レディースクリニック なみなみ

ピル

当院の診療内容は全て医師が監修しております。

クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓
総監修者について詳しく見る 

直接会って質問をしたい時だけ対面診察、忙しい時はオンライン診療も利用して効率的に受診しましょう。

ピルとは

ピルは、エストロゲンとプロゲステロンと言われる女性ホルモンの配合剤です。
排卵を抑制させるため、月経に関連したトラブル(月経困難症や月経不順、不正出血など)や避妊に効果的です。それ以外にも、月経日を移動させることができたり、子宮内膜症の治療にもなります。

ピルの効果

  • 避妊:きちんと正しく内服すればほぼ100%の避妊効果が得られます。パール指数という指標がありますが、避妊方法の効果を示す指標で、100組のカップルが1年間その避妊方法を使用した場合に妊娠するカップルの数を示します。パール指数が小さいほど、その避妊方法の効果は高いと言えます。コンドームでの避妊はパール指数で約2〜18(平均では約12)であるのに対し、ピルは約0.1〜1です。かなりの避妊効果が期待できることがわかります。
  • 月経に関する効果:月経痛、月経困難症、PMSに効果的です。また、月経を順調に整えることもできます。継続すると経血量を減らすことができ、日々の生活が楽になります。
  • 子宮内膜症:子宮内膜症の進展予防に利用する場合もあります。卵巣チョコレートのう腫がある方は縮小を期待してピルを利用します。
  • 各種がんの予防効果:卵巣がん、子宮体がん、大腸がんの予防になります。
  • ニキビに対する効果:男性ホルモンを抑制するタイプのピルを使用することで、大人ニキビを改善させます。大人ニキビのページを参照

ピルの種類

低用量ピル / 超低用量ピル

エストロゲンの量が少ないピルのことを指します。副作用の観点からは、なるべくエストロゲンの量は少ない方が良いと言われています。
エストロゲンとプロゲステロンが配合されているという点は同じですが種類によって細かく、効果や値段も異なる様々なタイプのものが発売されています。それぞれPMS(月経前症候群)に効果的なもの、男性ホルモンが抑制されるタイプでニキビの治療にいいもの、など特徴があります。その方の治療したい主訴や目的から種類を決めます。

  • OC(oral contraceptive)
    主に避妊用のピルです。自費診療になり、保険診療で使うことはできません。当院で扱っているピルは下記の通りです。

当院扱い避妊用ピル(院内処方できます)

  • トリキュラー(第2世代、3相性) 2600円
  • ファボワール(第3世代、1相性、ジェネリック) 2200円
  • ラベルフィーユ(第2世代、3相性、ジェネリック) 2200円
  • LEP(Low dose estrogen progestin)
    保険診療で処方できるピルになります。月経痛や月経困難症、PMS、月経不順、過多月経、子宮内膜症(卵巣チョコレートのう腫)に効果があります。日本では適応は通っておりませんが、理論上は避妊効果もあります。保険のピルは院外処方箋で近くの薬局での処方となります。(継続で、オンライン診療の場合などは配送も可能です。)

保険適用低用量ピル(LEP)

  • ルナベルULD(第1世代、1相性、超低用量ピル)
  • フリウェルLD(第1世代、1相性、ジェネリック)
  • フリウェルULD(第1世代、1相性、ジェネリック、超低用量ピル)
  • ジェミーナ(第2世代、1相性、連続法)
  • ヤーズ(第4世代、1相性、超低用量ピル)
  • ヤーズフレックス(第4世代、1相性、連続法、超低用量ピル)
  • ドロエチ(第4世代、1相性、連続法、ジェネリック)

中用量ピル

エストロゲンの量が超低用量/低用量ピルに比べて多いピルです。かつてはこちらのピルが主流でしたが、さらに副作用の少ない低用量ピルが登場したのであまり使われなくなりました。現在では、機能性出血の止血や月経移動のために短期間だけ使用することが主流となっています。

中用量ピル(院内処方できます。月経移動の場合は自費となります)

  • プラノバール 自費の月経移動の場合は4,000円

ピルの副作用

マイナートラブル

不正出血、乳房の張りや痛み、嘔気、頭痛などが起こることがありますが、内服を続けると消失することもあります。副作用が続く場合はご相談ください。ピルを飲むと太る、と言われることがありますが医学的な根拠はありません。

