レディースクリニック なみなみ

NIPTの陰性とは|偽陰性と「陰性だったのに」

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おなかに手を添える妊婦さん
クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
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NIPTの「陰性」は、「その病気である可能性が非常に低い」という意味であって、「ない」と確定したわけではありません。これは検査の精度が足りないからではなく、NIPTがもともと「非確定的検査」だからです。診断ではなく、可能性の高さを示すところまでを役割としている検査、とご理解ください。

そのうえで、先にお伝えしておきたいことがあります。陰性という結果が出たあとに21トリソミー(ダウン症候群)が見つかることは、非常にまれです。出生前検査認証制度の説明では、陰性だった場合にその病気が実際にない確率は、どの年齢層でも、21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーのいずれでも99.99%以上とされています。「陰性だったのに」という話は、確率としてはごく小さな出来事です。

それでも、ゼロにはなりません。この記事では「まれです」で終わらせず、なぜまれなのか/それでもゼロにならないのはなぜか/では陰性という結果をどう受け止めればよいのかを、順を追ってご説明します。いま結果を待っている方、すでに陰性と言われて検索されている方に、判断の土台になる情報をお届けできればと思います。

  • NIPTの「陰性」が意味していること(結論)
  • 陰性のあとに見つかることが、なぜ「非常にまれ」なのか
  • それでもゼロにならない理由——NIPTが実際に何を見ているのか
  • 「陰性だったのに」という話を、3つの場合に切り分ける
  • 陰性という結果の、現実的な受け止め方
  • 検査を考えるときに整理しておきたいこと
  • よくあるご質問(判定保留とは? 陰性なら何もしなくていい? など)
目次
  1. 1 結論|NIPTの「陰性」は「可能性が非常に低い」という意味です
    1. 1.1 「陰性」と「異常なし」は、同じではありません
    2. 1.2 非確定的検査と確定的検査の違い
  2. 2 陰性のあとにダウン症だったということは、非常にまれです
    1. 2.1 陰性的中率は「99.99%以上」とされています
    2. 2.2 陽性的中率とは、性質がまったく違います
  3. 3 それでもゼロにならない理由|NIPTが実際に見ているもの
    1. 3.1 理由①|調べているのは、赤ちゃんの細胞ではなく「胎盤由来のDNAの断片」です
    2. 3.2 理由②|胎盤と赤ちゃんで、染色体の状態が一致しないことがあります
    3. 3.3 理由③|胎盤由来のDNAが十分に含まれていないと、判定が難しくなります
    4. 3.4 理由④|そもそも、調べているのは3つの染色体だけです(最も見落とされやすい点)
  4. 4 「陰性だったのに」という話を、3つの場合に切り分ける
    1. 4.1 ①対象外の疾患だった場合|NIPTでは元々わかりません
    2. 4.2 ②受けた検査の対象が違っていた場合|施設によって対象疾患が異なります
    3. 4.3 ③まれな偽陰性だった場合|1万人に1人以下とされています
  5. 5 陰性という結果を、どう受け止めればよいか
    1. 5.1 陰性のあとも、妊婦健診での確認は続きます
    2. 5.2 気になることは、そのつど担当の医師にご相談いただけます
    3. 5.3 「不安がゼロになる検査」は、残念ながらありません
  6. 6 これから受ける方へ|「陰性の意味」を先に知っておく
  7. 7 当院でのご案内について
  8. 8 よくあるご質問
    1. 8.1 NIPTで陰性でした。ダウン症の可能性はゼロになりましたか?
    2. 8.2 NIPTの偽陰性は、どのくらいの頻度で起こりますか?
    3. 8.3 陰性的中率と陽性的中率は、何が違うのですか?
    4. 8.4 NIPTが陰性なら、もう何も検査しなくて大丈夫ですか?
    5. 8.5 「判定保留」と言われました。陰性ということですか?
    6. 8.6 施設によって、陰性の意味は変わりますか?
  9. 9 まとめ
  10. 10 関連する診療メニュー

