レディースクリニック なみなみ

子宮内膜症セルフチェック|症状から疑うべきサイン

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生理の不調を感じる女性のイメージ
クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
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「月経痛が年々ひどくなってきた」「鎮痛薬が手放せない」「月経のとき以外にも下腹部や腰が痛む」——こうしたサインが続くとき、その背景に子宮内膜症が隠れていることがあります。子宮内膜症は、本来は子宮の内側にあるはずの子宮内膜に似た組織が、卵巣や腹膜など子宮の外で増えてしまう病気で、生理のある女性の身近に起こり得ます。この記事では「自分は当てはまるかもしれない」と感じている方に向けて、疑うべき症状やセルフチェックの目安、受診のタイミングを産婦人科の視点から整理します。なお、ここで紹介するチェックはあくまで受診を考えるための目安であり、診断ではありません。気になる症状があるときは、自己判断で抱え込まず婦人科にご相談ください。

この記事でわかること

  • 子宮内膜症で起こりやすい主な症状と、その特徴
  • 月経痛が「年々強くなる」ことが見逃せないサインである理由
  • 自分で確認できるセルフチェック項目と、当てはまる数の考え方
  • 「これは受診したほうがよい」と判断する目安
  • 婦人科で行われる検査や治療の大まかな流れ
  • よくある疑問への産婦人科視点での回答

子宮内膜症とは?まず知っておきたい基本

子宮内膜症は、子宮の内側をおおう「子宮内膜」に似た組織が、卵巣・腹膜・子宮とその周囲の組織など、本来あるべきではない場所で増殖してしまう病気と考えられています。これらの組織も月経周期に合わせて増えたり出血したりするため、行き場のない血液や炎症がたまり、痛みや癒着(組織どうしがくっつくこと)を引き起こすことがあります。

月経のある世代に広くみられ、20〜40代の方で症状が出ることが少なくありません。進み方や症状の出方には個人差が大きく、強い痛みがあっても病変が小さいこともあれば、自覚症状が乏しいまま経過していることもあります。だからこそ「痛みの強さ」だけで重さを判断するのは難しく、症状のパターンや経過に目を向けることが大切です。ここから先で紹介する症状は、あくまで「子宮内膜症で起こりやすい傾向」であり、当てはまるからといって必ずしもこの病気とは限りません。

疑うべき主な症状とそのサイン

子宮内膜症で起こりやすい症状には、いくつかの共通した特徴があります。一つひとつは「よくある不調」に見えても、組み合わさったり、年単位で変化したりするときには注意が必要です。

年々強くなる月経痛(月経困難症)——最も代表的なサインです。以前は市販の鎮痛薬で乗り切れていたのに、最近は薬が効きにくい、量や回数が増えた、痛みで寝込んだり仕事や学校を休んだりするようになった、という「悪化していく経過」は見逃せません。月経痛は珍しいものではありませんが、年を追うごとに強くなる場合は背景に何かが隠れている可能性を考えます。

月経時以外の下腹部痛・腰痛(慢性骨盤痛)——子宮内膜症では、生理のとき以外にも下腹部や腰の鈍い痛みが続くことがあります。「いつもどこか重い・痛い」という慢性的な不快感は、病変による炎症や癒着が関係していることがあります。

性交痛・排便痛——性交時の奥のほうの痛みや、月経前後に強くなる排便時の痛みも、子宮内膜症で比較的みられる症状です。デリケートで相談しづらい症状ですが、生活の質に大きく関わるため、婦人科では遠慮なくお伝えいただきたいポイントです。

不妊との関連——子宮内膜症は、妊娠しにくさ(不妊)と関連することが知られています。癒着や卵巣の状態などが影響すると考えられており、なかなか妊娠に至らない場合に検査で見つかることもあります。妊娠を希望している方で気になる症状があるときは、早めの相談が選択肢を広げることにつながります。

このほか、月経量の変化、月経前後の体調不良、強い倦怠感などを伴うこともあります。症状の感じ方は人それぞれですので、「人と比べて重いかどうか」より「自分の生活に支障が出ているか」を一つの目安にしてください。

子宮内膜症セルフチェック項目

次の項目のうち、当てはまるものがいくつあるかを確認してみましょう。これは診断ではなく、受診を考えるための目安です。当てはまる数が多いほど病気だと決まるわけではありませんが、いくつも当てはまる場合や、生活に支障が出ている場合は、一度婦人科で相談することをおすすめします。

  • 月経痛が年々強くなってきていると感じる
  • 鎮痛薬の量や回数が以前より増えた、または効きにくくなった
  • 月経痛で寝込む、仕事・学校・予定を休むことがある
  • 月経のとき以外にも下腹部や腰の痛み・重さが続くことがある
  • 性交時に奥のほうが痛むことがある
  • 月経前後に排便時の痛みを感じることがある
  • 月経量が多い、または月経が長引くと感じる
  • 妊娠を希望しているが、なかなか授からない
  • 月経のたびに気分の落ち込みや強い倦怠感を伴う
  • これらの症状について、これまで婦人科で相談したことがない

当てはまる項目が複数あった方や、上のうち「年々強くなる月経痛」「生活に支障が出るほどの痛み」に該当する方は、症状が軽いうちでも一度ご相談ください。逆に、当てはまる数が少なくても、ご自身が「つらい」「気になる」と感じるなら、それだけで受診する十分な理由になります。チェックの数は受診のきっかけにすぎず、最終的な判断は医師の診察によります。

受診の目安——いつ婦人科へ行けばよい?

