レディースクリニック なみなみ

つわり(悪阻)外来

当院の診療内容は全て医師が監修しております。

クリニックなみなみ 院長 叶谷愛弓

執筆者兼監修者プロフィール

レディースクリニックなみなみ
院長 叶谷愛弓
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レディースクリニックなみなみでは保険適応の対症療法から、つわりを根本から治療する自費診療「ボンジェスタ」までしっかり選択肢を提示して妊婦さんのつわりと向き合います。

妊娠初期のつわりがつらい方、つわりへの不安がある方は、東京都目黒区の当院(レディースクリニックなみなみ)にご相談ください。妊娠初期に多くの妊婦さんが経験する吐き気や嘔吐などの症状を総称して「つわり」と呼びます​。通常、つわりの症状は妊娠5~6週頃に始まり、妊娠12~16週頃(妊娠4か月頃)までに落ち着きます​。個人差が大きく、早い人では妊娠10週前後で軽くなり、遅い人でも妊娠20週頃までには治まることがほとんどです​。一方でごくまれに出産直前まで症状が続くケースもあります​。つわりは「赤ちゃんが順調に育っている証拠」と言われることがありますが、決して我慢すべきものではありません。つらいときは無理をせず、医師やご家族のサポートを得て乗り越えていきましょう​。

つわり(悪阻)の症状と経過

つわり(ひどい場合を妊娠悪阻〈にんしんおそ〉とも言います)は、妊娠初期に起こる代表的なトラブルです。主な症状は以下のとおりです。

  • 吐き気・嘔吐: 胃のムカムカ感や繰り返す嘔吐。朝起き抜けや空腹時に吐き気が強まることが多く、いわゆる「朝の吐き気(モーニングシックネス)」と呼ばれる状況です​。ひどい場合は水すら飲めず、1日に何度も嘔吐することがあります。
  • 食欲不振: 食べ物の匂いや味に敏感になり、食欲が落ちます。特定の食品や匂いに強い嫌悪感を抱くこともあり、つわり期間中の妊婦の食事は思うように進まないことがしばしばです。例えば、脂っこい料理や温かいご飯の匂いで気分が悪くなる方もいます。反対に、冷たい飲み物や果物など喉ごしの良いものだと口にできる場合もあります。
  • 倦怠感・眠気: 常に体がだるく感じたり、異常に眠かったりします。妊娠初期はホルモンバランスの急激な変化により強い眠気や疲労感が出やすく、吐き気と相まって日常生活にも支障を来すことがあります。
  • その他の症状: 人によっては 頭痛めまい唾液過多(よだれが増える) などを伴うこともあります。中には軽い吐き気程度で嘔吐はほとんどない方や、全くつわりを感じない幸運な方もいます​。つわりの程度や現れ方は本当に人それぞれです。

多くの場合、つわりの症状は妊娠初期(妊娠2~4か月頃)に限定され、その後は自然と改善していきます​。妊娠が進み胎盤が完成する妊娠16週頃には、ホルモン環境が安定して吐き気が治まってくる妊婦さんがほとんどです。ただし一時的によくなってもぶり返すこともありますし、先述のようにごく一部では妊娠後期まで長引くケースも見られます​。いずれにせよ、つわりは永遠に続くものではありません。今つらくても必ず終わりが来ますので、あまり先のことを悲観しすぎずに過ごしましょう。

重症化のサイン(妊娠悪阻)と受診の目安

つわりの症状があまりに強い場合、医学的には「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と診断されます。一般的なつわりとの明確な境界はありませんが、以下のような状態は重症化のサインです。

  • 水分・食事がまったく取れない: 一日中嘔吐が続き、水やスープすら受け付けない状態が続く。脱水症状が心配されます。
  • 体重減少: 妊娠前と比べて体重が急激に減っている(目安として5%以上の減少)。栄養不足により母体が衰弱し、胎児への栄養供給にも支障が出かねません​。
  • 脱水症状: 尿の減少・濃縮(尿の色が濃くなる)、めまい、立ちくらみ、脈が速くなる、皮膚や口の渇きといった脱水の症状がみられる​。妊婦健診などで尿中ケトン体が陽性と言われた場合も深刻な脱水状態を示唆します。
  • 日常生活の困難: 吐き気と嘔吐、倦怠感が強すぎて起き上がれない、通勤や家事など通常の生活が送れない。寝たきりに近い状態になってしまっている。