結論|NIPTの「陰性」は「可能性が非常に低い」という意味です

いちばん知りたいところからお答えします。NIPTで陰性という結果が出た場合、それは「調べた3つの染色体の病気である可能性が非常に低い」という意味です。「その病気ではないと診断された」という意味ではありません。

この違いは、言葉づかいの細かい話ではなく、検査の設計そのものの違いから来ています。

「陰性」と「異常なし」は、同じではありません

結果用紙に「陰性」と書かれていると、「異常なし」「問題なし」と読み替えたくなるのが自然だと思います。けれど、この2つは意味する範囲が違います。

  • 陰性=調べた3つの染色体について、病気である可能性が非常に低いという評価
  • 異常なし=調べていない範囲まで含めて問題がない、という意味に受け取られがちですが、NIPTはそこまでを保証する検査ではありません

NIPTは「安心を確定させる検査」ではなく、「確定的検査に進む必要があるかどうかを絞り込むための検査」です。この位置づけを共有できていると、陰性という結果もずっと受け止めやすくなります。

非確定的検査と確定的検査の違い

出生前の検査は、大きく「非確定的検査」と「確定的検査」に分けて理解すると、全体像がつかみやすくなります。

 非確定的検査確定的検査
代表的な検査NIPT、コンバインド検査、クアトロテスト、超音波(NT計測など)羊水検査、絨毛検査
調べているもの母体の血液・超音波の所見赤ちゃん由来の細胞そのもの
わかること染色体の変化がある「可能性の高さ」染色体の変化があるかないか
「陰性」の意味可能性が非常に低い(確定ではありません)——(結果は診断として扱えます)
お腹に針を刺すか刺しません(採血・超音波のみ)刺します
流産のリスクありませんあります

つまり、非確定的検査は「絞り込むための検査」、確定的検査は「はっきりさせるための検査」という役割の違いがあります。NIPTの陰性が「確定ではない」のは、精度の問題というより、そもそも確定させる役割を担っていないということです。

※確定的検査については 羊水検査とは|わかること・リスク・費用を解説 でくわしく取り上げています。

陰性のあとにダウン症だったということは、非常にまれです

「確定ではない」と聞くと、かえって不安が増してしまうかもしれません。ですので、実際にどのくらいまれなのかを、数字で整理しておきます。

陰性的中率は「99.99%以上」とされています

陰性的中率とは、「陰性という結果が出た方のうち、実際にその病気がなかった割合」のことです。出生前検査認証制度の説明では、NIPTで陰性だった場合にその病気が実際にない確率は、どの年齢層においても、21トリソミー(ダウン症候群)・18トリソミー・13トリソミーのいずれにおいても99.99%以上とされています。

裏返すと、同制度の説明では「1万人に1人以下の割合で、陰性だったのに実際には病気があった『偽陰性』がある」とされています。これが、「陰性だったのに」と言われる状況の、医学的な正体のひとつです。

陽性的中率とは、性質がまったく違います

NIPTについて調べていると、「的中率は年齢によって大きく変わる」という説明を目にすることがあります。これは陽性的中率の話であって、陰性的中率の話ではありません。混同されやすいので、整理しておきます。

 陰性的中率陽性的中率
意味陰性と出た方のうち、実際に病気がなかった割合陽性と出た方のうち、実際に病気があった割合
年齢による変動どの年齢層でも99.99%以上とされています年齢によって大きく変わるとされています
結果を受けた次の行動多くの場合、そのまま妊娠経過をみていきます確定的検査で確認することが原則とされています

つまりNIPTは「陰性を出す力」がとても強い検査だと言えます。「陽性は確定ではないので確定的検査へ」「陰性はかなり確からしい」——この非対称さが、NIPTという検査の性格です。

※陽性という結果が出た場合の流れについては NIPT陽性と言われたら|次のステップと心構え でくわしく解説しています。

レディースクリニックなみなみ 叶谷愛弓院長(目黒・産婦人科/医学博士)

