周期に関係なく不規則に起こり、量も少ないことが多いです​。例えば前回生理から2週間しか経っていないのに出血した、基礎体温が高温期の途中なのに出血があった、下着に茶色いシミが続くが本格的な出血には至らない、といった場合は不正出血の可能性が高いでしょう​。ただし月経不順の場合は自分では判断が難しいため、やはり医師に相談するのが確実です。婦人科では超音波検査やホルモン検査によって、「今の出血が生理的な月経か、それ以外の出血か」を判断する手がかりが得られます。自己判断に迷うときは遠慮なく受診しましょう。

不正出血とストレスのまとめ

不正出血は珍しいものではありませんが、「たかが不正出血」と侮らず適切に対処することが重要です。ストレス社会に生きる現代女性にとって、ホルモンバランスの不調は誰にでも起こり得ます​。だからこそ日頃から自分の生理周期や体調の変化に関心を持ち、何か異変を感じたら早めに専門家に相談してください。レディースクリニックなみなみでは女性の心身の不調に寄り添い、安心して受診いただける体制を整えています。不正出血に悩んだ時はお一人で悩まず、ぜひ当院までご相談ください。

レディースクリニックなみなみの月経関連トラブルのページはこちら レディースクリニックなみなみの外来を予約する
クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
総監修者について詳しく見る 

…続きを見る

コラム一覧をみる