「これくらいで受診してもいいのかな」とためらう方は多いものですが、次のような場合は早めの受診をおすすめします。

  • 鎮痛薬を飲んでも月経痛がコントロールしきれない、または薬が手放せない
  • 月経痛が年々悪化している、と自分で感じている
  • 痛みのために日常生活(仕事・家事・学業・睡眠)に支障が出ている
  • 月経時以外の下腹部痛・腰痛、性交痛、排便痛が続いている
  • 妊娠を希望しているが、なかなか授からない

子宮内膜症は、放置すると症状や癒着が進むことがある一方、早めに気づいて適切に対応することで、痛みのコントロールや将来の妊娠に向けた選択肢を保ちやすくなると考えられています。「我慢が当たり前」と思っていた月経痛が、実は治療で楽になることも少なくありません。月経や下腹部の不調は相談しづらいテーマですが、婦人科では日常的に扱う内容ですので、どうぞ安心してお越しください。受診のタイミングとしては、痛みが強い月経中だけでなく、症状が落ち着いている時期の受診でも問題ありません。

婦人科で行う検査と治療の概観

婦人科を受診すると、まず月経や痛みの様子、これまでの経過などをていねいにうかがいます(問診)。そのうえで、必要に応じて内診や超音波(エコー)検査などで子宮や卵巣の状態を確認します。状況によっては、より詳しく調べるための検査が検討されることもあります。どの検査を行うかは症状やお一人おひとりの状況によって異なり、医師が説明したうえで相談しながら進めますので、不安なことは遠慮なくお伝えください。

治療には、大きく分けて薬物療法手術療法があります。薬物療法では、痛みをやわらげる対症的なものや、ホルモンのはたらきに着目して症状や病変の進行に対応するものなどが用いられます。手術療法は、病変や癒着の状態、年齢、妊娠の希望などをふまえて検討されます。どの方法が適しているかは、症状の程度・ライフプラン・本人の希望によって大きく変わります。ここでは概要のみをお伝えしていますので、具体的な選択肢や進め方については、診察のうえで医師とよくご相談ください。

大切なのは、「自分にとって何を優先したいか」を医師と共有しながら、納得できる方針を一緒に決めていくことです。痛みを軽くしたいのか、妊娠に向けて備えたいのかなど、目的によって最適な対応は変わります。当院でも、お一人おひとりの状況にあわせてご説明します。

よくある質問(FAQ)

月経痛がひどいだけでも受診していいですか?

はい、月経痛がつらいだけでも受診して問題ありません。とくに、年々痛みが強くなっている、鎮痛薬が効きにくい、痛みで日常生活に支障が出ているといった場合は、背景に子宮内膜症などが隠れていることもあるため、早めのご相談をおすすめします。「これくらいで」とためらう必要はありません。

セルフチェックで当てはまる項目が多いと、子宮内膜症と考えてよいですか?

いいえ、セルフチェックはあくまで受診を考えるための目安であり、診断ではありません。当てはまる数が多くても病気だと決まるわけではなく、逆に少なくても症状が気になる場合は受診する理由になります。最終的な判断は、婦人科での問診や検査をふまえて医師が行います。

子宮内膜症は若い人でもなりますか?

子宮内膜症は月経のある世代に広くみられ、10代後半から症状が出ることもあります。「若いから大丈夫」とは限りませんので、年齢にかかわらず、つらい月経痛や気になる症状があるときは相談してください。早めに気づくことが選択肢を広げることにつながります。

痛みが軽ければ放っておいても大丈夫ですか?

痛みの強さと病変の程度は必ずしも一致しないため、痛みが軽くても注意が必要な場合があります。症状が軽くても気になることがあれば、一度確認しておくと安心です。放置せず、ご自身の経過を医師と共有しておくことをおすすめします。

妊娠を希望しています。受診したほうがよいですか?

子宮内膜症は妊娠しにくさと関連することが知られています。妊娠を希望していて、つらい月経痛や気になる症状がある場合、またなかなか授からない場合は、早めにご相談ください。状況に応じて、妊娠に向けた選択肢を一緒に考えていくことができます。

受診は月経中でないとだめですか?

いいえ、症状が落ち着いている時期の受診でも問題ありません。問診や検査は月経中以外でも行えます。痛みがつらい時期を避けて受診したい場合は、その旨をお伝えいただければ調整できますので、無理のないタイミングでお越しください。

クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
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参考文献

  1. 病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科 第2版(MEDIC MEDIA, 2018)
  2. 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023」
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