血栓塞栓症(頻度は少ないが、発症すると重篤になるもの)

ピル使用者の中には、血のかたまり(血栓)が形成されるリスクが上がることが知られています。下肢の静脈に血栓ができ、血液の流れに乗って各臓器に飛ぶと肺塞栓症などの重篤な状態を引き起こす可能性があります。ただし、頻度としては非常に低く1万人に3〜9人程度と言われています。ちなみに、妊婦さんや褥婦さんは血栓のリスクが高いことで知られ、その頻度は妊婦さんで5〜20人/1万人、褥婦さんで40〜65人/1万人程度と言われています。ピルで血栓のリスクは上昇すると言われていますが、このように妊婦さんや褥婦さんの方が圧倒的にリスクが高いことがわかります。

下記の方はピル処方要注意!

  • 喫煙者
  • 高度肥満(BMI30以上)
  • 血栓塞栓症の既往がある
  • 血栓塞栓症の家族歴がある
  • 前兆を伴う頭痛がある(器質的異常がなければ内服できる場合も多いです)
  • 炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)
  • 年齢が40歳以上(禁忌ではないので相談して処方することもあります

上記に該当する方はピルの処方が難しい場合があります。

血栓症の発見には、ACHES(エイクス)

  • A:abdominal pain (激しい腹痛)
  • C:chest pain(激しい胸痛、息苦しい、押しつぶされるような痛み)
  • H:headache(激しい頭痛)
  • E:eye / speech problems(見えにくい所がある、視野が狭い、舌のもつれ、失神、けいれん、 意識障害)
  • S:severe leg pain(ふくらはぎの痛み、むくみ、握ると痛い、赤くなっている)

上記症状がある方はすぐにピルをやめて、医療機関を受診してください。

当院ではピルを処方する方には全員オンライン事前問診を行っております。
また、来院での処方の方は事前に血圧測定をお願いしています。
オンライン処方の方も、直近2週間の血圧をどこかで必ず測定し、
診察時に教えてください。

医師

ピルはどうしても血栓などの副作用に注目しがちですが、リスクよりもメリットの方がずっと大きい薬です。月経痛やPMSにも良く効きますし、内膜症の進行も抑えます。妊娠を希望する方は一旦やめていただきますが、産後、授乳も終わったら忘れずに再開してください!

アフターピルとは(緊急避妊薬)

コンドームの破損や避妊の失敗、同意を得られない性交渉など、望まぬ妊娠を回避するために、緊急避妊薬を使うことができます。
当院で処方するピルはレボノルゲストレル錠(ジェネリックもあります)で、性交後72時間以内の内服が推奨されています。90%近い妊娠阻止率が期待できますが、次回の生理予定日から1-2週間遅れる場合は必ず妊娠検査薬を行ってください。
また、緊急避妊薬はあくまで緊急で使用するものです。避妊目的には通常のピルがありますので、使用することを強くお勧めします。当院では緊急避妊薬に加えて、避妊用のピルも合わせてお出しできますのでこの機会にぜひチャレンジしてみてください。

  • レボノルゲストレル錠のみ(緊急避妊薬)12,000円
  • レボノルゲストレル錠(緊急避妊薬)+
    ファボワール(通常避妊用ピル)14,000円

緊急避妊薬の処方には予約は不要で当日いらしていただければすぐに処方いたします。場合によりお待たせすることもありますのでご了承ください。

よくあるご質問

前の病院でピルを処方されてました。同じものを出してもらえますか?

処方できます。当院では市販されている全てのピルを扱うことができますのでご安心ください。

処方はずっとオンラインでも可能ですか?

年に一度だけは定期検診として超音波やがん検診をお勧めしていますが、それ以外は全てオンラインでも問題ありません。

中学生ですが、ピルを出してもらえますか?

もちろん処方することは可能です。初診はぜひクリニックで相談してください。

緊急避妊薬を飲んだのですが、何か副作用はありますか?

少し気持ちが悪くなる方もいらっしゃいますが、重篤な副作用はほとんどありません。

あわせて読みたい関連コラム

その他の関連コラムをみる