ここから、少し仕組みの話に入ります。「まれです」だけで安心できる方はそれで十分ですし、「なぜゼロではないのか」が気になる方には、その理由まで知っていただきたいと思っています。不安の多くは「わからない」から生まれます。仕組みがわかると、扱える不安に変わることがあります。

それでもゼロにならない理由|NIPTが実際に見ているもの

ここがこの記事の中心です。NIPTの陰性がなぜ「確定」にならないのかは、この検査が「何を材料にしているか」を知ると、すっきり理解できます。理由は大きく4つあります。

理由①|調べているのは、赤ちゃんの細胞ではなく「胎盤由来のDNAの断片」です

NIPTは、妊婦さんから採血をして、血液の中に浮かんでいるDNAの断片(cfDNA)を分析する検査です。出生前検査認証制度の説明では、妊婦さんの血液中のDNA断片のうち約10%が胎盤に由来するものとされています。

ここで大事なのは、NIPTが見ているのは「赤ちゃんそのものの細胞」ではないということです。羊水検査が羊水に混じった赤ちゃん由来の細胞を直接調べるのに対し、NIPTは胎盤から出てきたDNAの断片を、母体の血液越しに間接的に見ています。

もちろん、同制度の説明にあるとおり、胎盤は受精卵から発生しているので、原則として赤ちゃんと同じDNAを持っています。だからこそNIPTは高い精度で成り立っています。ただし——ここに「原則として」という言葉が付いていることが、次の理由につながります。

理由②|胎盤と赤ちゃんで、染色体の状態が一致しないことがあります

胎盤と赤ちゃんは同じ受精卵から育っていきますが、育つ過程で胎盤の細胞と赤ちゃんの細胞の染色体が一致しない状態が生じることがあると考えられています。これは「胎盤性モザイク(胎盤限局性モザイク)」と呼ばれます。

同じことは、胎盤のもとになる組織を採取する絨毛検査でも問題になります。出生前検査認証制度の説明では、絨毛検査について「調べているものが赤ちゃん自身ではなく胎盤の細胞なので、『胎盤性モザイク』といって、出てきた結果と赤ちゃんが一致しない場合が1%程度ある」とされ、その場合は羊水検査で詳しく調べる、と説明されています。

NIPTも、材料としては同じく胎盤に由来するものを見ています。したがって、胎盤の状態と赤ちゃんの状態がずれている場合には、結果もずれうる——これが、確率としてはごく小さいながら、陰性が「確定」にならない理由のひとつと考えられています。

なお、上の「1%程度」は絨毛検査についての数字であり、そのままNIPTの偽陰性の頻度を意味するものではありません。NIPTの陰性的中率は、先にお示ししたとおりどの年齢層でも99.99%以上とされています。

理由③|胎盤由来のDNAが十分に含まれていないと、判定が難しくなります

血液に含まれる胎盤由来のDNAは、全体の一部にすぎません。この割合が十分でないと、染色体ごとのDNA量の比較がうまくできず、判定そのものが難しくなると考えられています。

そのため、NIPTには「判定保留」という結果があります。出生前検査認証制度の説明では、NIPTは0.3〜0.4%の確率で判定保留があるとされ、その場合は遺伝カウンセリングで今後をご相談することになります。同制度の説明では、その際の選択肢として「もう一度NIPTを行う」「NIPTでの検査をあきらめる」「羊水検査を行う」が挙げられています。

判定保留は「陰性」でも「陽性」でもありません。結果が出せなかった、という状態です。「陰性のようなもの」と受け取ってしまうと判断を誤りますので、この点は必ず担当の医師とご確認ください。

※NIPTを受けられる時期については NIPTは何週に受けるのがベスト?、出生前検査全体の時期については 出生前診断はいつからいつまで? で解説しています。

理由④|そもそも、調べているのは3つの染色体だけです(最も見落とされやすい点)