妊婦さん全体の約1~2%はこのように重度のつわりに陥るとされ​、適切な治療をしないと出産直前まで症状が続く例も稀ながらあります​。重症のつわりでは点滴による水分・電解質補正やビタミン補給、入院加療が必要です​。吐き気があまりにつらく食事も水分も取れない場合、我慢は禁物です。早めに当院へご連絡・ご来院いただき、医師の判断を仰いでください。必要に応じて入院設備のある提携病院へのご紹介も行いますので、一人で抱え込まないようにしましょう。

当院で可能なサポート(点滴・投薬・生活指導など)

当院では、つわりに悩む妊婦さんに対し以下のような医療的サポートを行っています。妊娠初期のつらい症状を少しでも和らげ、安心して妊娠生活を送れるようお手伝いします。

点滴療法による水分・栄養補給

食事や水分が摂れない方には、外来での点滴により不足しがちな水分・電解質を補給します。点滴には必要に応じてビタミン剤(ビタミンB1など)も添加し、長引く吐き気で起こりやすいビタミン欠乏症(ウェルニッケ脳症など)の予防につとめます​。点滴を行うと一時的に吐き気が治まり体が楽になる妊婦さんも多くいらっしゃいます。「入院するほどではないけれど自宅でほとんど食べられない…」という場合は早めに点滴での治療をご検討ください。

妊娠中でも安全な薬の処方(抗吐気薬など)

近年はつわり止めの薬で症状をコントロールすることも一般的になってきました​。妊娠初期は胎児の器官形成期で薬剤の影響が心配されますが、医学的知見の蓄積により安全性が確認されたお薬も存在します。当院では産婦人科専門医の判断のもと、必要最小限の範囲で妊婦さんに適したお薬を使用します。例えば、消化管の働きを整えるお薬(※商品名プリンペラン等)は奇形のリスクは指摘されておらず、症状に応じて妊娠初期から短期間用いることができます。また、漢方薬(小半夏加茯苓湯など)も比較的安全に使用可能で、つわりの治療にしばしば取り入れられています​。

海外で広く使われているお薬「ボンジェスタ」の導入

欧米で一般的につわり治療に用いられているビタミンB6と抗ヒスタミン剤の合剤(ドキシラミンコハク酸塩+ピリドキシン塩酸塩)を希望に応じて使用できます。これは商品名ボンジェスタといい、60年以上にわたる使用実績があり母体と胎児への安全性が確認されたお薬です。残念ながら日本国内ではつわり治療薬としてまだ承認されておらず保険適用外ですが​、当院では必要に応じて医師の管理下で輸入薬として提供しています(オンライン診療での処方も可能です​)。「薬でこんなに楽になるなんて!」と驚かれる妊婦さんも多く、食事や水分が摂りやすくなる効果が期待できます。

生活指導・栄養指導

当院では助産師による妊娠中の栄養相談・生活指導を行っています。つわり期間の過ごし方や食事の工夫など、妊婦健診の限られた時間では聞ききれない疑問や不安も専門スタッフがじっくりお答えします。​「何も食べられないけど赤ちゃんは大丈夫?」「妊娠初期におすすめの食事は?」「仕事は続けられる?」など遠慮なくご相談ください。妊婦さん一人ひとりの体調やライフスタイルに合わせたアドバイスを行い、不安の軽減と健康維持をサポートいたします。

つわりは本当に辛いものですが、適切に対処すれば必ず乗り越えられます。当院では妊娠初期の妊婦さんが少しでも快適に日々を過ごせるよう、全力でサポートしております。妊娠中の吐き気や体調不良でお困りの際は、お一人で悩まず当院までお気軽にご相談ください。スタッフ一同、妊婦さんに安心してご来院いただけるよう努めています。一緒にこの大変な時期を乗り越えていきましょう。ご予約・お問い合わせをお待ちしております。​

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