月経と関係して発生するニキビに対しては、ピル等を使った治療がおすすめです。
大人ニキビとは
ニキビは「尋常性ざ瘡」と言われる皮膚の疾患になります。
皮脂の過剰分泌が原因で、毛穴に皮脂が詰まり、ニキビの原因となるアクネ菌が繁殖しやすくなります。10代に多く見られるニキビは、皮脂分泌の多い顔のTゾーンにできやすいですが、大人ニキビはあごやフェイスライン、眉間にできやすい特徴があります。また、大人ニキビは月経による影響を受けると言われており、月経前にニキビがひどくなることがあります。
大人ニキビの原因
大人になってからできるニキビは、不規則な食事や生活、睡眠不足、喫煙やアルコール、ホルモンの乱れによって起こります。特に男性ホルモンが女性ホルモンに比べて優位になるようなホルモンバランスの乱れがあると起きやすくなります。男性ホルモンの働きが強くなると、皮脂の分泌が増えて毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、ニキビになります。大人ニキビはあごやフェイスライン、眉間にできやすいですが、これはちょうど男性の髭や眉毛が生える場所であり、男性ホルモン優位になっている一つの証拠です。
大人ニキビの治療
一般的なニキビの治療に対するお薬の処方もできますが、これら保険診療での治療でよくならない方はホルモン剤を使用した自費治療が可能です。大人ニキビの原因は男性ホルモンにあるので、それを抑えるようなホルモン治療と内服薬の併用療法がかなり効果的です。この治療法は日本では自費診療の扱いになりますが、欧米ではガイドラインに記載されているほど一般的です。
- 使用する薬剤：低用量ピル（男性ホルモンが抑制されるタイプ）、スピロノラクトン（抗男性ホルモン作用のある薬。日本では利尿薬として登録されている。）
治療の流れ
初診時
- ニキビの状態を把握するために写真を撮る場合があります。
- 低用量ピル（ファボワール）１錠/日＋スピロノラクトン 2錠/日 内服
↓
３ヶ月後
（最初に１ヶ月分のみ処方して、問題なければ２ヶ月分追加処方するという流れになります。）
↓
再診時
- ニキビの状態を見ながらスピロノラクトンを増減します
- スピロノラクトンは最大8錠/日まで内服可
- 評価のために再度写真撮影を行う場合があります
皮膚科では塗り薬の処方がメインで、内服薬・特にピルの処方はあまりされなかったですが、婦人科でみるみる良くなる患者さんを目の当たりにしてますよ。レーザーなどの前にもまずは婦人科に相談がおすすめです。
大人ニキビ治療の費用について
| ファボワール | 1シート約 2200円 |
| スピロノラクトン | スピロノラクトン 1日 50mg（30日分） 3,300円 1日100mg（30日分） 6,600円 1日150mg（30日分） 9,900円 1日200mg（30日分） 13,200円 |
※上記は自費になります。
※税込価格
ホルモン剤による治療は上記薬剤に加えて、自費での初診料もしくは再診料が加わります。
よくあるご質問
ニキビに対する普通の飲み薬や塗り薬も一緒に処方してもらえますか？
処方できます。治りにくいニキビに対してホルモン剤を使用しますので、ご希望あれば先に保険診療で行う一般的なニキビの治療を行った後に、ホルモン剤を使うという流れでも良いです。
スピロノラクトンは利尿薬ですが、飲んでも大丈夫ですか？
すこし尿が近くなりますが問題ありません。ニキビの治療により増量することもありますが、それについても大きな問題は報告されていません。
ピルの種類はなんでも良いというわけではなく、男性ホルモンが少ないタイプのものをきちんと選択しています。ニキビが改善したとしてもしばらくピルは継続することをお勧めします。