ここまでの3つは「精度の限界」の話でしたが、実務でいちばん誤解が多いのは、この4つ目です。

出生前検査認証制度の認証施設で行うNIPTの対象は、21トリソミー(ダウン症候群)・18トリソミー・13トリソミーの3つに限られています。裏を返せば、この3つ以外は「陰性」でも調べていないということです。「調べたうえで問題なかった」のではなく、そもそも対象に入っていない——ここが決定的に違います。

項目認証施設のNIPTで
21トリソミー(ダウン症候群)可能性を調べます
18トリソミー・13トリソミー可能性を調べます
性染色体の数の変化調べません(検査の対象外)
そのほかの染色体の変化・微細な変化調べません(検査の対象外)
心臓など体のかたちの変化わかりません(超音波で調べる領域です)
症状の重さ・生まれてからの経過わかりません
結果の性質「可能性の高さ」を示す非確定的検査です

この点について、出生前検査認証制度は具体的な数字も示しています。同制度の説明では、NIPTを受けた方のその後を国内で追跡調査した報告として、NIPTで陰性となった約6万件のうち、4%にあたる2,370件には何らかの病気があったと紹介されています。

この数字は、NIPTの精度が低いという意味ではありません。同制度の説明では、生まれつき病気がある赤ちゃんのうち染色体の病気がある赤ちゃんは4人に1人だけで、残り3人の染色体は正常とされています。つまり、生まれつきの病気の多くはもともとNIPTの守備範囲の外にあるということです。

ですので、「陰性=赤ちゃんに何もない」ではなく、「陰性=調べた3つについて可能性が非常に低い」と理解していただくのが、いちばん正確です。この理解は、陰性という結果を過小評価することでも、過大評価することでもありません。

レディースクリニックなみなみ 叶谷愛弓院長(目黒・産婦人科/医学博士)

「4%」という数字を見て、急に不安になった方もいらっしゃるかもしれません。けれど、これはNIPTが外したという話ではなく、はじめから見ていない範囲の話です。だからこそ、陰性のあとも妊婦健診の超音波が続きます。検査は一度で完結するものではなく、妊娠の経過を通して重ねて見ていくもの、とお考えください。

「陰性だったのに」という話を、3つの場合に切り分ける

「NIPTで陰性だったのに、ダウン症だった」という体験談を目にして検索された方も多いと思います。ここまでの内容をふまえると、この一言の中には、性質のまったく違う3つの状況が混ざっていることがわかります。切り分けて見ていきます。

 どういう状況かNIPTとの関係
①対象外の疾患だった見つかったのが、NIPTが調べていない病気だったNIPTでは元々わかりません(外したのではありません)
②検査の対象が違っていた受けた検査の対象疾患が、想定と違っていた施設によって検査の対象が異なります
③まれな偽陰性だった対象の3つのうちの1つで、陰性だったが実際にはあった1万人に1人以下とされています

①対象外の疾患だった場合|NIPTでは元々わかりません

実際にはこの場合がかなりの割合を占めると考えられます。先ほどの「陰性となった約6万件のうち4%に何らかの病気があった」という報告についても、同制度の説明では、見つかったのは心臓など内臓やからだのつくりに関する病気が多かったと紹介されています。つまりその多くは、もともとNIPTでは調べていない範囲の病気だったということです。

この場合、NIPTは間違っていません。調べていない範囲のことは、陰性でも陽性でも語れない——検査の設計どおりの結果です。もし「NIPTが見落とした」と受け取っておられるなら、そこは切り離して考えていただいて大丈夫です。

②受けた検査の対象が違っていた場合|施設によって対象疾患が異なります

NIPTを調べていると、「調べられる項目が多い」「もっと幅広く検査できる」といった案内を目にすることがあります。出生前検査認証制度の認証を受けている施設と、認証を受けていない施設とでは、検査の対象や設計の考え方が異なります。

 認証施設認証を受けていない施設
検査の対象21・18・13トリソミーの3つに限定施設ごとに異なります
対象を決める基準精度が十分に検証されていること施設ごとの方針によります
検査前後の説明認証の要件として体制が定められています施設ごとに異なります
結果が出たあと相談・確定的検査につなぐ体制が前提とされています施設ごとに異なります

どちらが良い・悪いという話ではなく、「何を根拠に、どこまでを結果として返すのか」の考え方の違いです。ただ、ご自身が受けた検査で何が対象になっていたのかは、陰性の意味を読むうえで欠かせない情報になります。手元の結果用紙や説明書に対象疾患が書かれていますので、一度ご確認いただくとよいかと思います。

※認証施設と認証を受けていない施設の違いについては NIPTの費用相場は?認可施設と非認可施設の違い でくわしく解説しています。

③まれな偽陰性だった場合|1万人に1人以下とされています

3つ目が、本当の意味での「偽陰性」です。出生前検査認証制度の説明では1万人に1人以下とされており、頻度としては非常にまれです。原因としては、先にご説明した胎盤と赤ちゃんの状態のずれなどが関わると考えられています。

まれではありますが、ゼロではありません。この「ゼロではない」という部分こそが、NIPTが非確定的検査と呼ばれる理由です。数字を小さく見せることも、大きく見せることもせずに、そのままお伝えしています。

陰性という結果を、どう受け止めればよいか

ここまで「確定ではない」「ゼロではない」という話を続けてきました。では実際に陰性という結果を受け取った方は、どうしていけばよいのでしょうか。結論から言えば、多くの場合、これまでどおり妊婦健診を続けていくということになります。

陰性のあとも、妊婦健診での確認は続きます

NIPTで陰性だったからといって、そのあとの妊婦健診が簡略になるわけではありません。妊婦健診の超音波では、赤ちゃんの発育、羊水や胎盤の状態、体のかたちなどを継続して確認していきます。これはNIPTが調べていない領域であり、経過を追って初めてわかることも少なくありません。

つまり、NIPTの陰性は「これで終わり」ではなく、「ここから健診で見ていく」の出発点です。1回の検査結果で妊娠期間のすべてを判断するものではない、とお考えいただければと思います。

※超音波検査でわかることについては ダウン症はエコー検査でわかる?、時期については ダウン症はいつわかる? でも取り上げています。

気になることは、そのつど担当の医師にご相談いただけます

「陰性と言われたのに、まだ心配なのはおかしいでしょうか」——このようにおっしゃる方がいらっしゃいます。おかしなことではありません。数字で「非常にまれ」と説明されても、気持ちがそのまま切り替わるものではないからです。

気になることがあれば、健診のたびにお尋ねいただいて構いません。次のようなご相談は、いずれもよくいただくものです。

  • 陰性という結果は、具体的に何について陰性なのか、あらためて確認したい
  • 自分が受けた検査で、対象になっていた疾患を確認したい
  • 超音波で気になる所見があると言われたが、NIPTの結果とどう関係するのか知りたい
  • 判定保留と言われたが、どう考えればよいか相談したい
  • NIPT以外に、いま検討できる検査があるのか知りたい

とくに判定保留については、そのままにせずご相談ください。陰性とは意味が違うため、その後の考え方も変わってきます。

「不安がゼロになる検査」は、残念ながらありません

出生前の検査を受けようとされる動機の多くは「安心したい」という気持ちで、それはとても自然なことだと思います。ただ、どの検査も、不安をすべて消すためのものではありません。確定的検査である羊水検査でさえ、わかるのは染色体の変化があるかないかまでで、症状の重さや生まれてからの経過まではわかりません。「検査を重ねれば不安が消える」という道筋は、実際には存在しない——このことを、検査の前の段階で一緒に共有できるとよいと考えています。

レディースクリニックなみなみ 叶谷愛弓院長(目黒・産婦人科/医学博士)

診察でも、「陰性だったのに不安が消えません」というお話をよくうかがいます。検査の結果は、気持ちを切り替えるスイッチではありません。不安を持ったまま健診に来ていただいて、まったく構いません。そのつど一緒に確認していくことが、いちばん現実的な進み方だと思っています。

これから受ける方へ|「陰性の意味」を先に知っておく

まだNIPTを受けていない方にとっては、「陰性だったときに何がわかっていて、何がわかっていないのか」を先に知っておくことが、いちばん役に立ちます。ここまでの内容を、受ける前の視点で3点にまとめます。

先に確かめておくことなぜ大切か
陰性で得られる情報は何か得られるのは「調べた3つについて可能性が非常に低い」という情報です。それがご自身の知りたいことと合っているかを、先に確かめておきます
その検査の対象疾患は何か陰性の意味は「何を調べたか」で決まります。検査項目の多さだけでなく、対象が何であるかを確認しておきます
結果が出たあとの体制はどうか陽性や判定保留だったときに、誰にどう相談できるかまで含めて考えておくと、結果を受け取ったあとに迷いにくくなります

受けるかどうかに医学的な「正解」はなく、受けないという結論も同じように尊重されるべき選択です。迷いの整理については 出生前診断を受けるべき?受けた人の割合やメリット・デメリット をあわせてご覧ください。

当院でのご案内について

レディースクリニックなみなみは、日本医学会「出生前検査認証制度」の認証施設です。したがって当院のNIPTの対象も、21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーの3つです。陰性という結果が何を意味しているのかを、結果をお伝えするその場でご説明します。

  • 産婦人科専門医が、検査の前後の説明まで一貫して担当します——検査を受ける前のご説明も、結果をお伝えするのも、同じ体制で行います
  • 遺伝カウンセリングに対応しています——判定保留だった場合のご相談も含めて承ります
  • 基幹施設である日本赤十字社医療センターと連携しています——より専門的な対応が必要な場合には、連携して進めます
  • NIPTで陽性となった場合の確定検査(羊水検査)まで、当院がフォローします——羊水検査は当院では実施しておらず、基幹施設である日本赤十字社医療センターと連携して受けていただきます。当院が手配し、費用も当院が全額負担します

当院のNIPTは採血のみの非確定的検査で、妊娠10週0日から受けていただけます(推奨は12〜13週です)。目黒駅から徒歩4分、土日も診療しており、WEB予約は24時間受け付けています。紹介状は不要です。

なお当院では、出生前の検査としてまずNIPTをご案内する方針をとっています。コンバインド検査を基本的にはおすすめしていないのは、NIPTのほうが陰性という結果の確からしさが高く、判断の材料として扱いやすいと考えているためです。ご希望や経過によっては別の進め方もありますので、そのつど一緒に整理していきます。

「まだ受けると決めたわけではないけれど、話だけ聞いてみたい」「他院で受けた結果の意味を確認したい」といったご相談も歓迎しています。NIPTの検査内容・受けられる時期・費用・当院の体制については NIPTのご案内 に、料金は 料金一覧ページ にまとめています。金額は改定されることがありますので、最新の内容は料金ページでご確認ください。

よくあるご質問

NIPTで陰性でした。ダウン症の可能性はゼロになりましたか?

ゼロにはなりません。NIPTは非確定的検査で、陰性は「その病気である可能性が非常に低い」という意味です。出生前検査認証制度の説明では、陰性だった場合にその病気が実際にない確率は、どの年齢層でも、21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーのいずれでも99.99%以上とされています。非常に高い確からしさではありますが、確定ではありません。

NIPTの偽陰性は、どのくらいの頻度で起こりますか?

出生前検査認証制度の説明では、1万人に1人以下の割合で、陰性だったのに実際には病気があった「偽陰性」があるとされています。理由としては、NIPTが赤ちゃんそのものの細胞ではなく胎盤由来のDNAの断片を調べているため、胎盤と赤ちゃんの染色体の状態が一致しない場合があることなどが関わると考えられています。

陰性的中率と陽性的中率は、何が違うのですか?

陰性的中率は「陰性と出た方のうち、実際に病気がなかった割合」、陽性的中率は「陽性と出た方のうち、実際に病気があった割合」です。出生前検査認証制度の説明では、陰性的中率はどの年齢層でも99.99%以上とされる一方、陽性的中率は年齢によって大きく変わるとされています。「的中率は年齢で変わる」という説明は、陽性のほうの話だとご理解ください。

NIPTが陰性なら、もう何も検査しなくて大丈夫ですか?

陰性のあとも、妊婦健診での確認は続きます。NIPTが調べているのは21・18・13トリソミーの3つで、赤ちゃんの発育や体のかたち、羊水や胎盤の状態などはNIPTの対象ではありません。出生前検査認証制度の説明でも、生まれつき病気がある赤ちゃんのうち染色体の病気がある赤ちゃんは4人に1人だけで、残り3人の染色体は正常とされています。NIPTの陰性は「これで終わり」ではなく、健診で見ていく出発点とお考えください。

「判定保留」と言われました。陰性ということですか?

いいえ、陰性とは意味が違います。判定保留は「結果が出せなかった」という状態です。出生前検査認証制度の説明では、NIPTは0.3〜0.4%の確率で判定保留があるとされ、その場合は遺伝カウンセリングで今後を相談することになります。選択肢としては、もう一度NIPTを行う、NIPTでの検査をあきらめる、羊水検査を行う、が挙げられています。そのままにせず、担当の医師にご相談ください。

施設によって、陰性の意味は変わりますか?

陰性という言葉の意味そのものは変わりませんが、「何について陰性なのか」は変わります。出生前検査認証制度の認証施設のNIPTは対象が21・18・13トリソミーの3つに限定されている一方、認証を受けていない施設では検査の対象が施設ごとに異なります。ご自身が受けた検査で何が対象になっていたのかは、結果を読むうえで大切な情報になりますので、結果用紙や説明書でご確認いただくとよいかと思います。

まとめ

  • NIPTの陰性は「可能性が非常に低い」という意味で、「ない」と確定したわけではありません。NIPTが非確定的検査だからです
  • それでも、陰性のあとに見つかることは非常にまれです。陰性的中率はどの年齢層でも99.99%以上、偽陰性は1万人に1人以下とされています
  • ゼロにならない理由は、①調べているのが赤ちゃんの細胞ではなく胎盤由来のDNAの断片であること、②胎盤と赤ちゃんの状態が一致しない場合があること、③胎盤由来のDNAが十分でないと判定が難しく判定保留(0.3〜0.4%)になること、④対象が3つの染色体に限られていることです
  • 「陰性だったのに」という話には、①対象外の疾患だった ②受けた検査の対象が違っていた ③まれな偽陰性だったという別々の状況が混ざっています
  • 生まれつき病気がある赤ちゃんのうち染色体の病気は4人に1人とされ、多くはもともとNIPTの守備範囲の外にあります
  • 判定保留は陰性ではありません。そのままにせず担当の医師にご相談ください
  • 陰性は終わりではなく、妊婦健診で見ていくことの出発点です。気になることはそのつどご相談いただけます

レディースクリニックなみなみは出生前検査認証制度の認証施設として、検査の前のご説明から結果のお伝えまで、産婦人科専門医が一貫して対応しています。「陰性と言われたけれど、この結果をどう受け止めればいいのかわからない」というご相談も承っておりますので、どうぞお気軽にお声がけください。

クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓

東大産婦人科に入局後、長野県立こども病院、虎の門病院、関東労災病院、東京警察病院、東京都立豊島病院、東大病院など複数の病院勤務を経てレディースクリニックなみなみ院長に就任。

資格

  • 医学博士
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
  • FMF認定超音波医
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参考文献

  1. NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)とは. 日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会. https://jams-prenatal.jp/testing/nipt/
  2. お腹の赤ちゃんの検査の種類. 日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会. https://jams-prenatal.jp/testing/
  3. お腹の赤ちゃんの病気とは. 日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会. https://jams-prenatal.jp/disease/
  4. 産婦人科診療ガイドライン 産科編 2023. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会 (2023). https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00801/
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住所 東京都目黒区目黒1丁目6−17
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土・日 
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